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ドコモとau・UQが相次いで値上げ、さらにドコモは低価格ブランド廃止

政府が菅政権時代に「4割値下げ」など公然と政治介入してから早5年。世間は値上げムーブなのにモバイル通信だけ値上げできない…という状況が続いていました。

そのほとぼりも冷めてきたのか、痺れを切らした大手3キャリアは2025年に入り値上げを画策するようになりました。明確に口火を切ったのはソフトバンクの宮川社長でしたが、KDDIの髙橋社長(当時)も2025年2月5日の四半期決算発表の場で「価値に伴う対価を糧に投資を進めるという、経済の好循環を進めていきたい」といった発言をしており、これが値上げ意向と解釈される一幕もありました。


ドコモが率先して値上げ

ところが、実際に動いたのはドコモからでした。2025年4月24日、NTTドコモが料金プランの抜本改定を発表。2025年6月5日から「ドコモ MAX」「ドコモ ポイ活 MAX」と「ドコモ mini」を開始し、現行の「eximo」「irumo」は新規受付終了となります。

なお既存契約者は変更等しなければ「eximo」「irumo」を使い続けることができますが、新規訴求の終了や新規加入ができなくなる(選択肢が失われる)ことを指して以下本稿では「終了」「廃止」と呼んでいます。予めご承知おきください。

そんなわけで、競合他社がほのめかしていた値上げに最初に踏み切ったのがドコモでした。大胆不敵ですね!

加えて、現行の「eximo」「irumo」がわずか2年足らずでお役御免になったこと、そして新プランの内容に驚いた人も多かったのではないでしょうか。

「eximo」「irumo」終了

現行の「eximo」「irumo」は2023年7月に始まりました。

「eximo」は従来のドコモの太客向けの使い放題プランですが、「irumo」はマスコミが「サブブランド」と呼ぶ、それまでドコモが持っていなかった廉価ブランドです。つまり、「安さを売りにして契約のきっかけを作り、最終的には(大容量ブランド)へ移行してもらう」ことが期待されるブランドです。

実際、ソフトバンクは「Y!mobile」で、KDDIは「UQモバイル」で、他社の顧客を獲得してきました。顧客の流出が続いていたドコモに対し、親会社のNTT(持株会社)は「もうシェアを落とすな」と圧力をかけていて、irumoは流出を防ぐ「守り」と、他社の顧客を奪ってくる「攻め」の両面を期待されたブランドだったはずです。

しかしそんな売り手目線の熱い期待とは裏腹に、買い手目線に立つと「irumo」に魅力を感じた人は主に(料金は安くしたいが、他社に変えたくはない)保守的なドコモユーザーだったのではないでしょうか。筆者が見ても旧「OCN モバイル ONE」には一定の魅力を感じましたが、「irumo」には何の魅力も感じられませんでした…他の選択肢もいろいろと見ていると、そうなりますよね。

また、(最初から「わかりづらい」と言われていましたが)「eximo」「irumo」という名前も良くなかったのかもしれません。競合の「Y!」はよく知られた「Yahoo!」ですし、「UQ」もWiMAX時代(2008年~)からブランドを育ててきた積み重ねがあります。これらに対してまっさらなブランドをぶつけても、すぐに浸透するとは思えません。

ソフトバンクが旧イー・モバイルと旧WILLCOMを傘下に入れたことで2014年に生まれた「Y!mobile」や、KDDIが傘下の UQ WiMAX のブランドに相乗りして2016年に立ち上げた「UQモバイル」に対抗する重要な立ち位置なわけですが、それが始動からわずか2年でリブランドを余儀なくされるほど、今の「eximo」「irumo」は不人気なのでしょう。

推察するに、「ahamo」は新設ブランドながらに大成功したので、それにあやかって「eximo」「irumo」と名付けられたように思われます。しかし、言うまでもないと思うのですが、「ahamo」成功の要因はブランド力ではなく、中身です。

「irumo」も中身が良ければ成功したかもしれませんが、実態は旧「OCN モバイル ONE」の劣化コピー。中身が評価されなかったので早々に見切りをつけられた、といったところでしょうか。

結果、ドコモは再び低価格「サブブランド」を持たない判断をしたことになります。プランとしては「irumo」の後継になる「ドコモmini」がありますが、マスコミが大好きな「サブブランド」ではありません。思い切ったなと思いますし、ドコモには「サブブランド」が馴染まなかったのだろうな、とも思いました。

