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「闇夜に刻まれた印」第三十二章:招かれざる好敵手/《烙印於黑夜之印》第三十二章: 不請自來的對手(和訳付き)

作者便り(26年6月)

初めてのあなたに

前編




日本語訳

【第三十二章:招かれざる好敵手】

酒場での騒がしい夜を経て、クレアは物価の異変に繋がる小さな違和感に気づき始める。
一方で、騎士団と領主もまた、彼の存在を無視できなくなっていく。

何気ない酒席と模擬戦の約束が、静かに物語を別の方向へと動かしていく。

そしてカルダの目的も、単なる「興味」だけではないようで──。

「君の通行証って、王都で発行されたものよね?」

クレアが顔を上げると、
そこにはどこか意地の悪そうな笑みを浮かべたカルダが立っていた。

一瞬だけ面食らったものの、
彼はすぐに平静を取り戻す。

(……どうりで見覚えがあると思った。)

クレアはジョッキを持ち上げ、
ビールを一口飲みながら心の中で苦笑した。

(街に入ったとき、通行証を確認してたの、この人だったんだ……)

しかも一度ではない。

二度、三度とひっくり返して確認していた。

まるで何かの宝物でも眺めているかのように。

どうして今まで思い出せなかったのか。

クレアは心の底から後悔した。

だがジョッキを置くと、
何事もなかったような顔で答える。

「本当は、一度戻るつもりだったんです。」

そう言ってカルダへ向き直る。

「でも師匠が、最近オルパキで少し問題が起きてるから、
しばらくは帰るなって。」

そう口にしながらも、

クレアの脳裏には、まったく別の光景が浮かんでいた。

――リシナの抜剣。

――街の接収。

――領主の処刑。

……

だが今の彼にできるのは、

それらすべてを、

「少し問題が起きている」

の一言で片付けることだけだった。

「だから、王都で作り直すしかなかったんです。」

クレアはそう言ってから、一拍置いて付け加える。

「それに……古い通行証を出したら、窓口の人も特に何も聞かずに、そのまま新しいのを発行してくれました。」

「へぇ~~、そうなんだぁ。」

カルダは語尾を引き伸ばしながら、ジョッキの縁を指先で軽く叩く。

どうやら、まだ何か考えているらしい。

クレアは内心で必死に祈った。

(頼むから……武装女官団事務局とか、そんな暗号みたいな印が付いてませんように……)

