見出し画像

蚊の本当の恐ろしさ~蚊が媒介する感染症のお話。海外旅行はご注意を

蚊の本当の恐ろしさは「かゆい」とか「プ~~ン」という音で眠れないことではありません。蚊は、病原体を運び、人の生命や健康をおびやかす恐ろしい生き物なのです。


蚊は、人の命を最も多く奪っている生き物

世界では、蚊を含む節足動物媒介感染症で年間70万人以上の人が死亡しています。うち60万人以上が、蚊が媒介するマラリアによる死亡です(WHOファクトシートより)。
蚊は、ウイルスやマラリア原虫などの病原体を媒介することにより、あらゆる生き物の中で最も人の命を多く奪っている人類最大の敵なのです。

蚊が媒介する主な感染症。デング熱、日本脳炎、マラリア、ウエストナイル熱、ジカ熱、チクングニア熱
世界で蚊の次に人の命を多く奪っている毒ヘビ類による死亡は推定年間8~13万人。蚊は人間の最大の敵である。(WHOファクトシートより)

日本でのリスク

蚊による感染症は、日本でも遠い過去の話ではありません。2014年には、東京都内を中心に約70年ぶりのデング熱の国内感染がおきました。
コガタアカイエカが媒介する日本脳炎にも注意が必要です。ワクチンの普及もあり日本での患者は少なくなりましたが、畜産が盛んな地域などで毎年ウイルスが見つかり、症例も報告されています。
デング熱やウエストナイル熱、ジカ熱、チクングニア熱はヒトスジシマカなど日本に広く生息する蚊が媒介するので、今後流行が発生する可能性が少なくありません。

蚊媒介感染症は特有の治療法もない病気も多く、かかってしまうと対症療法が中心です。また、ワクチンも、日本脳炎、黄熱以外は有効なものがほとんどありません。
蚊媒介感染症は「蚊に刺されないこと」が最も効果的な予防法であり、重要な対策であるのです。

蚊は病原体を運ぶ生き物
今この時も蚊はどこかで病原体を運び、人を深刻な病気に陥らせている。

海外に渡航するときは、感染症情報をチェック

人が海外で感染して日本に病原体を持ってきてしまう輸入感染症も、毎年多く報告されています。
特にデング熱は近年世界的に流行しており、感染者数が年々増えてきています。海外に渡航する際は、必ず厚生労働省検疫所のホームページで現地の最新の感染症情報をチェックしてください。
デング熱やマラリアなど、現地で蚊が媒介する感染症が流行している場合は、虫よけ剤を持っていくなど対策をお忘れなく!

海外渡航の際は必ず感染症情報をチェック!
海外渡航の際は、厚生労働省検疫所のホームページで感染症情報をチェック!

蚊を増やさないために

肌に塗るタイプの虫よけ剤エアゾール蚊取り線香などの殺虫剤をシーンに合わせて使い分け、蚊に刺されるのを防止するのはもちろんですが、ふだんから蚊を増やさないように気を付けましょう
そのためには、まず、蚊の幼虫である「ボウフラ」を発生させないようにすることが大事です。
ボウフラは、水の中の有機物を食べて大きくなります。古タイヤやお墓の花入れ、植木鉢の水受けにたまった水、空き缶や雨よけシートのくぼみにたまった水などでも育ちます。家の周りにそういったボウフラの生息場所をなくすようにしましょう。
また、蚊の成虫は、草むらや雑木林などにひそみ、花の蜜や草の汁を吸って生きています。蚊のひそみ場所となる雑草などの手入れをすることも大事です。

蚊を発生させないようにするには、水たまりをなくすことと、雑草などの手入れをすることが大切
蚊を発生させないようにするには、水たまりをなくすことと、雑草などの手入れをすることが大切

Vector-borne diseases
Snakebite envenoming
Dengue - Global situation
FORTH|厚生労働省検疫所
輸入感染症|国立健康危機管理研究機構 感染症情報提供サイト
生態と種類を知る | 蚊 | ウルトラ害虫(がいちゅう)大百科 | KINCHO

WHOファクトシート、KINCHOホームページなど
金鳥の渦巻のCMの最後の花火のシーンは、疫病退散祈願の意味がある
明治時代にKINCHO創業者が発明した蚊取り線香は、世界中の人々を蚊が媒介する感染症から守ってきた。「金鳥の渦巻」CMの最後の花火のシーンは「疫病退散」祈願の意味がある。