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越境ECが4年かけてバズった話。

以前からやっていることは公にしつつ、あまり言及していなかったこととして、左ききの道具店の越境EC「HIDARI」があります。

このお店です。

基本的にはShopifyの有料テンプレートを使いつつ、僕がひとりで実装しています。コンテンツも充実させ、なかなか悪くないサイトになっていると思うのですが、正直、伸びとしてはイマイチでした。

開設は意外と前で、2022年8月13日。そこから1年半の流入を見ると

一番多い月で800程度。日に直すと、26人ぐらいしか訪れていません。
当然、それでは一向に売上が伸びません。でも、左利きの人は割合としては10人に1人。難しくとも海外への進出は必須だと考えていました。

そこで、知人の紹介をたどって越境EC専門のコンサルに依頼。そこでお願いしたのが世界のボカンさん。

代表の徳田さんは、今や越境EC界隈では第一人者的な存在ですが、当時はわざわざ各務原まで来ていただいて、本当に親身になってサポートいただきました(その節は本当にありがとうございます)。

当時のHIDARIは、ロゴなどはデザイナーにカッコよく作ってもらったものの、日本の商品をただ転載しただけのもの。一部の原稿は翻訳家に頼みましたが、大部分はDeepLの翻訳程度。ネイティブからしたら相当カタコトだったんでしょうね。そういった言葉のニュアンスを中心に、SEOの考え方や越境に対するポイントなどを丁寧に教えていただきました。

そして伴走いただくこと1年強。セッション数は5倍以上に。売上もそれに比例して伸びていきました。

ただ、それでもまだまだ少ない。
国内の売上に比べると半分よりずっと低いところで停滞していました。


開設してからここまで色々とチャレンジは続けました。

Kickstarterに出してみたり

Instagramのフィードをカッコよく整えてみたり

記事も着実に増やし続けていました

でも、どうも当たっている感触がない。

真っ暗闇に向かって「誰かいますかー?」と声をかけ続けるものの、何のリアクションも返ってこない日々が続いていました。

当然、やる側のモチベーションも下がっていき「きっと今は国内を頑張る時期なんだな、うん、仕方ない」と自己弁護しつつ、でも(ほんとは頑張らないと・・・・)という気持ちに挟まれて、なんとも気持ちが悪い感じでした。

転機は、日本のInstagram。
こちらのリールでは、少し前から実店舗で道具を紹介する方針に変えていました。これが結構伸びたんですね。

実店舗だけのときはこれぐらいで、

道具をフックにしたら

伸びが全然違います。

つまり、

左利きの道具フック →    実店舗

が効くのか? と思って、それを翻訳して出したところ、フォロワーが少ないこともあって(250ぐらい)まったく伸びません。どうしたもんかなーって思っていました。

そして一昨日、店長が何気なく「店舗をちゃんと紹介しよう。私の顔も出そう」と投稿したのがこれです。

これが伸びた。2日で(6/19 10:00時点)

140万 再生
いいね 4.2万
コメント 300超
フォロワー 270 → 4,236

という結果。まだまだ伸びそうな雰囲気です。

ぐんぐん伸びる

越境ECとしてHIDARIをはじめたと同時にInstagramを開設して4年弱。ここまでたくさんの人に届いたのは初めてで、店長ともども

ついに見つかった!


と大喜びしつつ、発送やコメント対応に追われています。

嬉しさは大きいですが、これをマグレあたりにしてはいけない。ということで、今回のバズから得た学びをまとめてみます。


等身大であること、本当にいる、ということ。


今回バズった動画をもう一度みてもらいたいのですが、別にどうってことのないお店紹介なんですね。特別な編集をしたわけでもなく、狙ってバズらせにいったわけでもない。


ただ、これまでの投稿とは違ったことが2つ合って、

実店舗がより分かること。

店長の顔を出したこと。

この二つです。


実は、HIDARIでは長いこと「日本の高品質な左利きの道具の専門店」というポジションを狙っていました。

その背景にあったのは、英語が苦手だったが故に、日本のようにコミュニケーションができない → プロダクトで勝負するしかない という先入観でした。

そのために、道具を主役にした見せ方だったんですね。
人の顔も出さず、なるべくカッコよく、写真もきれいに、デザインもして、という感じで発信していました。

これが間違っているとは思いません。
ただ、どうも長く続けられなかったんですね。僕らにはカッコよさの文脈がない。無理してる、という感覚がどこかにあった。

でも、今回のようにスマホで撮って、店長が顔出しして、お店を紹介するというのはすごく自然であり無理がない。

何より

本当に、このお店と、この人が存在している感じがある

んですよ。実在感がある、って言えばいいのかな。

これは仮説なのですが、あらゆるものがAIで生成される時代において、「本当にそこにある&いる」と感じられることは、すごく価値があるんじゃないか? と感じました。


少し市場の話をすると、左利きの専門店という商売は、想像以上にニッチです。左利き自体は人口の10%程度はいるものの、そこのフォーカスしたお店は極めて少ないんです。

国内で1,2店舗。海外でも1国に1店舗あれば十分なぐらいのもの。それもECのみのお店も多く、たとえば「世界左利きの日」の提唱者であり、左利き専門店の先駆者でもあるイギリスのAnything Left-Handedも、実店舗は閉鎖し、現在はECのみです。

つまり、左利き道具の専門店で実店舗を持っているというのは、極めて珍しい存在なんですね。

左利きの道具を専門に扱っている。
実際にお店がある。
そこに店長がいて、商品を選び、並べ、届けている。

そのことを見せた投稿が跳ねた。
コメントでも、

「ついに俺たちのお店を見つけたぞ!」
的なコメントがたくさんつきました。

あくまでN=1の出来事であり、再現性があるかは分かりません。ただ、4年弱、ずっと暗闇に声をかけていた僕らからすると、

あ、この先に人がいるんだ!

という強烈な体験だったんですね。


とはいえ、バズだけじゃないよ。

というわけで、僕らはここを足がかりに色々と手を打っていこうかと考えているんですが、ここまで読むと「バズっただけじゃん。運がよかったね」と思われるかもしれないので(運はまあその通りかもだけど)、もう少しだけ補足させてもらうと、本当にこのお店がある、人がいる、ということへの転換は、実は数ヶ月前から進めていました。

ウェブサイトを中心に、

日本の高品質な左利き道具の専門店
から
日本の岐阜で夫婦で営む、左利きの店長が選んだ左利き道具の専門店

へとポジションを転換していました。

顔出しして、左利きで辛かった幼少期や、お店を立ち上げた経緯などを語っています。

自分たちらしく、無理のない動きをしよう、という流れはちゃんとあった。それが今回のバズで見つかって、サイトに訪れて安心し、実際の購入へと繋がったという動きになったのかなと感じています。

この辺りは、細かい部分でかなり手を入れているので、またどこかでご紹介できればと思います。

さあ、これからHIDARIにより力を入れていきます。波は乗れるうちに乗っておかないと。また何かしらまとまってきたらここに書きますね。では!


続きを書きました。ここから2週間後の話です。


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加藤信吾|コピーライター/左ききの道具店 いただいたサポートは、本と娘との時間に使わせていただきます。