【ネタバレあり】「本能寺の変」は史実ではなく豊臣兄弟の物語だった『豊臣兄弟!』第27話「本能寺の変」レビュー
第27回「本能寺の変」キャスト一覧
羽柴家
羽柴小一郎(のちの豊臣秀長):仲野太賀
羽柴藤吉郎(のちの豊臣秀吉):池松壮亮
慶(小一郎の妻):吉岡里帆
寧々(秀吉の正室):浜辺美波
なか(兄弟の母):坂井真紀
とも(兄弟の姉):宮澤エマ
あさひ(兄弟の妹):倉沢杏菜
織田家・徳川家
織田信長:小栗旬
徳川家康:松下洸平
織田信孝(信長の三男):結木滉星
織田信澄:緒形敦
明智家
明智光秀:要潤
斎藤利三(明智家家老・第27回初登場):内藤剛志
織田家臣・戦国武将
柴田勝家:山口馬木也
丹羽長秀:池田鉄洋
佐久間信盛:菅原大吉
林秀貞:諏訪太朗
蜂須賀正勝:高橋努
前野長康:渋谷謙人
小寺官兵衛(黒田官兵衛):倉悠貴
長宗我部元親:磯部寛之
弥助:上川周作
甚助:前原瑞樹
あらすじ
武田氏を滅ぼした織田信長は、四国攻めを進める一方、備中で毛利軍と対峙する羽柴秀吉は信長の出陣を待ち望んでいた。兄の願いを受けた小一郎は、信長を迎えるため安土城へ向かう。
しかし、安土城では徳川家康をもてなす饗応の席で毒殺未遂騒動が発生。信長は明智光秀や織田信澄への疑念を深め、周囲との亀裂は決定的なものとなっていく。
そして天正10年6月2日早朝――。
「敵は本能寺にあり」。
明智光秀の軍勢が本能寺を急襲し、日本史最大の転換点「本能寺の変」が幕を開ける。炎に包まれる本能寺を前に、小一郎たちは歴史が動く瞬間を目の当たりにする。
『豊臣兄弟!』第27話「本能寺の変」レビュー
『豊臣兄弟!』を見続けている人なら気付いていると思うが、この作品は物語の大きな山場になる回ほど、オープニングから普段とは違う入り方をしてくる。
今回の第27話もまさにそうだった。
「あ、今日は気合いの入った回だな」
冒頭の数分で、それが伝わってくる演出だった。
本作の魅力は、史実をそのまま映像化するのではなく、「もしこうだったら」という大胆な脚色を加えながら、一つのドラマとして成立させているところにある。
特に印象に残ったのは、徳川家康をもてなす饗応の席で、鯉料理に毒が盛られていたという展開だ。
その事件をきっかけに、信澄の企みが明らかになっていく流れは、正直かなり強引ではある。しかし、ドラマとして見るなら緊張感があり、最後まで引き込まれた。
歴史ドラマというより、サスペンスを見ているような感覚だった。
一方で、どうしても気になったのは、小一郎が本能寺の変を目撃するという設定だ。
主人公が秀長である以上、歴史最大の事件に関わらせたいという制作側の意図は理解できる。しかし、ここは少しやり過ぎだった印象も受けた。
史実を知っている人ほど、「そこまで近くにいたの?」とツッコミを入れたくなる場面ではないだろうか。
それでも、この作品は「史実を忠実に再現する大河」ではなく、「豊臣兄弟の視点で戦国時代を描くドラマ」だと割り切って見れば十分に楽しめる。
史実と創作の境界線をあえて攻めたからこそ、本能寺の変という誰もが知る出来事にも、新鮮な緊張感が生まれていた。そんな挑戦的な一話だったと思う。
ただ、個人的にどうしても気になったのは信長の最後としては急ぎ足に感じ尺的に物足りないところと冒頭の黒田官兵衛のキャストの質だ。
現在、Netflixで『軍師官兵衛』を視聴していることもあり、岡田准一が演じた官兵衛の重厚感や存在感と比べると、『豊臣兄弟!』の官兵衛はどうしても軽く映ってしまった。
もちろん作品の方向性が違うので単純比較はできないが、演技や人物の説得力という点では物足りなさを感じたのが正直な感想だ。

