3年前の“円安は悪なのか?”から、2026年の今を考える
みなさん、どうもレオ代表です。
「個人飲食店を長く続けるには」の続編は今回は少し置いておいて。
今日は3年前に書いた「円安は本当にいけないことなのか?」という記事について、2026年の今、少し答え合わせをしてみたいと思います。
前回の記事はこちら👇
円安は本当にいけないことなのか?32年前ってどんな時代だった?|レオ代表
3年前、私はこう書きました。
「円安は悪ではない。大企業は恩恵を受けている。その恩恵を国民の賃金アップにつなげる対策が必要。インバウンドも追い風になる。」
あれから3年。
結論から言うと、予想はある程度当たっていました。
ただ、その恩恵が私たちのところまで届かなかった。そんな3年間だったように思います。
為替について
3年前は「円安の恩恵を賃金アップにつなげられるかどうかが問題」と書きました。
直近のドル円は160円前後。3年前よりさらに円安が進んでいます。
では恩恵は届いたのか。
店をやっている感覚では、
「もう円安とか関係なく全部高いやん」
というのが本音です。
原材料費。
物流費。
光熱費。
人件費。
3年前は「円安だから値上げ」という話をよく聞きました。
でも今は少し状況が違う。
円安だけが原因ではなく、日本国内のコストそのものが上がり続けている。
そんな状態になっています。
物価が上がること自体が悪いとは思いません。
経済が成長するなら、物価も賃金も上がっていくのが本来の姿やと思うからです。
ただ、問題はスピードです。
給料が上がる以上のペースで生活コストが上がれば、誰だって苦しくなる。
この30年、日本人の給料がほとんど増えてこなかったツケが、今になって一気に表面化しているように感じます。
円安の恩恵を賃金アップにつなげる、という意味では半分だけ当たりました。
賃金は確かに上がっています。
ただ物価の上昇スピードにはとても追いついていない。
恩恵が届いたとは言い難い状況です。
一方で、「インバウンドが増えれば円安は強力な武器になる」という予測は当たりました。
2025年の訪日外国人は4,268万人。
コロナ前の2019年が3,188万人だったことを考えると、コロナ禍を経てさらに上回っています。
ただ、その恩恵が個人飲食店まで届いているかというと話は別です。
インバウンドの恩恵を受けているのは観光地の大型施設やホテル、チェーン店が中心。
街の個人店にその波が来ているかといえば、正直なところ実感は薄い。
「円安は武器になる」は正しかった。
ただ、誰にとっての武器なのか。
答えは明確です。
国です。
少なくとも数字だけを見る限り、国の懐は確実に豊かになっています。
国の税収は2022年度の約71兆円から、2024年度には75.2兆円まで増加。
さらに2025年度は78.4兆円が見込まれています。
わずか3年で7兆円以上増える計算です。
もちろん税収が増えること自体は悪いことではありません。
ただ、その数字を見るたびに思うんです。
「この恩恵、どこまで国民に届いているんやろうか」と。
人件費について
最低賃金はこの3年で大きく上昇しました。
東京都の最低賃金は2023年の1,113円から、現在は1,226円。
たった3年で113円上がっています。
仮に週4日、1日5時間働くアルバイトが1人いるとして、年間で約11万円の差。
3人いれば約33万円になります。
時給が上がること自体は良いことです。
働く人の給料が増えることに反対する人は少ないでしょう。
ただ、個人飲食店を経営している立場からすると、話はそう単純でもありません。
だからといって、
「こういう政策をやればいい」
「政府はこうするべきだ」
と偉そうに語れるほど、私は経済に詳しいわけでもありません。
ただ一つ思うのは、
企業の利益が増え、その利益が賃金に回り、さらに消費が増える。
そんな流れを作るための対策は、まだ十分ではないように感じます。
現場で店をやっていると、
物価は上がる。
人件費も上がる。
でもお客さんが外食に使えるお金の紐は、どんどんキツくなっている。
そんな状況がずっと続いています。
このまま続けば個人店は淘汰され、大手企業だけが残っていく。
そんな雰囲気がすごくします。
むしろ国はそうなることを望んでいるんちゃうか、とすら思うことがあります。
株価について
3年前、私は「大企業は円安の恩恵を受けている」と書きました。
ニュースでは「株価最高値更新」をよく見かけます。
その意味では当たっています。
ただ、株をやっていない人からすると、
「だから何なん?」
という話ではないでしょうか。
給料が急に増えるわけでもない。
スーパーの値段が下がるわけでもない。
家賃が安くなるわけでもない。
現場では食費も光熱費も上がり続けている。
ニュースで言われる景気の良さと、日常生活で感じる景気の良さには、まだ大きな差があります。
大企業が恩恵を受けているのは正しかった。
ただ、3年前に私が期待していた「その恩恵が国民まで届く流れ」は、まだ来ていません。
その流れを作る一つの手段として、食料品の消費税をゼロにするという議論が出てきました。
正直、ようやくかという気持ちです。
ただ、なかなか実現しない。
財源確保が難しいというのが表向きの理由ですが、この30年ずっと消費税を上げ続けてきたのは財務省です。
その財務省が首を縦に振らない限り、何も変わらない構造になっている。
それが問題の根っこにあるように思います。
ただ、これ以上話すと政治の話になってしまうので、このあたりにしておきます。
今、個人飲食店がやるべきこと
3年前、私は「円安の恩恵が国民まで届くかどうか」が問題やと書きました。
2026年の今、その答えはまだ出ていない。
むしろ問いはもっと大きくなった気がしています。
ただ、こうして答え合わせをしてみると、一つだけはっきりしていることがあります。
「環境は確実に変わっている」ということです。
3年前と同じ感覚で経営していたら、気づかないうちに足元が崩れている。
そのリスクは今の方がずっと高い。
だからこそ今、私が意識してやっていることを書いておきます。
①数字を今まで以上に細かく見る
原材料費率、人件費率、光熱費。
まず3年前と比べてどう変わったかを確認することです。
3年前と同じ感覚で経営していたら、気づかないうちに利益が削られている可能性があります。
②値上げを先延ばしにしない
値上げしたらお客さんが離れるんじゃないか。
そう思って踏み切れないお店は多いと思います。
その気持ちは痛いほどわかります。
ただ、値上げしないまま利益が削られ続ければ、店自体が続かなくなる。
お客さんを失うことへの恐怖と、店を守ることへの責任。
その葛藤の中で、それでも価格を見直す決断をすることが今は必要だと思っています。
③固定費を定期的に疑う
家賃、光熱費、通信費、仕入れ先。
一度決めたら終わりではなく、定期的に見直していく。
売上が上がっていても、利益が増えているとは限りません。
むしろ売上は伸びているのに、気づけば手元にお金が残っていない。
そんなお店も少なくないと思います。
「頑張って売る」だけではなく、「数字を見る」ことも同じくらい大切な時代になった。
毎週エクセルを開くその5分が、お店の命綱になると私は本気で思っています。
長くなりましたが、最後までお読みいただきありがとうございます。
※この記事は経済学者でも投資家でもない、一個人飲食店経営者として感じたことを書いています。
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