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お子さんがスポーツを始めるあなたへ|道具のそろえ方と失敗しないコツ

「子どもがスポーツを始めることになったのですが、何をそろえればいいですか」。春先になると、売り場でいちばん多く受けるご相談のひとつが、これでした。

サッカー、野球、バスケットボール、水泳。お子さんが「やってみたい」と言い出したとき、保護者の方が最初に戸惑うのが道具選びです。種類は多いし、サイズも価格もさまざま。何が必要で、何は後回しでいいのか、分かりにくいですよね。お店でも、メモを片手に真剣に悩まれる保護者の方の姿を、毎年たくさん見てきました。

20年以上スポーツ用品店に立ってきた経験から言えるのは、最初の道具選びには、いくつかのコツと、やってしまいがちな失敗があるということです。この記事では、競技を問わず共通して役立つ考え方を、元店長の目線で整理してお伝えします。

まず大事な心構え:最初から全部そろえようとしない


いちばんお伝えしたいのは、始める時点で道具を完璧にそろえる必要はないということです。

張り切って一式を上級者モデルで買いそろえる保護者の方は少なくありません。お気持ちはよく分かります。ですが、お子さんが続けるかどうか、本当にその競技が合っているかは、しばらくやってみないと分からないものです。

ですので、最初は「これがないと始められない」という最低限から入るのがおすすめです。教室やチームによっては、入会時に必要なもののリストをくれたり、指定品が決まっていたりします。先走って買う前に、まずは指導者や教室に確認する。これだけで、無駄な買い物をぐっと減らせます。

実際、「気合を入れて全部買ったのに、サイズが合わず使えなかった」と苦笑いされるお客様を、何人も見てきました。最初の一歩は、身軽に始めて大丈夫です。

チームによっては、ユニフォームや指定のバッグなど、後から購入するものが決まっている場合もあります。それを知らずに似たものを先に買ってしまうと、二重の出費になりかねません。入会の説明会や、先輩保護者からの情報を待ってから動くほうが、結果的に無駄がないのです。

スポーツは、続けるほどに必要なものが見えてきます。最初は最低限で始めて、お子さんの上達や本気度に合わせて少しずつ良いものへ。この順番が、家計にもお子さんにもやさしいと、私は考えています。

何より優先すべきは「サイズ」

道具選びでいちばん大切なのは、ブランドでも値段でもなく、サイズです。これは競技を問わず共通します。

お子さんは成長が早いので、「どうせすぐ大きくなるから」と大きめを買いたくなります。お気持ちは分かるのですが、これは要注意です。大きすぎる靴やウェアは、動きづらいだけでなく、転倒やケガのもとになります。

たとえばシューズなら、つま先に少し余裕がある程度がちょうどよく、ぶかぶかは禁物です。すね当てやサポーターのような体に着けるものも、大きすぎるとずれて本来の役目を果たしません。

成長を見越すなら、「ワンサイズ大きく」ではなく、「今ぴったりのものを、こまめに買い替える」ほうが、結果的にお子さんも快適です。買い替えの手間はありますが、安全と動きやすさには代えられません。

サイズ選びで迷ったら、実際に試着するのがいちばんです。通販で利き手や足のサイズを間違えて買ってしまい、交換に来られる方も多いので、特に最初の一足・一着は、お店で合わせることをおすすめします。

試着のときは、実際に競技で履く靴下を持参すると、より正確に選べます。サッカー用やバスケ用の靴下は厚みがあるので、それを履いた状態でないと、本当のサイズ感が分かりません。お子さんに少し動いてもらって、かかとが浮かないか、指が当たっていないかを見てあげるとよいですね。

成長期のお子さんは、半年でサイズが変わることも珍しくありません。「もう小さいかも」と感じたら、我慢させず早めに見直してあげてください。窮屈な道具は、パフォーマンスにもケガにも影響します。

