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越境から、主戦場へ。

前回のnoteで、HIDARIのInstagramがバズった話を書きました。

今読み返してみても、バズの勢いに当てられていますね。興奮の勢いがある。それだけ嬉しかったんですねぇ……。ただ、書きながら同時に冷静になる自分もいて。

リールが偶然アルゴリズムに乗っただけだろう。しばらくすれば落ち着いて、またいつもの数字に戻るんだろうな、と。冷めた自分もいました。

でも、noteを書いてから2週間が経って。

バズった動画は前回のタイミングと比べて、

再生 140万→ 407万
いいね 4.2万→ 16.9万
コメント 300超→ 1078

と回り続け、続いて出したリールも

もかなり伸びました。

そしてフォロワーは、 270 → 4,236→ 1.3万

自分たちのアカウントに起きたこととは思えない数字です。少し前まで、誰もいない暗闇に声をかけていたのに、今ではだいぶ人の存在を感じられるようになりました。

また、変わったのはフォロワー数だけではありません。InstagramからHIDARIのサイトを訪れる人が増え、商品を買ってくれる人も増えました。すでに訪問者数は国内の「左ききの道具店」を上回っています。

これが一時的な出来事なのか。それとも、これまで見えていなかった市場が、ようやく見え始めたのか。結論を出すには、まだ早いかもしれませんが、僕らの中でははっきりと認識が変わりました。

世界には、人が多いぞ

めちゃくちゃ当たり前の話なんですけど、日本より海外の方が人口が多いんですよね(馬鹿っぽい文だなぁ)。

当然、左利きの人も多い。これ、もちろん分かっていたんですよ。当たり前ですから。頭では。でも、これまで届かなかったから、実感が沸かなかったんですね。顔の見えない1万人より、同じ町内の数人の方が実在感ありますもんね。

ただ、一度届いてしまうと、意識がガラッと変わります。コメントがくる、メッセージが届く、紹介してくれる、買ってくれる。つい一昨日には、実店舗にもお客さんが来てくれました。

コメント書いてくれました!

これまでも、稀に訪れる海外の方はいたんですが、インスタグラムを見て来たよ!という人は初めて。店長、頑張って英語で接客してました。

こうなってくると、もう完全に意識が変わって来ます。

「越境」という意識からの脱却

僕らはこれまでずっと「越境」の感覚でHIDARIをやっていました。

日本で店を営み、日本で商品を選び、日本で作られたものを、国境を越えて海外にも届ける。それは事実であり、構造としてはこれまでも変わりません。ただ振り返ってみると、国内が土台であることと、国内を中心に考えることを混同していたんだなと。

SNSの発信 →   国内向けの投稿を英語に翻訳
商品 → 国内で販売しているものを海外にも販売
時間 → 余裕があるときに作業

独立した事業を目指すと口では言いながら、実際にはずっと「国内事業の延長」にすぎなかった。それが、僕らの中にあった「越境」という感覚だったのだと思います。

でも、今回の伸びを見て、可能性を感じて、この前提ではダメなのだと痛感しました。

海外にも市場がある、ではなく、海外も主戦場である。

という思考にしていきます。
具体的には、

SNS投稿 →  日本のものを翻訳ではなく、独自運用に
商品 →  海外オリジナルの商品開発を
時間 →  「HIDARIの時間」を固定でつくりカレンダーをロックする

ということを進めていこうかと。

僕は日本生まれの日本育ちで、海外に出た経験も数えるほど。無意識に日本中心で考えるし、それはそれで仕方がないんですけどね。ただ、少なくともHIDARIについては、日本を中心に海外を眺めるのではなく、世界全体を見ながら、その中に日本もあるという捉え方に変えなければいけないなと、強く思うわけです。

地方にある、小さくてニッチなお店だからこそ。

僕らの所在地は岐阜です。大きな資本があるわけでも、海外に拠点があるわけでもありません。僕も店長もスタッフも英語ネイティブではないし、国際物流や関税についても、今なお毎日のようにエラーにぶつかって試行錯誤しています。

「世界市場を主戦場に」なんて書くと、でっかいグローバル企業のように見えて、少し大げさに見えるかもしれません。

でも、ECの面白さのひとつは、小さな店でも、世界中の人と直接つながれることでしょう。そして、僕らみたいに左利きという極めてニッチなテーマだからこそ、狭い場所だけを見ていると、本当に小さな商売になっちゃうなと。

でも、世界まで視野を広げれば、小さなニーズが集まり、ひとつの市場になる可能性が、確かにある。

今回の一連の出来事は、成功というより、その入り口を見せてもらった機会だったと感じています。

フォロワーが増えたことも、売上が伸びたことも、もちろんうれしい。でも一番大きかったのは、自分たちが思っていた以上に、世界には僕らに興味を持ってくれる人がたくさんいたと実感できたことですね。

日本から海外へ出ていくのではなく、最初から世界の中で商売をする。越境から、主戦場へ。

投稿も、商品も、サイトも、配送も、変えなければならないことは、まだたくさんあります。ただ、「海外にお客さんはいるのかなぁ……」と迷う時間は終わりました。いると分かったなら、次に考えるべきは、どう届けるかです。さ、頑張るぞ。

それでは、また。

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加藤信吾|コピーライター/左ききの道具店 いただいたサポートは、本と娘との時間に使わせていただきます。