【Keiゼミ|思考を育てる算数授業|4年⑥】おかしを買いに行こう!〜目的に応じて見積もり方を使い分ける、がい数の授業〜
「4年生のがい数、単元の終盤はどうしていますか?」
上から2けたの概数にする練習。
四捨五入して見積もる問題。
切り上げ・切り捨ての練習。
それも大切な学習です。
でも私は、テストで概数が解けるだけでなく、
生活の中で概数を使える子を育てたいと考えました。
そんな「がい数」の学習を、
生活で生きる力に変える1時間をつくれないか。
そう思ってデザインしたのが、この授業です。
使うのは、お菓子の値段だけ。
※本教材は小学4年生「がい数」の
単元終盤の授業を想定しています。
四捨五入・切り上げ・切り捨ての方法を学習済みの学級で
お使いください。

授業の概要について
黒板に、9種類のお菓子とその値段を貼ります。
そして、こんなミッションを出します。
【ミッション1】
「来週の遠足のお菓子、300円までだったよね。選んでおいで!」
子どもたちは大喜びで選び始めます。でも、1つ条件を伝えます。
「300円を1円でもオーバーしたら、レジで戻されます」
「えー! じゃあ計算しないと!」
「でも、お買い物の制限時間もあるよ。
だいたいでいいから見積もってみよう」
——さて、ここからが本番です。
「セーフだと思ったのに!」
子どもたちの多くは、既習の四捨五入で見積もります。
「これとこれで、ちょうど300円! セーフ!」
ところが、実際に計算してみると
——わずか3円のオーバー。
「えー! セーフだと思ったのに!」
この “あと少しで失敗の悔しさ” が、この授業の原動力です。
「どうすれば、300円を絶対にオーバーしない見積もりができるんだろう?」
子どもたちは考え始めます。そして、たどり着きます。
「多めに見積もっておけば、絶対に大丈夫だ!」
そして、ミッション2で起きること
【ミッション2】
「お菓子700円以上でもらえるプレゼントが欲しいから、選んできていいよ! 700円を少しだけ超えるくらいがいいな!」
さっき「多めに見積もれば安全」と学んだ子どもたちは、
同じ方法で挑みます。
そして——また失敗します。
「あれ? さっきはうまくいったのに!」
「今度は切り上げじゃダメなの?」
ここで、教室の空気が変わります。
「今度は逆じゃない?」
同じお菓子、同じ子どもたち。
でも、目的が変わると、見積もりの方向は逆になる。
「〜以内におさめたい」なら多めに、
「〜以上にしたい」なら少なめに。
四捨五入すればいい、ではありません。
目的によって、がい数のつくり方は変わる。
それを子どもが自分で見つける授業です。
この授業は、値段設定が命です
正直にお伝えします。この教材の一番の肝は、お菓子の値段です。
四捨五入で見積もると、必ず「あと数円」の失敗が起きる
切り上げ・切り捨てで見積もれば、必ず成功する
しかも、2つのミッションが同じ商品セットで成立する
この3つを同時に満たす値段の組み合わせを、
すべてのパターンを検証して設計しました。
9種類の値段は、実際のスーパーの価格帯に近い、
リアルな数字です。
適当な値段では、この授業は成立しません。
「失敗が起きない」か「失敗が大きすぎて悔しくない」かの
どちらかになってしまうからです。
記事では、その9種類の値段と、なぜその数字なのかをすべて公開します。
3人の思考キャラクターが活躍する授業
🩵 みかたコーディネーター(目的が変わると、見方も変わることに気づく)
🔴 りゆう弁護士(なぜ四捨五入では失敗するのか、理由を問う)
💛 ものさし職人(数直線のどちらに寄せるか、という見方を持ち込む)
ここから先は、
・9種類のお菓子の値段設定その設計意図
・45分の授業設計(子どもとのやりとりを再現した展開)
・「あと3円」の失敗が起きる、具体的な組み合わせ
・子どもが「十の位までの概数」にたどり着く道筋
・板書例(お菓子の絵を使った板書構成)
・指導のポイント(6つの視点、発問例つき)
を、すぐに使える形でまとめています。
「がい数のやり方を覚える」だけだった単元の終盤が、
子どもが「あれ、逆だ!」と身を乗り出す45分に変わります。
PDFつきなので、印刷して2学期の授業にそのまま持っていけます。
PDFの一部をご覧ください。


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