そしてもちろん、「エコノミーMVNOへの力を入れていくのか?」「いえ、それは考えていません。」

ドコモに振り回された旧OCNユーザーを軽視する態度は目に余るものがありますが、まあその話はまたの機会に。

これほどの大規模な改定が短期間にできるとも思えませんから、だいぶ前から仕込んでいたのでしょう。最初からリブランドまで考えていたかはさておき、井伊前社長の置き土産である「eximo」「irumo」が始まったわずか1年後の2024年6月の社長交代を機に、早々にプラン再改定に着手していたのかもしれませんね。

コンテンツ盛り盛り抱き合わせ商法

値上げやリブランド以上に筆者が驚いたのは、高額かつ極めて趣味的な「DAZN」を強制的にバンドルしてきたこと。「ドコモよ、おまえもか」という感じです。2020年にauが似たようなこと(コンテンツバンドルで値上げしたコンテンツ盛り盛りプランの発表)をして「さよならau」と騒がれたことを思い出した人は少なくないでしょう。

しかも今回のドコモはより悪質で、コン盛りプラン一択になってしまいます(「DAZN」も「ポイ活」も無い大容量プランは廃止)。

簡単におさらいしましょう。「eximo」の後継となる「ドコモ MAX」には、主にこの3つが追加されます。

  • 国際ローミングが30GBまで無料

  • DAZN for docomoが見放題

  • Amazon Primeが最大6カ月無料(3,600円相当)、以降も120dポイント還元

このうち国際ローミングはモバイル通信サービスなので不可分とも理解できますが、他はまるで関係のないコンテンツサービスです。

Amazonプライムは月額600円×6回(以降は120ポイント)なので総付景品と理解できなくもないですが、DAZNは異質です。

ここでひとつ喩え話をしましょう。一部のビジネスホテルに泊まるとQUOカードが付いてくるプランがあります。当然その分宿泊費は割高ですが、領収証は宿泊費で発行されるので、要は何かと物入りな出張中のビジネスマンがコンビニ等で使える小遣い替わりです。

また、ビジネスホテルにもコンテンツ付きプランがあって、宿泊中にテレビの有料チャンネル(PPV)を見られるプランも散見されますが、いずれにせよ、宿泊費(5千円くらいから)に対しQUOカードやPPV(千円くらい)は総付景品規制の2割以内に収まっています。

そして何より、ビジネスホテルには素の(QUOカードもPPVテレビも付かない)プランも用意されていて、消費者は選ぶことができます

さよならドコモ

しかし今回の「ドコモ MAX」は割高感がMAXなだけでなく、DAZN無しのプランを選ぶことができません。これにはびっくりです。公取仕事してる?

なんと言ってもDAZNは高額で、しかも毎年のように値上げが話題になるようですが、今の料金は月額4,200円もするそうです。年額じゃないですよ、月額ですよ。でもまあコンテンツには金がかかるのでしょう。好きな人が自分の選択で払うぶんにはまあいいんじゃないかと思います。

でもドコモの料金にセットするのは話が別。総付景品規制の2割を明らかに超えているからです。

このDAZNセット販売の件はマスコミからも突っつかれたようですが、ドコモは「(スポーツ鑑賞に月額4,200円払う人は)決してマイノリティではない」と答えたようです。いやそれ以前の問題だろうというツッコミを入れらないマスコミも残念ですが、マイノリティ云々についても考えてみましょう。

ドコモが言うように、仮にスポーツ鑑賞を趣味とする人が1000万人いるとしましょう。日本の人口は契約主体になれる成年人口がおよそ1億人ですが、そのうち1000万人がDAZN万歳な人だとしても、見方を変えれば9割の人には不要な物を抱き合わせ販売することになります。

また、スポーツ鑑賞愛好家が全てDAZNを契約するわけでもないでしょう。実際、スポーツファンだけどDAZNいらないって人もいるようです。そこにドコモがDAZNを抱き合わせ販売することで、(他のサービスを利用していた人がDAZNに鞍替えするなど)DAZNを有利にすることにもなりかねず、公正競争上の疑義が生じそうです。

「嫌ならahamoにすれば?」「他社に移ればいいでしょ?」などと筋違いなことを言う人もいるみたいですが、キャリアショップでのフルサポートを必要としている人が選べるのは「ドコモ MAX」「ドコモ ポイ活 MAX」「ドコモ ポイ活 20」「ドコモ mini」の4つしかなく、このうちminiで足りない、「ポイ活」に余計な金や手間をかけたくない人には漏れなくDAZNが付いてきます

こんな話もあります。「eximoでは、半数のユーザーに割引がすべて適用されて」いるそうです。つまり「ドコモ MAX」への移行候補となるユーザーの半数はガッチガチに縛られ済みだそうです。びっくりです。

こうしたショップサポートを必要とする縛られ済みユーザーに対し、「DAZN」や「ポイ活」を抱き合わせ販売することで価格を吊り上げる狙いが透けて見えるわけです。

逆に、1割のスポーツファンに対しては、人気のDAZNで釣って不人気のドコモを抱き合わせ販売する格好にもなり得ますね。

いずれにせよ公取さん、仕事してます?