あの通行証は、もともと副官から直接渡されたものだ。

疑われても、ある意味では当然だった。

「オルパキの最近の件ってさ……」

不意にカルダがこちらを見る。

「もしかして、王都で話題になってる――」

そこまで言ったところで、彼女は言葉を止めた。

クレアの手が、テーブルの下でわずかに握られる。

「……まあ、いいや。」

カルダは肩をすくめる。

「ひとまず、パスってことにしといてあげる。」

そう言って笑った。

それでも、その目には、まだ少し疑いの色が残っていたけれど――

いつの間にか。

彼女の前には、もう一杯ビールが置かれていた。

「ほら、これは君の分!」

カルダは勢いよくクレアの隣へ腰を下ろすと、
ジョッキをどん、と目の前へ置いた。

「お詫びってことで!」

「そうこなくっちゃ副長だ!」

さっきまで囃し立てていたおじさんが、すかさずジョッキを掲げる。

「ほらほら、飲め飲め!」

そう言うなり、一気に飲み干した。

そこから先は、もう完全に収拾がつかなくなった。

剣術の話になったかと思えば、喧嘩の武勇伝。

地方の噂話から、最近起きた事件の話。

途中からは、肉の値段の話で本気の口論を始める連中までいた。

カルダも、もう通行証の話は持ち出さなかった。

ごく自然に輪の中へ溶け込み、

笑い、

飲み、

突っ込み、

時には自分も突っ込まれながら、

酒場の夜を楽しんでいるようだった。

クレアも少しずつ酔いが回ってきていたが、

それでも頭の片隅では、ずっと自分に言い聞かせていた。

――喋りすぎるな。

――余計なことは言うな。

少なくとも今のところ、

大きな失言はしていない……はずだ。

だが――

その夜、自分がどうやって宿へ戻ったのか。

それだけは、

翌朝になってもまったく思い出せなかった。

翌朝。

クレアは頭を抱えながら、ゆっくりとベッドの上で身を起こした。

「……頭痛い。」

二日酔いだ。

間違いなく、二日酔いだった。

ふらつく足取りで洗面台へ向かい、
冷たい水を何度も顔へ叩きつける。

ようやく頭が少しだけ回り始めた頃——

彼は、一つの事実に気づいた。

「……もしかして俺、昨夜カルダに嵌められた?」

たぶん、事の発端はあそこだった。


「クレアって、剣やってるんだろ?」

酒も何杯か進み、
すっかり上機嫌になったカルダが身を乗り出してくる。

「だったら、一度手合わせしてみない?」

周囲の連中も即座に乗ってきた。

「おっ、坊主! 一発見せろ!」

真っ先に机を叩いたのはリア姉だった。

「いや……」

クレアは少し困った顔をする。

「今、結構酔ってますし……」

「うっかり怪我させたらまずいので。」

「じゃあ、こうしよう。」

カルダはどこからともなく一組のカードを取り出し、
勢いよくテーブルへ叩きつけた。

ぱんっ。

「勝負はゲーム。」

彼女は妙に気前の良い笑顔を浮かべる。

「内容は好きなの選んでいいよ。」

「私が勝ったら——」

一本指を立てる。

「明日、酒が抜けたら団部に来ること。」

続いてもう一本。

「君が勝ったら、今夜の酒代は全部私持ち!」

その場にいた全員が歓声を上げた。

「おおーーーっ!」

「副長太っ腹!」

「さすが副長!」

クレアが待ってくださいと言うより早く、

カードは配られていた。

そして——

そこで彼は思い出した。

とても大切なことを。

……

自分のカード運と。

……

勝負事の才能は。

壊滅的だった。

一回だけ勝った。

確かに勝った。

だが、その次の勝負で。

もっと派手に負けた。


クレアはしばらく無言で立ち尽くした。

宿の部屋は静かだ。

窓の外からは、
市場の準備を始める人々の声が聞こえてくる。

「……行くか。」

結局。

彼は諦めたように小さく呟き、
剣帯を腰へ締める。

そして扉を開き、

イギタイア地方騎士団の団部へ向かって歩き出した。

とはいえ——

昨夜の酒場で得たものが、まったくなかったわけでもない。

騎士団本部へ向かう途中。

クレアは、ふと昨夜の会話を思い出していた。


『最近、本当に肉が入ってこなくてなぁ。』

そう愚痴をこぼしていたのは、
どう見ても肉屋にしか見えない大柄なおじさんだった。

酒杯を抱えながら、心底うんざりした様子で続ける。

『こっちはちょうど屠畜も少なかった時期でよ。』

『仕方ねえから向こう岸から仕入れようとしたら——』

『値段がいきなり三倍、四倍に跳ね上がったんだ。』

『それはさすがに高すぎないか?』

周囲からすぐに声が飛ぶ。

『俺だって文句言ったさ。』

肉屋は鼻を鳴らした。

『そしたら向こうは一言だけだ。』

『「自分たちのところの連中に聞け」ってな。』

『おかげで数日間、スープには肉くずしか入れられなかった。』

『まあ、その後また値段は元に戻ったんだけどよ。』

『結局、何だったんだか。』


「買い占め……?」

クレアは小さく首を振る。

「いや。」

「向こう側の肉価は、元々かなり安い。」

「マベカにいた頃だって、普通に肉の入ったスープを作ってた。」

歩きながら考える。

「単に儲けたいだけなら……」

「そこまで極端な値上がり方はしないはずだ。」

そして。

ふと、一つの可能性が頭をよぎった。

「……関税?」

眉がわずかに寄る。

しかも普通の関税ではない。

生鮮品に対する臨時措置。

王国では、一定以上の関税変更は王都への届け出が必要になる。

もし誰かが本当に手を加えたのだとしたら——

その規模は決して小さくない。

「だとすると……」

クレアは足を緩めた。

元々、異常な税率が設定された。

だが途中で誰かが異変に気づき、

慌てて元へ戻した。

そう考えれば辻褄は合う。

「……なるほど。」

小さく息を吐く。

酒場の酔っ払いの愚痴だと思っていた。

だが——

どうやら、そう単純な話ではなさそうだった。

そして何より。

もし本当に誰かが関税へ手を加えていたのなら。

それは地方商人の問題ではない。

地方商人だけで済む話じゃない。

「……なるほどな。」

そう呟いたとき。

ちょうど目の前に、イギタイア地方騎士団の団部が見えてきた。


(同時刻――イギタイア領主館・執務室)

