【詩のようなもの】 亡国の独立記念日 《風まかせ文芸部》
かつて一年だけ
世界地図に描かれた
国があった
その地域では
様々な天然資源が豊富で
利権を狙った
大国の後ろ盾により
独立が成されたが
それを良しとしない
別の国々の工作で
指導層は分裂
結局二年と保たずに
内部崩壊した
その後再び
国という形に
なることはなく
何十年に及ぶ
紛争を経験した
悲しいのは
正式に国として
存在した一年の間に
彼ら自身が
独立記念日を
7月32日に
定めたことだ
おそらく
国家の承認と同時に
そう遠くはない破綻を
予期していたのだろう
仮に
幼少期から持ちえる
純朴な心を
良心として
己の良心が
投影された景色を
故郷とする
より大きな国になれば
当然
思惑や欲望を持った者たちも
集まってきて
箱庭の景色は
遠く霞んでいく
どこにでも
掃いて捨てるほど
ある話だが
彼らの歩んだ道のりも
そうしたものの
一つだったのか
あるいは
それでも良心を
国家に投影しようとして
苦しんだのか
史実として
わかるのは
この短命に終わった国が
この世に存在しない日に
産声を上げ
死んでいったと
いうことだ
*こちらに参加させていただきました🙇♂️
