顧客心理シリーズ②「手続き代行だけじゃ物足りない!」|「専門知識」を求める顧客の心理
こんにちは、元公務員行政書士のK.G.です。
さて、今回は顧客心理シリーズの第2回ということで書いていきたいと思います。
第一回はこちら
第2回のテーマは「専門知識を求める」顧客について、顧客心理を掘り下げていきます。
前回は「不安」を抱える顧客について解説しましたが、今回取り上げるのは、より積極的で意欲的な顧客層です。
彼らは単に手続きの代行を求めているのではなく、行政書士が持つ専門知識そのものに価値を見出しています。
正直なところ、肌感覚では、このタイプの顧客は少ないです。
しかしながら、この顧客タイプを理解し、より高付加価値なサービス提供と、長期的な信頼関係の構築が可能になれば、高い報酬も狙えます。
「専門知識」を求める顧客の特徴
不安解消型との違い
前回解説した「不安」を抱える顧客と、今回の「専門知識」を求める顧客には、明確な違いがあります。
不安解消型の顧客:
「安心したい」という感情が先に立つ
確実に許認可を取得できればよい
リスク回避を重視
専門知識追求型の顧客:
許認可取得は大前提
さらなる業界知識や情報を求める
事業の成長・拡大を見据えている
つまり、専門知識を求める顧客は、手続きの確実性だけでなく、その先の事業展開まで視野に入れているのです。
何を求めているのか
このタイプの顧客が求めているのは、一般には手に入らない専門的な情報です。
業界特有の知識: 許認可に関連する業界の実態や傾向
実務的なノウハウ: 調べてもわからない実践的な情報
成功事例: 同業種で上手くいっている事業者の手法
行政の内部事情: 審査のポイントや行政の方針
将来的な展望: 法改正の動向や政策の方向性
新規事業を始める際、何が必要なのか、何を知っておくべきなのか、それすら分からない状態です。
だからこそ、その分野を専門とする行政書士に、プロフェッショナルとしてのアドバイスを期待しているのです。
高い期待値をどう捉えるか
期待値の高さは機会である
このタイプの顧客は、前回の不安解消型の顧客よりも、行政書士に対する期待値が明らかに高い傾向にあります。
期待していること:
単なる手続き代行以上の価値
業界に精通した専門家としてのアドバイス
事業成長につながる有益な情報提供
しかし、この高い期待値は脅威ではなく、大きな機会です。
なぜなら、顧客満足度は「期待値を超えたとき」に最も高まるからです。
期待値が高いということは、それを超えた時のインパクトも大きく、強固な信頼関係につながりやすいということなのです。
期待を下回った場合のリスク
一方で、注意すべきポイントもあります。
もし、「業界に詳しいはずの行政書士」と話していても、有益な情報があまり出てこない場合、顧客はどう感じるでしょうか。
「この人、自分よりも詳しくないのでは?」
このような印象を持たれてしまうと、その後の継続的な関係構築は難しくなります。
単に手続きを完了させるだけでは物足りなく、専門家としての価値が認められないのです。
このタイプの顧客の特性
事業に対する姿勢
専門知識を求める顧客には、明確な特徴があります。
不安型よりも事業に対する熱意が強い
将来を見据えた視点を持っている
リスクを適切に認識できる(不安型と共通)
さらに専門家のアドバイスを活かして拡大したい
このタイプの顧客は、リスクを見極める能力に加えて、成長への強い意欲を併せ持っています。
行政書士に対しても、単なる「守り」のサポートではなく、「攻め」のパートナーとしての役割を期待しているのです。
報酬に対する考え方
興味深いことに、このタイプの顧客は報酬額についても独特の考え方を持っています。
高めの報酬設定が可能:
専門知識の価値を理解している
手続き代行以上のサービスを求めている
費用対効果を適切に判断できる
行政書士側としても、顧客の期待値が高いことを把握できれば、それに見合った報酬設定を提案することができます。
ポイントは、高い報酬に見合う価値を明確に提示すること。
「こういったサービスを提供できます」という具体的な提案とともに見積もりを提示すれば、顧客も納得しやすくなります。