少容量ユーザーも値上げ

一方で、少容量ユーザーの受け皿になっていたMVNOの「OCN モバイル ONE」を2年前に強制終了して「irumo」を立ち上げたドコモが、掌を返すように「irumo」を廃止することになりました。

筆者の知人にもOCNユーザーがいるので話を聞いたことがありますが、相当ショックを受けていたようです…ドコモ嫌いにならなければいいのですが、この仕打ちだと無理かな(-_-;。

2025年5月9日の決算会見でその旨を問われたドコモの前田社長は、「ポートイン(MNP転入)の半数が、1年以内に次へ移る。そもそも、そういう状態であり、獲得にコストをかけていくこと自体にあまり意味がなくなってきている」と答えたそうです。

半数とは極端のようにも思えますが、MVNO時代の「OCN モバイル ONE」より「irumo」の料金水準はかなり高いので、本来「irumo」に期待されていた他社から客(MNP転入)を取ってくる役割を果たせていない(からMNP IN/OUTを繰り返すようなマイノリティが目立つ)ことの裏返しと見ることもできそうです。

でも、最初からOCNとは関係なく新ブランドを立ち上げたならまだしも、OCNを潰した経緯があるので当然比較されます。結局、OCNを潰したことで(料金設定とユーザー軽視の二重に)自ら首を絞めたような気もします。

OCNからirumoになって追加されたのはドコモショップでのサポート(しかも有償)と販売端末のラインアップくらいでしょう。元々MVNOのOCNユーザーはドコモショップでのサポートをあまり必要としていない人が多かったでしょうから、改善と言えるか微妙です。しかし料金だけは上がるので、移行せずにOCNを使い続けている人や、他社へ転出した人も多そうに思います。ちなみに先ほどの知人もOCNを使い続けていて、特に移行は考えていない(OCNを使い続ける)そうです。

メディア関係者やレビュアーの試用目的や予備回線用途、または転勤が多いといった人が一時的に少容量プランを契約する場合があって、そういう人は短期解約が多いと思いますが、少容量プランをメインにしているユーザーはあまり動かない印象があります。

または、旧OCNユーザーがドコモショップで勧められるがままにirumoに変えたところ、料金が爆上がりしたので再び他社に移った人もいるかもしれません。

MVNO時代にOCNに入った少容量ユーザーに、今のドコモの料金プランは合っていないのだと思います。

しかしドコモは前社長時代に一方的にOCNを潰してユーザーに迷惑をかけ、何の反省もないままirumoも潰す様子には呆れましたが、このような態度ではユーザー軽視の一方的な値上げと捉えられても仕方ないでしょう。

auショップ(au Style)・UQスポット

auも値上げ

ドコモの話だけで5000字以上も使ってしまいましたが(^^;、国内には他にMNOが3キャリアあります。積もる話はまたの機会にして、次にいきましょう…

連休明け直後の2025年5月7日、KDDIは“au”と“UQ mobile”のプラン改定を発表しました。実際に新プランが始まるのは2025年8月1日からですが、ドコモの改定を受けて急いで発表したのでしょうね。料金設計担当者はドコモのせいで急遽連休返上になったのかもしれません(^^;。まあきっと今頃代休もらってゆっくり休んでいることでしょう…

で、やっぱり値上げなのですが(;_;)、KDDIは“au”と“UQ mobile”の既存契約者に対しても値上げするというので驚きました。

一方、値上げ幅はドコモよりも小幅な数百円に留めています。そして、値上げの代償として4つ盛ってきました。

  • 「Pontaパス」(一部プランのみ)

  • 「サブスクぷらすポイント」還元率増(全プランが対象)

  • 「au海外放題」に無料枠を設定(一部プランのみ)

  • 「au Starlink Direct」(一部プランのみ)

このうち「au海外放題」の無料枠はドコモ新プランへの対抗でしょう。

「au Starlink Direct」については長くなりそうなので本稿では割愛しますが、auでは通信サービスの一部として提供されるようです。

「サブスクぷらすポイント」は元々ありましたが、還元率が引き上げられるそうです。また、夏頃から「Google One」が追加されるそうです。趣味的なDAZNよりはユーザー数が多そうですし、そもそも選択制です。

