雨やどりと傘とバドワイザー
すずらん葉子さんのこちらの記事を読んだら、ある出来事を思い出しました。雨宿りをしている女性に傘を差し出したことがあるよなあと。
社会人1年目で、転勤して仙台に住んでました。
近所のコンビニに行くと、店の前でずぶ濡れの女性が空をみあげていました。両肩をかかえて、見るからに寒そうでした。私はそのまま横目で素通りし、コンビニに入りました。漫画を立ち読みしたり、なんとなく棚を見てまわったり、お決まりの巡回をしてから買い物して外に出ると、相変わらず空を見あげてます。
気になって声をかけました。
「誰か待ってます?」
彼女はびっくりしていました。
「あ。いえ」
迎えを待ってるならおせっかいを焼く必要はないと思ってました。
「よかったらこれ」と傘を差し出しました。
さらに驚いていました。傘は1本なので、彼女に渡したら私は傘なしです。雨は弱まっていたので
「あ。大丈夫です。自分は家近いんで」
ビニール傘って気軽に買い足して増えがちです。いずれ捨てることになりそうでした。
ところが、彼女は遠慮して受け取ってくれません。
今思えばそりゃそうだろうと思いますが、当時の私には想定外でした。受け取らないという選択肢を考えてませんでした。
困惑していると、「いっしょに入らせてもらっていいですか?」といってくれたので、気まずい状況を抜け出せました。
親切をしたつもりなのに、逆に気をつかってもらうという間抜けな展開になってしまいました。
歩きながら話をしました。
彼女は大学生で飲食店でバイトをしてる、お礼に一杯おごるからお店に来てほしい。別れ際に渡されたお店のカードにはバドワーザーのロゴ。
彼女はバドガールでした。
「よく誤解されるんですよ。普通のお店です」
翌日、会社の先輩に報告すると「行くしかないだろ」ということになり、週末、先輩とそのお店に行きました。出勤してるかどうかわかりませんでしたが、ちょうど彼女の勤務日でした。ビールを一杯おごってもらいました。
その後、その店に行くことはありませんでした。
行ってはいけないような気がしました。
今の自分だったら気軽にまたお店に顔を出しそうですが、当時はつきまとってると思われたらやだよなあと。
ではまた。
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