安全に関わるものは、ケチらない

最低限から始めるとは言っても、例外があります。安全・ケガ予防に関わる道具は、最初からきちんとしたものを選ぶということです。

たとえばサッカーのすね当て(シンガード)は、小学生年代から必須の道具です。相手との接触や、ボールが当たったときに、すねを守ってくれます。安いからと薄すぎるものを選ぶと、肝心の保護力が足りません。

野球のヘルメットやバッティング用の手袋、自転車競技のヘルメット、水泳のゴーグルなども同じです。体を守るもの、目を守るものは、価格よりも安全性とフィット感を優先してください。

メーカーの担当者の方とお話ししても、「保護具だけは、いざというときに壊れない・きちんと守れる信頼性が第一」と口をそろえます。ここは妥協しないところだと、私も強くお伝えしています。

保護具を選ぶときは、サイズが合っていることに加えて、正しく着けられているかも大切です。せっかく良いすね当てを買っても、ずれた位置に着けていては守れません。お店では、着け方まで含めてご案内するようにしていました。購入後も、ときどきお子さんの着け方を見てあげてください。

また、保護具は使ううちにヘタってきます。クッション材がつぶれたり、留め具がゆるんできたりしたら、買い替えのサインです。安全に関わるものは、見た目がきれいでも機能が落ちていないか、定期的に見直すと安心です。

多くの競技で共通して必要になるもの

競技ごとの専用品とは別に、どのスポーツでも使うことが多いものがあります。これらは早めにそろえておくと安心です。

1つ目は、動きやすいウェアと、競技に合った靴下です。サッカー用の靴下はすね当てが収まるよう長めにできているなど、競技専用のものには理由があります。消耗も激しいので、2〜3組あると洗い替えに困りません。

2つ目は、水分補給のための水筒です。夏場の練習では、容量の大きいものが重宝します。

3つ目は、道具を持ち運ぶバッグです。お子さんが自分で管理しやすいよう、出し入れしやすいものを選ぶと、忘れ物も減ります。中身が見やすく、ポケットが分かれているタイプは、低学年のお子さんでも整理しやすいです。

加えて、タオルや着替え、日焼け対策の帽子なども、季節によってはあると安心です。夏の屋外競技では、熱中症対策として、大きめの水筒や保冷できるボトルが特に役立ちます。これらは競技をまたいで使えるので、家族でおでかけのときにも活躍してくれますよ。

これらは競技を選ばず長く使えるので、少し良いものを選んでも無駄になりません。お子さんが気に入った色やデザインを選ばせてあげると、練習へのやる気にもつながります。

続くか分からないうちの、かしこい買い方

「すぐ飽きてしまわないか心配で、お金をかけられない」。これも、本当によく聞くお悩みです。

そんなときは、いきなり高価なモデルを買わず、入門〜中級クラスから始めるのが現実的です。多くのメーカーが、お子さん向けに扱いやすくて価格を抑えたモデルを用意しています。コストと使いやすさのバランスが取れた一本は、最初の相棒にぴったりです。

地域によっては、用具のレンタルや、卒業した子からのお下がりが回ってくることもあります。チームの先輩保護者に聞いてみると、思わぬ情報が得られることもありますよ。

ただし、先ほどお伝えしたサイズと安全に関わるものだけは、お下がりでもきちんと合っているかを確認してください。前の子に合っていても、お子さんに合うとは限りません。

道具は、お子さんのやる気も左右する

最後に、忘れてはいけない視点をひとつ。道具は性能だけでなく、お子さんの気持ちも支えるものだということです。

自分で選んだお気に入りの道具は、大切に扱おうという気持ちや、練習を頑張ろうという意欲につながります。性能や価格は保護者の方が見極めつつ、色やデザインなど、最後のひと押しはお子さん本人に選ばせてあげるのがおすすめです。

SNSのDMでも、「子どものモチベーションが続かない」というご相談をいただくことがあります。そんなとき、道具を一緒に選び直すだけで、また前向きになれるお子さんは多いものです。新しい道具を手にした日の、あの誇らしそうな表情を、私は売り場で何度も見てきました。

