ステージゲート制度の批判論文に触れ、考察する(2)で、どうする?
■Stage-Gate批判論文を読んでみた。
これ。
有名なものかはわからないんですが、とりあえず読んでみました。
指摘されている論点について、前回まとめました。
今回は、その続きと、それを聞いて、どうするか?
3. ゲートキーパー問題
論文では、R&D上級管理職への調査も紹介されている。
その調査では、
Stage-Gateを導入しても
プロジェクトはすべてのゲートを通過した後でも
商業的に失敗する可能性がある
という問題が指摘されている。
つまり、
審査に合格しても事業として成功するとは限らない
ということである。
さらに論文では、Stage-Gateの運用が過度に制度化されることで、
プロセスが順序型で時間がかかる
顧客よりゲート通過が目的になる
製品コンセプトが早期に固定される
ゲートキーパーの能力に依存する
などの問題が生じる可能性が指摘されている。
■この論文を読んで思うこと(感想)
この論文を読んで感じたのは、Stage-Gateが本来意図していた目的と、実際の運用との間にギャップが生まれている可能性である。
Stage-Gateはもともと、
事業価値を見極め、リソースを有望なプロジェクトに集中するための制度
として設計された。
しかし実際の企業では、この制度が上級管理職の管理ツールとして運用される側面が強くなっているように感じる。
こうなると、すみからすみまでこたえないと通過できない、というような目的と異なった流れが出てしまうかもしれない。
つまり、本来は事業価値を見極めるための制度だったものが、いつの間にか「管理のための制度」へと目的が変わってしまっている可能性がある。
また、Stage-Gateは製品開発を前提として設計されたモデルであり、
大きな投資
長い開発期間
市場投入が後半に来る
といったタイプの事業には適しているかもしれない。
しかし、
サービス事業
ソフトウェア
早期に市場検証ができるビジネス
などでは、むしろプロセスの硬直性が問題になる可能性もある。
そのためStage-Gateは、チェックリストを形式的に満たす制度として使うのではなく、GO / NO-GOを判断するための共通言語や議論のツールとして活用する方が有効ではないかと感じた。
制度を守ること自体が目的になるのではなく、事業価値を最大化するための判断の道具として使うことが重要なのではないかと思った。
