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「授業を見られるのが怖い」あなたへ〜校内研でダダ滑りした私が、全国区で授業をするまで〜

授業を「見る」のは、大好きでした。

大学院時代から教員5年目くらいまで、年に100本以上、
色々な先生方の授業を見ていた自信があります。

大学院時代に見に行った授業は、大学があった横浜市はじめ、
藤沢市や横須賀市、大和市などの公立小学校の研究授業。
そして、
横浜国立大学附属小学校や筑波大学附属小学校などの研究校。

1週間に多い時は3、4本の授業を参観し、
発問をメモし、子どもの反応を追いかける。
板書をメモする。

私は、人の授業を見るのが大好きでした。
現場の先生の授業をみることができ、
ゼミの先生の助言を聞くことができる。

授業を見ることは、私にとって最高の勉強でした。

でも——「見られる」となると、話はまったく別でした。


「見る」と「見られる」は、別物だった


初めて人前でしっかりした授業をやったのは、
2年目の校内研でした。

「4年生の算数を講師の先生が見たいと言っているから、
 Kei先生よろしく!笑
 がんばって!笑」

こんな感じで、教頭から言われたのを覚えています。

そのときの私は、わからないことだらけでした。

「授業を見られる=提案性が必要」らしい。……
でも、提案性のある授業って、どう作るの?
何を調べればいいの?
誰に聞けばいいの?

そして何より、怖かった。
先生方に見られたら、
何かよくない部分を指摘されるのではないか。
自分の未熟さが、白日の下にさらされるのではないか。

準備から当日まで、本当に大変でした。
緊張で、どうやって授業を始めたのかも
よく覚えていないくらいです。

なにもよくわかっていない私は、
これまで参観させていただいたたくさんの先生方の授業から
特によかった授業を思い出し、私なりに実践することにしました。


とはいえ、順風満帆ではありませんでした


そんな未熟さを、思い知らされる出来事が起きます。

恥ずかしい話を一つ、白状します。

公立時代のことです。
校内での研究授業の教科を決めるとき、
先輩の先生からこう言われました。

「Kei先生が算数得意なのは知ってるから、
 他の教科でやりましょう」

なるほど、と選んだのが理科でした。

結果は——ダダ滑りでした。

子どもの問いを作ることも、子どもの発言をうまく拾うことも、
全然できませんでした。
算数ならできていたはずのことが、教科が変わった途端、
何一つできない。
協議会で座っている時間の、長かったこと。

今ならわかります。
あのとき私は、ロクに誰にも相談せず、
1人で授業を創ろうとしていました。

得意教科での小さな成功で、
どこかで慢心していたのだと思います。

失敗も、しっかり経験してきました。それでも——。


あれから10年。今も、怖さは消えていません


経験を積んだ今でも、授業を見られる怖さは、正直あります。

そして今年、自分の中ではこれまでで一番の大舞台がありました。

全国から先生方が集まる研究会で、
私が担任する子どもたちと授業を公開しました。

たくさんの先生方が教室を囲む中、普段から暑がりの私は、
授業の最初から最後まで汗が止まりませんでした笑。

でも、若手の頃とは決定的に違うものが、私の中にありました。


怖さより、「見てもらいたい」が勝った


全国の先生方の前で授業をする。
若手の頃の私なら、怖さで押しつぶされていたと思います。

でも今回は、違いました。
怖さはある。それでも、それ以上に
「全国の先生方に、自分のクラスと授業を見てもらえる!」
という気持ちが勝っていたのです。

どちらかというと、これまで積み上げてきた理論と実践を、
お見せしたいという自信すらありました。

なぜそう思えたのか。
特別な才能があったからではありません。
たくさん勉強し、たくさんの授業を見て、
自分でもたくさん授業をしてきたからです。

積み上げた量だけが、怖さと釣り合う自信をつくる。
近道はありませんでした。


それでも、1人では気づけないことだらけだった


授業後の協議会では、先生方から率直なご意見を
たくさんいただきました。
課題設定について、グラフの扱いについて、
展開の時間配分について——。

正直に言えば、
「まだまだ自分1人では気づいていなかったことが、
 こんなにあるのか」と思わされました。

でも、不思議と落ち込みはありませんでした。
むしろ、2年目のあの校内研とまったく同じことを感じたのです。

一番勉強になっているのは、授業者である私自身だ。

参観してくださった先生方は、それぞれの視点から、
私の授業を材料に考えてくださった。

その視点の数だけ、
私は自分の授業を見直すレンズをもらったことになります。
これは、授業を公開した人間だけがもらえるご褒美です。


アンケートを読んで、一番嬉しかったこと

研究会後、参観された先生方のアンケートを読みました。

一番心に残ったのは、授業技術への評価ではありませんでした。
ほとんどの先生が、クラスの子どもたちを
褒めてくださっていたことです。

「子どもたちが安心して発言していた」
「自由に思ったことを言える雰囲気がある」
「温かいクラスですね」——。

大好きな子どもたちを、
全国の先生方が「素晴らしい」と言ってくださった。

心の底から嬉しかったです。
そして、自分の学級経営は間違っていなかったんだと、
深いところで自信になりました。

授業を公開して見えるのは、授業の腕前だけではありません。
日々の学級経営が、そのまま映し出されるのです。
だからこそ、公開授業は「その日の45分」ではなく
「その日までの毎日」の勝負なのだと、あらためて思います。

——ここまでが、私の「見られる」の物語です。

ここから先は、私が失敗から学んだ「授業公開で後悔しないための具体的な方法」を書きます。

・研究授業前、何から準備するのか
・誰に相談するべきなのか
・「提案性のある授業」はどう生まれるのか

これは、若い頃の私が一番知りたかったことです。

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