領主は机の上に置かれた報告書を前に、深いため息をついた。

しばらく紙面を睨み続けたあと、

ようやく顔を上げる。

向かいに立っているのは、地方騎士団副団長――カルダだった。

「それで。」

領主は報告書を軽く持ち上げる。

「このクレアという少年だが。」

「はい。」

カルダは頷いた。

「王都出身。」

「その後オルパキで剣を学び。」

「修行のためにイギタイアへ来た。」

「本人の説明はそうです。」

「礼儀もある。」

「剣の基礎もしっかりしている。」

領主は途中で言葉を切った。

「……いや。」

「剣士見習いなら、剣が使えるのは当然か。」

再び報告書へ目を落とす。

(おかしい。)

紙の上を指先でなぞる。

(経歴そのものに問題はない。)

(むしろ綺麗すぎる。)

一つ一つを見れば、

どれも納得できる。

どれも不自然ではない。

だが――

全部を並べると、

説明しづらい違和感だけが残る。

領主は顔を上げた。

「通行証は?」

「報告書の通りです。」

カルダは記憶を辿る。

「王都発行でした。」

「オルパキのものではない理由については、本人から説明があります。」

「最近オルパキで少し問題が起きているので、師匠から当分戻るなと言われたそうです。」

「少し問題、か……」

領主は思わず苦笑した。

「それはまた、ずいぶん控えめな表現だな。」

その説明を聞いて、むしろ話の辻褄は合った。

領主は椅子から立ち上がり、
執務室の中をゆっくり歩き始める。

(ただの旅人という可能性も、ないわけではない。)

(だが……さすがに低い。)

(もし王都から来た人間だとしたら――)

そこまで考えたところで、
彼はわずかに足を止めた。

「いっそ連れてきて、話を聞いてみますか?」

カルダが提案する。

「いや。」

領主は即座に首を振った。

「まだ動くな。」

カルダは目を瞬かせる。

領主は振り返った。

「もし本当に王都の人間なら。」

「今ここで呼び出すのは、藪をつつくようなものだ。」

「なるほど。」

カルダは腕を組む。

「では、どうします?」

「引き続き観察だ。」

領主は席へ戻りながら答えた。

「今まで通りでいい。」

「特別扱いもするな。」

「追い回す必要もない。」

そう言って椅子に腰を下ろす。

「異常がなければ、そのまま放っておけ。」

そして一拍置いてから、

改めて念を押した。

「いいか。」

「手を出すな。」

カルダは一瞬だけ表情を止めた。

その言葉の重さを理解したらしい。

すぐに小さく頷く。

「了解しました。」

「失礼します。」

カルダは執務室の扉を閉めると、
ようやく小さく息を吐いた。

(危ない危ない……言わなくて正解だった。)

彼女は先ほど、クレアをまんまと引っ掛けていた。

正確には――

「騎士団本部へのご招待」である。

しかも、あの様子を見る限り。

あいつの性格なら、
一度約束した以上、すっぽかすことはまずない。

そこまで考えたところで、
カルダの口元が思わず緩んだ。

(こんな機会、逃してたまるか!)

彼女はそっと拳を握る。

まともな相手と戦ったのは、いつ以来だろう。

普段の団員たちは、
良くも悪くも手の内を知り尽くしている。

打っても返ってくる手はだいたい同じ。

たまには刺激が欲しい。

そんなところへ――

いかにも腕が立ちそうな若造が現れたのだ。

見逃す理由などあるはずがない。

(よし……どうやって訓練場まで連れて行こうかな。)

カルダは真面目な顔で考え始める。

見学。

模擬戦。

入団勧誘。

適当に理由をつければ何とかなる気がした。

「そろそろ着いてる頃かな……」

とうとう小さく吹き出した。

次の瞬間。

彼女はまだ官邸の廊下にいることも忘れ、
くるりと踵を返す。

そして外へ向かって足早に歩き出した。

その背中は――

不審人物を追う騎士というより。

むしろ。

待ちに待った贈り物を開けようとしている子供のようだった。


オルパキで何が起こったか?


