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『50歳から足は再生する』 −捻挫癖・外反母趾・浮き指を自分で越えた記録−

序章

私が「足」に辿り着いたのは、50歳の時ではありません。

始まりは、43歳のときです。
当時、私は慢性的な腰痛に悩まされていました。
ストレッチもする。筋トレもする。マッサージにも通う。
それでも、根本的には変わらない。

忘れもしない43歳の秋、生涯一のひどいぎっくり腰に遭遇する。
それまで西洋医学一本だった私が、そのときに出会ったのが、東洋医学の整体でした。

押す、揉む、鍛えるではない。
“流す”“ほどく”“滞りを取る”という発想。
その施術で、腰痛は驚くほど軽くなりました。

そこで私は、あることに氣づきます。

「これ、足首にも応用できるのでは?」

当時の私は、捻挫癖を10年以上抱えていました。
繰り返す。治る。繰り返す。
もうこれは“体質”なんだと思っていました。

今、振り返るとひどい浮き指です。
これではきっと足底筋膜炎も患っていたでしょうが、当時の私は、腰も、膝も、股関節も痛かったので、足のことなど感じませんでした…

しかし、私は、腰痛が緩和した原理をそのまま足首に当てはめてみたのです。

筋肉の硬さをほどき滞りを流す。
防御で固まった組織をとことん弛めてみる。
毎日30分、1ヶ月続けてみました。

するとどうなったか。

捻挫癖が、すっかり消えたのです。
テーピングもサポーターも不要になった。
「弱い足首」だと思い込んでいたものは、ただ硬くなっていただけだった。

この成功体験は、私の中で決定的でした。

そして同時に、私はある壁にぶつかります。

世の中には、“筋肉を鍛える”という常識はあっても、“筋肉をほどく”という発想はほとんどない。
構造を見ずに、症状だけを見る。
原因ではなく、結果をいじる。

私はこれを後に『バカの壁』と呼ぶことになります。

思い込みは、知識よりも強固です。
「捻挫癖は治らない」
「足首は弱い体質」
そう信じた瞬間、そこで思考は止まります。

私は止まりませんでした。

47歳のとき、私は自ら整体院の経営に乗り出します。

施術家ではありません。
研究者でもありません。
しかし、自分の體で確かめたことだけは確信していました。

體は、構造で変わる。
そこまでは、なんとなく分かっていました。
しかしこの時点では、足が“土台”だとは、まだ氣づいていません。

テンセグリティという言葉も知らない。
アーチの力学も、二階建て構造も、理論としては持っていない。

ただ、ひとつだけ事実がありました。
足を触ると、全身が変わる。

  • 足首を弛めると、腰が少し軽くなる。

  • 足趾を動かすと、股関節が動きやすくなる。

  • 踵の位置が整うと、呼吸が深くなる。

理由は分からないが、それでも、変わる。
だから私は、足ばかり触るようになりました。

整体院を経営しながら、なぜか足の投稿ばかりSNSに上げる。
外反母趾。浮き指。捻挫癖。距骨。踵骨。
そのうち、こう呼ばれるようになります。

「足の人ですね。」

正直に言えば、その頃の私は“なぜ足なのか”を言語化できていませんでした。
ただ感覚的に、ここに鍵があると感じていただけです。

そして53歳。
テンセグリティに出会います。

足は土台だった。
ここで、すべてが繋がりました。

これまで点でやってきたことが、線になる。
線が、立体になる。

ここ3年で、進化は一気に加速します。

理論を手にしたからではありません。
すでにやっていたことの“意味”が分かったからです。

50歳から足は再生した。
でも本当は、53歳から足は“理解”された。
そして今、私は確信している。
足は、何歳からでも戻る。

この物語は、感覚から始まり、構造へ辿り着く記録です。



第1章|捻挫癖は“足首の弱さ”ではなかった

■ 問題は靭帯ではなかった

私は10年以上、捻挫を繰り返していました。
そのたびに言われる言葉は同じです。

「足首が弱いですね。」

しかし私は疑問を持っていました。
本当に“弱い”のか?

43歳のとき、東洋医学の整体で腰痛が緩和しました。
そのとき体感したのは、筋肉が弛んだ瞬間に動きが変わるという事実です。

壊れていたのではない。
固まっていただけだった。

ならば、足首も同じではないか。

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