もちろん、道具を新しくすれば必ず続く、というわけではありません。それでも、自分で選んだものを大切に使う経験は、お子さんにとって良い学びになります。物を大事にする気持ちは、スポーツを離れても一生の財産になりますからね。

道具は、上達を助ける相棒であり、続けるための応援団でもあります。お子さんの「やってみたい」を、上手に支えてあげてください。

売り場で見てきた、ありがちな失敗を3つ

長年お客様の道具選びに立ち会ってきて、「これは惜しい」と感じた失敗にはパターンがあります。先に知っておくと避けやすいので、3つご紹介します。

1つ目は、ネット通販でサイズや仕様を間違えてしまうケースです。特に多いのが、左右や利き手の取り違え。野球のグローブを利き手と同じ側のものを買ってしまい、交換にいらっしゃる保護者の方を何度も見てきました。最初の一品は、できれば店頭で確認するのが安心です。

2つ目は、見た目やブランドだけで選んでしまうケースです。憧れの選手と同じモデルを、という気持ちは素敵なのですが、上級者向けのモデルは初心者のお子さんには扱いづらいこともあります。今のレベルに合ったものから始めるほうが、上達も早いものです。

3つ目は、必要になるたびに少しずつ買い足して、結局割高になってしまうケースです。最初に教室へ確認して、本当に必要なものを把握しておけば、計画的にそろえられて出費も抑えられます。

どれも、ちょっとした事前の確認で防げるものばかりです。慌てて買わず、一呼吸おいて準備するのがコツですね。

競技がまだ定まっていないお子さんには

「やりたいことがまだ決まっていない」というお子さんも多いと思います。その場合は、特定の競技専用品を急いでそろえる必要はありません。

まずは、動きやすいウェアと、どんな運動にも使えるシューズがあれば十分です。公園で体を動かしたり、体験教室にいくつか参加したりするなかで、お子さんが夢中になれるものが見えてきます。

いろいろな競技を試せる時期は、お子さんにとって大切な財産です。道具をそろえることより、まずは体を動かす楽しさを知ってもらうこと。専門的なギアは、本気で取り組みたいものが決まってからで遅くありません。

実際、最初は別の競技をやっていたお子さんが、思いがけない種目で才能を開花させた、という話も売り場ではよく耳にしました。いろいろ試した経験は、どんな道に進んでも必ず生きてきます。焦らず、お子さんのペースで選んでいきましょう。

まとめ:最初の一歩は、身軽に・安全に

お子さんのスポーツの道具選びは、ポイントを押さえれば難しくありません。最初から全部そろえようとせず、教室に確認しながら最低限から始める。サイズは今ぴったりを選び、こまめに買い替える。そして、安全に関わるものだけは妥協しない。

この3つを意識するだけで、無駄な出費も、ケガのリスクも、ぐっと減らせます。あとは、お子さんのやる気を大切にしながら、少しずつそろえていけば大丈夫です。最初から完璧を目指さなくていいのだと思えば、保護者の方の気持ちもずいぶん楽になるはずです。

お子さんの新しい挑戦が、楽しく長く続きますように。道具選びで迷ったときは、遠慮なくお店のスタッフを頼ってくださいね。私たちは、そのためにいるのですから。

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競技ごとの具体的な道具選びは、こちらの記事も参考にしてください。サッカーを始めるお子さんには、まずそろえたいすね当てを。野球に夢中になって上達を実感したくなったら、球速を測る道具を。それぞれ選び方をまとめています。

小学生のサッカーすね当て、サイズと付け方の選び方

野球の球速をはかるスピードガンの選び方


筆者のプロフィール

元大手スポーツ用品店マネージャー・佐伯
20年以上にわたり、大手スポーツ用品店にて販売員からエリアマネージャーまでを歴任。数千種類以上のギアに触れ、初心者からプロアスリートまで、延べ10万人以上のお客様の道具選びをサポートしてきた経験を持つ。現場で培った豊富な知識と確かな目利きで、あなたのスポーツライフを格段に向上させる逸品を厳選します。

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