中国語本文

【第三十二章:不請自來的對手】

雷亞在酒館的「意外夜晚」之後,逐漸察覺到城鎮物價異常的線索,而另一方面,騎士團與領主也開始注意到他的存在。

一場看似普通的酒局與比試邀約,卻悄悄將他推向更深層的調查與誤會之中。

而卡爾妲……似乎也不只是單純的「想試試身手」

「你的證件,是王都發的吧?」
克雷亞一抬頭,就看見卡爾妲那帶著幾分不懷好意的眼神。
雖然被嚇了一下,但他很快就恢復了平靜。

『……難怪總覺得她那麼眼熟。』
克雷亞舉起酒杯,一邊喝著啤酒,一邊在心裡苦笑。
『我進城的時候,就是她在檢查證件啊……』
而且還翻了兩三遍。
簡直像在看什麼寶物一樣。

克雷亞超級後悔,自己怎麼會直到現在才想起來。
不過放下酒杯後,他還是裝得若無其事。

「我本來也是想回去辦的。」
他轉頭看向卡爾妲。
「但是師父說,奧爾帕奇最近出了點事情,叫我暫時別回去。」

說出口的同時,克雷亞心裡卻翻湧著另一幅景象。
露西娜「拔劍」。
城市被接管。
領主被處決。
……可現在的他,只能把這些事輕描淡寫地帶過。

「所以只能在王都辦。」
他停頓了一下,又補了一句:
「而且……我把舊證件拿出來的時候,窗口也沒多問什麼,就直接幫我換了。」

「哦~~是這樣啊。」
卡爾妲拖長了語尾,手指輕輕敲著酒杯,看起來還在思考。
克雷亞則默默在心裡祈禱。
『拜託……上面不要有什麼武裝女官團辦公室的暗記啊……』
畢竟那份東西,本來就是副官直接交給他的。
會被懷疑,其實也不奇怪。

「奧爾帕奇最近的事……」
卡爾妲突然看著他。
「該不會跟王都的——」
她話說到一半停住。
克雷亞的手在桌下微微收緊。

「......算了」
「姑且算你過關。」
雖然她眼裡仍然帶著幾分懷疑——
但她面前的桌上,已經多放了一杯啤酒。

「來,這杯給你!」
卡爾妲一屁股坐到克雷亞旁邊,把啤酒往他面前一放。
「當賠禮了!」

「這才是我認識的副長嘛!來,喝酒!」
旁邊剛剛起鬨的大叔立刻舉杯,一口乾掉。

之後的氣氛就徹底亂了起來。
從劍術聊到打架。
從地方八卦聊到最近的社會案件。
中間甚至還有人開始抱怨市場的肉價。

卡爾妲也沒再提證件的事情。
只是很自然地混在人群裡聊天、喝酒、吐槽。
克雷亞雖然慢慢有了點醉意,但還是一直提醒自己:不能說太多。
至少目前為止——他應該沒有露出什麼破綻。
只是,他後來到底是怎麼回到旅店房間的,已經完全沒印象了。

