『50歳から足は再生する』 −捻挫癖・外反母趾・浮き指を自分で越えた記録−
序章
私が「足」に辿り着いたのは、50歳の時ではありません。
始まりは、43歳のときです。
当時、私は慢性的な腰痛に悩まされていました。
ストレッチもする。筋トレもする。マッサージにも通う。
それでも、根本的には変わらない。
忘れもしない43歳の秋、生涯一のひどいぎっくり腰に遭遇する。
それまで西洋医学一本だった私が、そのときに出会ったのが、東洋医学の整体でした。
押す、揉む、鍛えるではない。
“流す”“ほどく”“滞りを取る”という発想。
その施術で、腰痛は驚くほど軽くなりました。
そこで私は、あることに氣づきます。
「これ、足首にも応用できるのでは?」
当時の私は、捻挫癖を10年以上抱えていました。
繰り返す。治る。繰り返す。
もうこれは“体質”なんだと思っていました。
今、振り返るとひどい浮き指です。
これではきっと足底筋膜炎も患っていたでしょうが、当時の私は、腰も、膝も、股関節も痛かったので、足のことなど感じませんでした…
2010年、41歳の時の写真。
— 續池均(kintsuzuike)@MTR Method Lab®︎ (@kintsuzuike) September 24, 2023
分かりにくいが引用元ツイートの親指が上を向いているのはトーガというエクササイズの途中の画なので意図的で、残りの4指はしっかり地についている。… https://t.co/mYchPaDJh1 pic.twitter.com/7tRx8EVJwX
しかし、私は、腰痛が緩和した原理をそのまま足首に当てはめてみたのです。
筋肉の硬さをほどき滞りを流す。
防御で固まった組織をとことん弛めてみる。
毎日30分、1ヶ月続けてみました。
するとどうなったか。
捻挫癖が、すっかり消えたのです。
テーピングもサポーターも不要になった。
「弱い足首」だと思い込んでいたものは、ただ硬くなっていただけだった。
この成功体験は、私の中で決定的でした。
そして同時に、私はある壁にぶつかります。
世の中には、“筋肉を鍛える”という常識はあっても、“筋肉をほどく”という発想はほとんどない。
構造を見ずに、症状だけを見る。
原因ではなく、結果をいじる。
私はこれを後に『バカの壁』と呼ぶことになります。
思い込みは、知識よりも強固です。
「捻挫癖は治らない」
「足首は弱い体質」
そう信じた瞬間、そこで思考は止まります。
私は止まりませんでした。
47歳のとき、私は自ら整体院の経営に乗り出します。
施術家ではありません。
研究者でもありません。
しかし、自分の體で確かめたことだけは確信していました。
體は、構造で変わる。
そこまでは、なんとなく分かっていました。
しかしこの時点では、足が“土台”だとは、まだ氣づいていません。
テンセグリティという言葉も知らない。
アーチの力学も、二階建て構造も、理論としては持っていない。
ただ、ひとつだけ事実がありました。
足を触ると、全身が変わる。
足首を弛めると、腰が少し軽くなる。
足趾を動かすと、股関節が動きやすくなる。
踵の位置が整うと、呼吸が深くなる。
理由は分からないが、それでも、変わる。
だから私は、足ばかり触るようになりました。
整体院を経営しながら、なぜか足の投稿ばかりSNSに上げる。
外反母趾。浮き指。捻挫癖。距骨。踵骨。
そのうち、こう呼ばれるようになります。
「足の人ですね。」
正直に言えば、その頃の私は“なぜ足なのか”を言語化できていませんでした。
ただ感覚的に、ここに鍵があると感じていただけです。
そして53歳。
テンセグリティに出会います。
足は土台だった。
ここで、すべてが繋がりました。
これまで点でやってきたことが、線になる。
線が、立体になる。
ここ3年で、進化は一気に加速します。
理論を手にしたからではありません。
すでにやっていたことの“意味”が分かったからです。
50歳から足は再生した。
でも本当は、53歳から足は“理解”された。
そして今、私は確信している。
足は、何歳からでも戻る。
この物語は、感覚から始まり、構造へ辿り着く記録です。
第1章|捻挫癖は“足首の弱さ”ではなかった
■ 問題は靭帯ではなかった
私は10年以上、捻挫を繰り返していました。
そのたびに言われる言葉は同じです。
「足首が弱いですね。」
しかし私は疑問を持っていました。
本当に“弱い”のか?
43歳のとき、東洋医学の整体で腰痛が緩和しました。
そのとき体感したのは、筋肉が弛んだ瞬間に動きが変わるという事実です。
壊れていたのではない。
固まっていただけだった。
ならば、足首も同じではないか。
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