2026年7月に読んだ本
1.非色/有吉佐和子
kindle本
有吉佐和子は、思い出したようにポツポツと読んできた作家で、再文庫化されたこのキャッチーな表紙がずっと気にはなっていた。ibitsuさん、思い出させてくれた記事をありがとうございます。
あまりにも重い内容にあれこれ言う事は控えようと思うけれど、やっぱりうまい作家だと思う。この本が最初に出版されたのは、私の生まれた年、つまりは62年前だ。用語に時代は感じるものの、内容は現在の差別問題に通じるものが余りあり、制度が変わっても人がそう簡単には変わらないということを実感する。人種問題は身近では無いけれど、自分の場合に身近にある障害者問題に置き換えて考えるとよくわかる。そして、本当の平等とは何かということも考える。
2.夏帆/村上春樹
珍しく購入した新刊の紙の本
単行本は本当に高くなってしまったなと思いつつ無理して買ったのは、村上春樹の新刊だけは出てすぐに読みたいと思ったからだった。しかし、期待に反して冒頭部分はもう放り出したいくらいにがっかりするものだった。それでもじわじわと方向が見えてきて、最後は主人公・夏帆の自分探しの旅がハッピーエンドに終わって満足して読み終えることができた。うまくまとめられないので久しぶりに引っかかった言葉を羅列しておこう。
ジェーン・オースティン『高慢と偏見』 確執 読書用の椅子 『ドグラ・マグラ』 パブロ・カザルス指揮『ブランデンブルク協奏曲』 メタファーと実体 ブラームスの『クラリネット五重奏曲』
3.綿の国星/大島弓子
読んだのは朝日ソノラマの全集の一部だけど、いま読める電子書籍はこちら
高校生の時に夢中になった本。単行本は進学で家を離れた隙に母に処分されてしまい、後年、全集で買い直したものが黄ばみ始めたので、BOOKSCAN(自炊代行)を利用してPDFにしてあったもの。それから1回読んだかな、どうだったか?
今通して読んでみて、思っていたより長いことにまず驚いた。漠然とした印象では、諏和野チビ猫の可愛らしさとか絵のセンスが自分好みであることばかりが強かった。視覚情報はそれだけ強烈だと言うことだろうか。それとも若い時と今では物の感じ方が違っているのだろうか。ともあれ今回、書かれた言葉の美しさに惚れ惚れとする部分がたくさんあって驚いた。連作短編の体なこともあって、テーマのある詩集を読んでいるみたい。大島弓子は詩人だと言われる意味が今になってよくわかる。
もちろんチビ猫はかわいい。