金額としては、「Pontaパス」は月額548円。対象料金プランの中で最も安価な「コミコミプランバリュー」は月額3,828円なので、総付景品規制の2割以内に収まっています。

サブスクぷらすポイント」は最大ポイント還元率が20%に引き上げられますが、各サブスクの月額料金を別途支払う前提なので、やはり総付景品規制の2割以内に収まっています。KDDIはしっかり法令順守している様子がうかがえます。

Pontaパス

そして気になる「Pontaパス」。これは旧「auスマートパスプレミアム」が2024年10月2日に改定されたもので、KDDIが子会社化(共同経営)したローソンで使える特典が多く盛り込まれています。詳しい内容は割愛しますが、月額548円で販売しているキャリアフリーのサービスです。これがauに新設される「バリューリンクプラン」と、UQの「コミコミプランバリュー」にバンドルされることになりました。

拡充されて毎月合計2,000円以上の特典が追加されるそうですが、他キャリアのユーザーも月額548円払えば加入できるので、特典額は548円相当です。

UQモバイルの競合になるワイモバイルには当初から「Yahoo!プレミアム」(現在は「LYPプレミアム」、月額508円)が付帯していますが、Y!がネットサービスなのに対し、Pontaは実店舗で利用できる特典が充実している印象があります。そんな内容の違いはありますが、UQがY!に追いついた感じも受けました:)。

ちなみに「Pontaパス」は4月まで普通に外販していたのですが、ドコモの新料金が発表された頃に少し変化があったようです(広告が止まったそうです)。ドコモの値上げを見てKDDIも急遽方針を練り直したのかもしれませんね:)。

UQモバイルは3プランから2プランに絞り込み

かつて格安「サブブランド」で先行していたワイモバイル(YM)に対し、KDDIは対抗策として「UQモバイル」を立ち上げました。

その経緯もあって、UQモバイルはワイモバイル似の松竹梅3プランを用意してきたのですが、2023年6月1日の「コミコミプラン」登場で松竹梅の構造が崩れ(余談ですが今ではワイモバイルでも崩れかけていますね(苦笑))、2025年6月3日からは2プランに集約されます。

2プランに集約される結果、現在の「ミニミニプラン」で足りていた4GB以下のユーザーには負担が大きくなりそうです。新「トクトクプラン2」が段階制になって5GB以下のユーザーも一応カバーする格好にはなるのですが、それでも料金は上がりますし、しかも楽天のように使えば勝手に値上がりし、5GBで課金を止めることはできません。

また、繰り越しこそ残りますが、MVNO時代から続いていた(現行プランでは「ミニミニプラン」のみ対応していた)「節約モード」が廃止されます(既に対応プランを利用している人は引き続き利用できます)。「ミニミニプラン」で「節約モード」ONにして「データ消費ゼロ」で使っていた人には悲報でしょう。

2023年頃までは先行するワイモバイルを追うUQモバイル、という構図でしたが、その立ち位置がここ数年でずいぶん変わったように見えます。

髙橋前社長が度々述べていた「モメンタムの回復」が2024年までにほぼできて、MVNOからYM対抗「サブブランド」になったUQは、さらに今ではahamoや楽天に対抗する位置づけに変わっています。

ここには価格に敏感なユーザーが多いと思われ、また(対抗先がahamoや楽天なので)通販型の契約者も多いと思われるため、なるべくシンプルにして通販型の販売に適した形にする意図もあるのだと思われました。その狙い自体は良いと思いますし、「コミコミプランバリュー」も良いプランだと思うのですが、MVNO時代からUQを愛用しているユーザーには寂しいかもしれませんね…

「さよならau」の反省を生かすKDDI

ドコモがコンテンツ盛り盛りで大幅値上げしたのに対し、かつてコン盛りプランの先駆者だったauは今回いたずらにバンドルせず、素の(通信サービスのみの)プランも用意しています。そのぶんプランが増えて複雑化している面はありますが、auはショップでの案内が前提なので、多少複雑でも問題ないでしょう。

KDDIでは2018年より7年率いてきた髙橋前社長から引き継いで、2025年4月に松田新社長が就任したばかり。いきなり値上げという重たい宿題をもらった格好ですが、前社長時代に「さよならau」と言われた反省を生かし、通信品質向上を引っ提げて、今回の値上げにも法令順守しながら慎重に対応している様子がうかがえました。

だからと言って値上げは素直に歓迎できないとは思いますが、ドコモのそれとはだいぶ違うなという印象です。

UQとpovoはどうなる?

