光忠唯一の剣
2025/12/21まで刀剣博物館で開催中の「受け継がれる日本刀-鈴木壮一コレクションを中心に-」展に光忠の剣が出ていましたので鑑賞レポです。
光忠としては唯一の剣の作例として有名で第1回の特別重要刀剣指定を受けた後、その3年後に重要文化財に格上げされました。昭和49年の事です。
西条松平家伝来。

もともと長野にあった噂は聞いた事がありましたがそこから不明、いずれにしてもずっと個人蔵でしたので今回の展示会まで遂に見ることはありませんでした。
故に遂に見ることが出来て感動。



刃長27.1cm(8寸9分)と大和古剣含む鎌倉時代頃の剣が22㎝ ± 3cmほどのものが多い中においてかなりの大振さを感じる作。
また、地鉄は精美で板目が詰んでおり、部分的に杢目も見られたが、多くの剣に見られるような流れる肌(柾目)が見られないというのは意外な点でもあった。

また、切先はフクラが張っている。山城物、例えば国永などの剣も僅かにフクラは張る気がするが、大和の包平や古青江の助次、畠田守家、備前長船助近、藤四郎吉光や粟田口国吉、来国次の剣などはフクラが張らずにストンと真っすぐ伸びた姿で、鎌倉時代の作例でフクラがここまで張っている姿というのはなかなかに珍しい気がする。

茎には「光忠」の二字銘。
重ねは8㎜ほどはありそうな印象。非常に健全で打ちおろしのような印象を受ける。



そしておそらく近代作と思われる拵と下札(金50枚?)が付帯している。

鯉口には上がり藤紋が蒔絵で施されており、これは鞘に刀身を納める際に向きが分からなくなる剣あるある問題を解決する為と予想する。(反対面を見れないので断定は出来ませんが)


図録も買いました。
冒頭に鈴木壮一さんの「寄贈にあたって」という一文が書かれていたので拝読。
もとは鈴木さんのお父様が無銘の古刀を1振所持していたようで小学6年生の頃には刀剣書を熟読、中学~50歳ごろまでは学業や仕事などで一旦刀の勉強からは離れ、経済的に余裕ができ始めた50歳ごろから刀剣蒐集を始められたとのこと。
一度手に入れた作品は売却する事なく持ち続け、最後は家宝として所蔵するよりも刀剣に興味関心のある方に研究資料として長く役立ててほしいという思いから寄贈を決められたようです。
光忠の剣の他にも、重要文化財の来国行太刀、名物鍋島藤四郎、名物芦屋正宗はじめとして名品が多く展示されている今回の展示会。
私ももう1度ゆっくり訪れたいと思います。
目録はこちら。図録も数量限定で販売との事です。
写真の横に押形が並べてあります。

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それでは皆様良き刀ライフを!

↓この記事を書いてる人(刀箱師 中村圭佑)

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