休みの日_07💉_【でこぼこ】【シロクマ文芸部】
休みの日はあらかじめ決まっている。2交代制でシフトを組むためだ。だから、必ずしも土曜日や日曜日が休みの日とは限らない。子どもの授業参観日や運動会などは看護師同士で交代して調整している。優子のシフトでは今日は休みの日だったのだが、交代して勤務していた。
シフトを組んでいるから必ず休めるかというとそうでもない。慢性的な看護師不足で休日出勤や残業で対応している状態が続いているからだ。しかし、息子の佳雄を亡くしてしまった優子にとっては業務に忙殺されていたほうがましだった。
先日、警察官から優子の身に覚えのない、加工された優子のいかがわしい画像が拡散されていたという話を聞いてショックを受けた。拡散されていたということは佳雄もこの画像を見ていたことだろう。そんな画像を見たら、きっと優子以上にショックを受けていたに違いない。そう思うと枯れていると思っていた涙がまた滲んできた。
「ほら、早くしまいなさいよ」
「なに?なにをしまうの?」
職場の同僚が何やら雑誌を隠そうとしていた。それはスクープで散々、人の人生を狂わせてきた悪名高き週刊誌だった。
「いや、見ない方が…」
「気になるわ、いいから見せて」
優子は週刊誌を受け取りページをめくるとSNSで拡散されていた例のいかがわしい画像と佳雄と同じ学校の制服を着た男子生徒が顔にモザイクをかけられて掲載されていた。
『恋愛のもつれの末の殺意か?』
週刊誌という媒体は『?』をつければ何でも書いていいものと勘違いしているようだ。それにしても、拡散されていた画像と恋愛のもつれとは一体どういう関係があるのだろうか?
記事を読んでみると、校舎から転落死した生徒Aと恋愛関係でトラブルがあった同じ学校の男子生徒Bが、腹いせで生徒Aの母親について根拠のないスキャンダルな内容をSNSに投稿したとのことだった。その後、両者間で校舎の屋上で口論となり、生徒Bが生徒Aを突き落としたのではないかと書かれていた。そして、最後のページに掲載されていた写真に驚愕した。
それは、後姿の生徒Bが屋上から校庭を見下ろしている写真であった。
ショートストーリー?をつなげて連載中です。毎週金曜日頃投稿予定です。目次に各話のリンクを貼っていますので振り返りにどうぞ。
小牧幸助さんの企画に参加しています。
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