前述の通り、個人的には、UQに縛り無しの「コミコミプラン」が残ったことを好評価しています。

UQの「コミコミプラン」はahamoや楽天に対抗する意味から縛りを排しているのでしょうが、YMのようにガッチガチに縛られると辛いものがあります(YMは「シンプル」を自称していますが縛り無しだと割高です、それでもSBよりはマシですが)。どんなに通信品質が良くても縛りは避けたい、という人も少なくないのではと思います。

今回のKDDIの改定では従来プランも値上げする異例の展開になっていますが、UQ mobileは「シンプルでおトク」、povoは「オンライン専売で自由にトッピングできる」価値をそれぞれ提供する方針に変わりはないそうで、ドコモのようにガラッと変わったりしなかったのは安心感がありました。

でもUQの既存プランは値上げする方針だけが示されているものの、具体的な扱いは未発表。価格コンシャスなUQユーザーに受け容れられるかどうか、様子を見ながら慎重に動くつもりでしょうか。

もうひとつ気になるのは、povo 2.0。こちらは基本料金が0円なので、基本料金の値上げは無さそうですが、データトッピングが値上がりするかもしれません。

でも、povoの料金は、ぱっと見ではわかりにくいんですよね。

筆者はこれまでに発売されたデータトッピングをひととおり記録しているので感じるのですが、実際、今まではよくセールに出ていた「データ使い放題」系のトッピングを中心に、既にじわじわと値上がりしているように思います。この傾向が続くのか、他のトッピングにも波及するのか、気がかりです。

povo の場合は基本料金が0円で最長でも1年(365日)トッピングなので、1年後にどうなっているか見当つきません。まあpovoはサポートを削って安く提供するブランドですし、データ通信量が増えれば単価は下がるものですから、もし値上げされてもごく小規模に留まると思いたいですね…

ソフトバンクと楽天モバイルは?

ソフトバンクの宮川社長は予てより値上げしたい意向を示していましたが、今回の競合2社の値上げに対し即応せず「じっくりと戦略練りたい」のだとか。5月15日には「値上げしなくても良いなら、本当は値上げしたくない」とも言いだしたようで、ちゃっかりしてるなぁと思いますが、まあ時間の問題でしょう(;_;)。

一方、楽天モバイルは今のところ料金プランで「大きな値上げ、考えはない」そうです。

楽天は追う側ですし、これまで楽天モバイルの参入で家計負担を下げることに貢献したとしきりに喧伝してきた手前もあり、さらに最近はARPUに算入するなど楽天グループへの波及効果も謳っているので、通信費のみを取り上げて安易な値上げをするのは得策ではなさそうです。

とはいえ、かつて基本料金0円(無料)が2022年6月にしれっと廃止されたことを根に持っているよく覚えているユーザーも少なくないでしょう。

2023年12月にはSIMカード交換手数料が再有料化され、2024年12月には留守番電話が有料化されました。こんな感じで、基本料金は据え置きでも小細工をして実質値上げはあり得るかもしれません。

値上げの理由

最後に少し余談を。今回の値上げ劇でもうひとつ気になったのは、値上げの理由です。

KDDIの髙橋前社長のように、「利益は投資に回して『世界一のネットワーク』に」するんだと言うのは好感できますが、一方で電気代と労務費の上昇も理由に挙がってきます。

このうち人件費に充てるのは国内経済の循環を良くすると思いますが、残念なのは電気代。これもドイツのように再生可能エネルギーに投資していて国内で循環するのなら良いのですが、日本では化石燃料の輸入で大半が失われるんですよね…これでは経済の好循環どころか国富を流失し気候変動を加速する悪循環です。

もちろんデータ通信量やデータセンター需要の増加などで電力需要が増している面もあるでしょうが、根本的には超円安を放置し、そもそも化石燃料や原発などの再生可能でないエネルギー源に依存してきた国策のツケが企業経営や市民生活に回ってきています。

日本には太陽光発電に適した気象条件の地域が多くあります。とりわけ東名阪の大需要地は太陽光発電の適地です。政府が屋根置き太陽光発電などの再生可能エネルギーをまともに推進していれば、ここまで酷いことにはならなかったでしょうに。残念でなりません。

一企業でできることには限りがあるとは思いますが、経済云々と言うなら、やはりエネルギー源も再エネにシフトするなど、国内経済をしっかり回す形にしてほしいと思いますし、そうすることでユーザーの理解を得たり、新たな付加価値を生んだりもできるのではないでしょうか。

(2025.05.17 見出し変更 旧題「大手モバイル通信キャリアが相次ぎ値上げ」)
(2025.07.26 続報(楽天モバイルとソフトバンクの動向)を書きました)


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