隔天早上。
克雷亞抱著頭從床上坐起來。
「……頭好痛。」

宿醉。
絕對是宿醉。

他搖搖晃晃地走到洗手台前,把冷水往臉上潑。
等腦袋稍微清醒一點後——
他才終於意識到一件事。
「……我昨晚是不是被卡爾妲坑了?」

事情大概是這樣的。
「克雷亞,既然你有在練劍——」
「要不要跟我比劃兩下?」

酒過幾巡後,已經有點醉意的卡爾妲忽然湊了過來。
旁邊那群人立刻開始起鬨。
「少年,露一手啦!」
莉亞姐第一個拍桌大喊。

「可是……現在有點醉了……」
克雷亞有些遲疑。
「我怕不小心傷到人。」

「那這樣好了。」
卡爾妲不知道從哪裡摸出一副牌,直接拍到桌上。
「遊戲你選。」
她露出一臉「我很好說話」的表情。

「如果我贏了——」
「你明天酒醒之後,來團部找我。」
「如果你贏了,今晚酒錢我全包!」

還沒等克雷亞完全反應過來。
牌就已經發下來了。
然後——
克雷亞忽然想起一件非常重要的事。
……

他的牌技。
爛得要命。

他其實贏了一局。
只是下一局輸得更慘。
站在床邊沉默了幾秒後。
克雷亞最後還是默默把劍帶繫好,走出了房門。
朝著騎士團本部前進。

不過,也不是完全沒有收穫。
走在路上的時候,克雷亞忽然想起昨晚酒館裡的對話。

『這幾天這邊的肉根本進不來啊。』
一個看起來像屠夫的大叔當時正抱著酒杯抱怨。
『本地又剛好沒屠宰,只能跟對面進貨。』
『結果價格直接翻了三、四倍。』

『那也太誇張了吧?』
旁邊的人立刻接話。
『我也有講啊。』
屠夫一臉不爽地哼了一聲。
『結果對面只回我一句:「你自己去問你們這邊的人。」』
『害我那幾天的湯,只敢放肉屑。』
『雖然後來價格又掉回去了……但還是莫名其妙。』

「哄抬嗎?」
他微微搖頭。
「不對,那邊長期肉價很低。」
「我在瑪蓓卡都常煮肉湯了。」
「如果只是想賺一筆,不至於漲成這樣……」

「……關稅嗎?」
他微微皺起眉。
而且還是生鮮類的臨時關稅。
在王國,超過一定幅度的關稅調整,都必須報備王都。

「如果真有人動過手腳……」
「那幅度恐怕不小。」
照現在的情況看來——
大概是原本調上去的稅率太離譜。
所以有人發現狀況不對,又偷偷調了回來。

「……這樣啊。」
克雷亞輕輕吐了口氣。
看來,真的有點東西。
不知不覺,伊吉塔亞的地方騎士團團部就在眼前了。

(同一時間,伊吉塔亞領主官邸辦公室)
領主正對著桌上的報告發愁。
他盯著那張紙看了許久,才抬起頭,看向坐在對面的騎士團副團長——卡爾妲。

「所以,這個叫克雷亞的少年?」
「是。」
卡爾妲點了點頭。

「王都出身,跑去奧爾帕奇學劍,之後又因為歷練來到伊吉塔亞?」
「他本人是這麼說的。」

「而且有教養、有劍術底子……」
領主說到一半停了下來。
「不對,他本來就是劍士學徒,會劍術也很正常。」

他低頭又看了一眼報告。
(不對勁。)
(履歷看起來沒問題。)
(但就是太沒問題了。)
每一項單獨拿出來看,都合理得很。
可全部拼在一起,卻總有種說不出的違和感。

「他的證件呢?」
領主抬起頭問道。

「如報告所述,王都簽發。」
卡爾妲回憶了一下。
「至於為什麼不是奧爾帕奇那邊的證件,他的說法是奧爾帕奇最近出了點事,所以師父要他暫時別回去。」

「出了點事啊……」
領主苦笑了一聲。
「那可不只是出了點事。」

這個理由,反而讓事情變得合理了。

他站起身,慢慢在辦公室裡踱步。
(普通旅人的可能性不是沒有。)
(只是實在太低了。)
(但如果是王都派來的人……)
想到這裡,他腳步微微一頓。

「要不然,我把人帶過來問問?」
卡爾妲開口提議。
「不。」
領主立刻否決。
「先別動他。」

他轉過身,看向卡爾妲。
「如果真是王都的人,現在把人請過來,只會打草驚蛇。」
「那您的意思是?」
「繼續觀察。」
領主重新坐回椅子上。
「照平常的方式盯著就好。」
「除非有異常,否則別碰他。」

他停頓了一下。
「記住,是別碰。」
卡爾妲愣了一下,隨即點頭。
「明白。」

「失禮了。」
卡爾妲關上辦公室的門,終於鬆了一口氣。
(還好沒講出來……)

她剛剛把克雷亞坑了。
準確來說,是「邀請」他到騎士團團部一趟。

而且以那傢伙的教養——
既然答應了,大概也不會爽約。
想到這裡,卡爾妲嘴角忍不住微微上揚。
(這種機會怎麼能放過!)

她悄悄握緊拳頭。
好久沒有遇到像樣的對手了。
平常團裡的人打來打去都那幾招。
好不容易碰到一個看起來有兩下子的傢伙——
哪有放過的道理?

想到這裡,她甚至已經開始思考等等要用什麼藉口把人拐進訓練場。
「那傢伙應該已經到了吧……」
卡爾妲忍不住笑出聲。

下一秒,她便顧不得還在官邸走廊上,轉身朝外面快步跑去。

那模樣,與其說是去見可疑人物——
不如說更像是準備拆禮物的小孩。

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