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「日本刀美の表現と薩摩金工の精髄」展

2025/5/24~7/21まで開催中の「日本刀美の表現と薩摩金工の精髄」展を見に刀剣博物館へ行ってきました。

タイトルから薩摩系の刀や刀装具にフォーカスされた展示会と思っていたのですが、刀は薩摩はもとより島津家とは特段関係のない刀が並んでいます。
中でも備前伝の重要文化財(信房、正恒、景光、無銘一文字)や、誰が見ても映りを認識できる重美の古一文字(宗吉)など、健全で出来の傑出した刀が見れたのは収穫でした。
備前伝好きには堪らないのではないでしょうか。
そのほか個人蔵の重文粟田口国吉や高松宮家の村正の刀も普段見る事が出来ない貴重な作でとても良かったです。
刀装具は薩摩金工に限定されて展示されていますが戦闘民族島津の血を引く薩摩武士の工夫が随所に見られる品が多数展示されていて楽しめました。



①古備前正恒(重文)

古備前正恒の生ぶ茎作。
状態も抜群によく突き抜けた刀に見られる幽玄な白さがあるように感じます。匂口は非常に柔らかく、そこに映りがぼわんと浮き出ています。
ハバキは銀でしょうか。経年での良い廃れ具合です。


②無銘福岡一文字(重文)

元コンプトン博士所蔵で確か則宗作として秘蔵していたと記憶。
個人的にもっとも見たかった作。
非常に健全で地沸が微塵に付いているからかやはり白っぽく見えるがそこに乱れ映りが鮮やかに入っており、その幽玄さに引き込まれる太刀。
茎も鎌倉初期に見られる優美な姿をしている。
一般的にこのような細身の姿は則宗などの時代に見られるが、則宗の在銘作にはこのような華やかな丁子の一文字は存在せず全て大人しい刃をしている。
このようなザ・一文字というような華やかな丁子刃は鎌倉中期以降の身幅が大きくなった姿の吉房や助真が連想されるが、それらとはやはり姿が異なる。
姿から吉房や助真よりも先に華やかな丁子を完成させた作者がいると思うのであるが一体誰なのか、興味は尽きない。


③折返銘 備州長船景光(重文)

非常に地刃の出来が良く傑出しているように感じた作。
地鉄はさすが長船というような精美な地鉄で、匂口の締まった刃に乱れ映りが鮮やかに立っている。
個人蔵のため撮影NGであったが、押形が刀剣博物館さんの公式Xに載っていたので是非。


④古一文字宗吉(重美)

今まで刀の「映り」が分からないぃぃ…!と嘆いていた人に朗報の、 全員が映りを100%理解出来る太刀。
現代刀で映りと呼びつつも描いたような映りを見る事があるが、やはり映りとはこういう見え方をするものを指すのではないだろうか。
流石にここまではっきり見える作はほぼ無いが。。


⑤村正

あと最後は備前と関係ないのですが、村正の出来の良い刀も展示されていました。なかなかここまで出来の良い村正を見た事が無いのでついじっくりと。
有栖川宮熾仁親王の御料として高松宮家から寄贈されたという村正。
伝来も素晴らしい貴重な作を拝見出来ました。


⑥刀装具類

その他、薩摩拵や薩摩金工の作が多数展示されていました。
特に薩摩拵については非常に面白かったのでそれはまた別の機会に書こうと思います。





今回も読んで下さりありがとうございました!
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それでは皆様良き刀ライフを!

続き(薩摩拵について)↓

↓この記事を書いてる人(刀箱師 中村圭佑)

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