効果的なアプローチ方法
プッシュ型営業
不安解消型の顧客には「安心材料を提供する」ことさえできれば効果的でした。
一方、専門知識追求型の顧客には、プッシュ型のアプローチが有効です。
積極的な情報提供:
業界でうまくいくための情報
成功している事業者のやり方
行政の動向や政策情報
法改正の見通し
業界トレンドの分析
待ちの姿勢ではなく、こちらから積極的に有益な情報を提供していく姿勢が求められます。
「+α」の価値提供
顧客が求めている情報はさまざまです。すべてが当たるわけではありませんが、毎回何か+αを提供することが重要です。
継続的な価値提供の例:
業界ニュースの共有と解説
関連する法改正情報
同業他社の動向分析
新しい事業機会の提案
補助金・助成金情報
このような継続的な情報提供により、顧客からは「この業界に関することは何でも相談できる存在」として認識されるようになります。
「何でも相談できるし存在」を目指す
最終的な目標は、顧客が事業に関することを「何でもまず相談してくれる」関係性を築くことです。
この関係性が確立できれば:
新規の許認可申請が発生した際に真っ先に相談される
事業拡大に伴う各種手続きを一貫して任せてもらえる
他の事業者を紹介してもらえる可能性が高まる
長期的で安定した収益源となる
このタイプの顧客は、適切に対応できれば非常に良質な顧客となり得るのです。
このタイプの顧客が1社獲得できれば、正直なところ、個人事務所であれば、その1社だけの仕事だけでも食っていけるレベルだと考えています。
また、その1社に認められているのであれば、質の高いサービスを提供できているということで他の顧客にも自信を持ってアプローチしていけます。
元公務員という面を積極的にアピール
ここでもやはり、元公務員という面は競合優位性が高いです。
・元公務員として行政の動向に詳しく、また内部事情をよく理解している。
・一般には出回らない元公務員でしか知らない情報を持っている
・本当に専門知識を有しているどうか、顧客側からは分からない中で、元公務員である、審査を担当してましたという圧倒的説得力
といった強みがあるため、「専門知識」を求める顧客にとっては、元公務員であるということは圧倒的な強みだと感じています。
サービス提供のポイント
専門性の可視化
顧客に「この行政書士は本当に専門家だ」と認識してもらうために
業界知識のアップデート:
常に最新の業界動向をキャッチアップ
同業他社の成功事例を研究
行政の方針変更を注視
情報の整理と提供:
断片的な情報ではなく、体系的な知識として提供
顧客の事業段階に合わせた情報提供
将来を見据えたアドバイス
価値の言語化
専門知識の価値は、適切に言語化しなければ伝わりません。
「この情報は一般には知られていません」
「同業の成功事例では…」
「行政の最新の方針では…」
「行政がこのような動きをする場合は…」
このように、提供する情報の希少性や価値を明確に伝えることで、顧客は専門家としての価値を実感できます。
まとめ
専門知識を求める顧客は、単なる手続き代行以上の価値を期待している、意欲的で成長志向の強い顧客層です。
このタイプの顧客の特徴:
許認可取得は大前提、さらなる専門知識を求める
行政書士への期待値が高い
事業の拡大を見据えている
高めの報酬設定も受け入れられる可能性が高い
効果的なアプローチ:
プッシュ型の積極的な情報提供
毎回「+α」の価値を提供
業界に関することは「何でも相談できる」関係性の構築
このタイプの顧客に対して、期待を超える専門知識とアドバイスを継続的に提供できれば、強固な信頼関係と長期的な取引関係を築くことができます。
行政書士としての真の専門性が問われる顧客タイプですが、だからこそやりがいがあり、高い価値を提供できる存在として認められる機会でもあるのです。
次回の顧客心理シリーズでは、また別の顧客タイプについて掘り下げていきます。
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