六月は_11💉_【でこぼこ】【シロクマ文芸部】
六月は佳雄が高校に入学して初めての演奏会があった。
演奏曲は吹奏楽では定番の「宝島」だった。テンポよく弾むように演奏している佳雄の姿は、いまでも優子の脳裏に鮮明に焼き付いている。佳雄は優子にとって、まさに宝物だった。
…
警察から捜査に進展があったので直接お話ししたいとの連絡があり、優子の公休日の午前中に自宅へ来てもらうことになった。午後だと落ち着かないので、午前中の早い時間帯に済ませてしまいたいと思ったからだ。いったい、どんな進展があったのだろうか?杉下健人を逮捕したのだろうか?
『ピンポーン』
警察官をリビングに案内すると、頂きもののお茶を淹れた。
「今日はどういったお話でしょうか?」
「ええ、順を追ってお話します」
「おねがいします」
「当日、緊急地震速報が鳴りましたよね」
「そういえば、鳴ってましたね」
「学校の近くで車を運転されていた方がいまして、地震に備えて車を停めたそうです」
「それがなにか?」
「ちょうど学校の正面の位置に停まりまして、ドライブレコーダーに校舎が映っていたんです」
「まさか」
「そうなんです。佳雄さんが屋上から転落したと思われる時間帯の画像です」
「…」
「佳雄さんが転落したと思われたあと、屋上に人影が映っていました」
「杉下健人ですね」
「顔までは、はっきりとわかりませんでした」
「杉下に違いないわ」
「実は、もう一人、屋上に人影が映っていたんです」
「もう一人?」
「ええ」
「なんで、もう一人ってわかるんですか?」
「身長が違うんです。人影と屋上の柵の高さで判断しました」
「…」
「こちらの画像は二人目の背が高い方の人影です。そして、初めに現れたのは背が低い方の人影でした」
ショートストーリー?をつなげて連載中です。毎週金曜日頃投稿予定です。目次に各話のリンクを貼っていますので振り返りにどうぞ。
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