鑑賞録


2026/05/16
大槻能楽堂にて、
能 狂言 「日出処の天子」
を鑑賞。
原作は、漫画家 山岸凉子氏の
40年以上前に約4年間連載された
作品で、代表的な名作とも言える。
主人公の厩戸皇子(後の聖徳太子)は、他の作品であれば、仏教に
深く帰依し、賢く、無欲で、自身も仏に近い、そんな描き方をされているように思うが、「日出処の天子」の厩戸皇子は、生まれ持った異様な能力故の孤独、愛を求め、苦悩する魂、同性愛などを
抱えた、「一人の人間」として描かれたことが独特で素晴らしかった。
さて、能 狂言で演じられた「日出処の天子」。構成、演出、主演を野村萬斎氏が勤め、大槻文蔵氏が監修され、しかしながら原作の世界を可能な限り観客に感じさせるべく、様々な工夫の盛り込まれた作品となっていた。原作をお好きな方々にも、能や狂言のファンの方々にも楽しんでいただけて、この作品が、新たな古典となっていくのを見られればこんなに嬉しいことはない。
個人的には、やはり能楽師の方々の、「空間を声で満たす」発声に魅せられ、物語にのめり込み、充実した観劇体験となった。

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