芦屋正宗の拵や白鞘、刀箱
名物芦屋正宗(特別重要刀剣)。
島津家久が徳川家康の逝去直前に形見として賜り島津家に長らく伝来した名物短刀。昭和3年の島津家の売立目録にも記載。
元禄10年(1697年)に入れられた「正宗 本阿(花押)」の朱銘は現在は大部分が消えている。
江戸初期もしくはそれより古いとされる短刀拵のほか、島津家の鞘書きのある古白鞘、更にはそれらが納められてきた漆の箱までが残っているなど、刀身以外にも魅力が多い芦屋正宗。


江戸初期を下らないとされる金沃懸地葵紋散鞘合口短刀拵。
三つ葉葵紋の二所物が付帯。鞘には家紋が蒔絵されているが、縁の円の色や葵紋の葉の一部を金と銀で僅かに変えているようにも見える。
ただこれは摩耗により下地が見えているだけかもしれず、いまいち自信が無い。



尚、納められていた漆の箱も真ん中だけ葵紋の色が異なって見えますが、ここだけ摩耗するのは違和感があるのでやはり色を使い分けていそうです。
なぜこのようなことをしているのか…デザインでしょうか?
箱の状態もよく一般的な拵の漆塗の状態などを参考にすると比較的新しい印象も受けましたが、伝来品は保存状態が異次元に良い物もありよく分かりません。この辺りの制作時代なども書かれていれば嬉しく感じました。




白鞘には芦屋正宗の鞘書きと蔵刀番号。

今回の「受け継がれる日本刀」展では白鞘の裏側が展示されていましたが、
札が貼ってあったのですね。
このような札は大名家の鞘でまま見るような気がしますが、これもまた蔵刀番号と思われますが、「○○四番(表の鞘書)」という蔵の中の312番目、という事でしょうか?(いまいち自信がありません)
上から落款のような印が押されており、なんと書かれているか薄くて分からないものの3×3文字が書かれていそうな事が見て取れます。
白鞘の色が綺麗な事にも驚かされますが、長らく箱に入れて大事にされていたからでしょうか。


今回は刀身ではなく付帯品にフォーカスしましたが、普段流通している刀でこうした古鞘や刀箱などが残っている刀はほぼないわけで歴史を裏付けると共に非常に貴重な資料ですね。
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↓この記事を書いてる人(刀箱師 中村圭佑)

