ステージゲート制度の批判論文に触れ、考察する(1)実際の検証はそうもうまくいかない。
■Stage-Gate批判論文を読んでみた。
こんな論文があるようです。
有名なものかはわからないんですが、とりあえず読んでみました。
もしもっと適したものをご存じの方がいれば教えてください。
■Stage-Gatetとは?
ステージゲート制度(Stage-Gate)は、
カナダの経営学者ロバート・G・クーパー(Robert G. Cooper)によって
提唱された新製品・新規事業開発の管理フレームワーク。
詳しくは、こちら。
1. 結論
本論文の結論は比較的シンプル。
Stage-Gateシステムは、新製品開発管理の重要なモデルとして広く普及してきたが、そのモデルが提唱された時代と現在のビジネス環境は大きく異なっている
Stage-Gateが提案された当初は、
インターネット
モバイル
ソフトウェア型ビジネス
といった現在の産業構造は存在していなかった。
現在はイノベーション研究自体が大きく進み、Lean、Agile、Six Sigma、Lean Startupなど様々な新しいアプローチが提案されている。
しかしそれらを含めても、
不確実なイノベーション環境において常に機能する
万能の新事業開発モデルはまだ確立されていないというのが、本論文の基本的な主張。
2. Stage-Gateの限界として指摘されている論点
論文では、Stage-Gateモデルが現代のイノベーション環境に適合しにくい理由として、いくつかの環境変化が挙げられている。
(1)社会的課題の拡大
近年では、
気候変動
資源枯渇
エネルギー転換
などの社会的課題が新製品開発に強く影響している。
このような状況では、
顧客ニーズ
技術要件
の双方が開発途中で変化する可能性が高くなる。
しかしStage-Gateは、各段階で前提条件を設定して進めるモデルであるため、前提条件が途中で変化する環境には対応しにくい可能性があると指摘されている。
(2)環境変化の加速(変動性)
現代の市場環境は急速に変化する。
この変化は企業にとって機会でもあるが、新製品開発プロセスにとっては不確実性の源にもなる。
Stage-Gateは本来、
開発コストの統制
投資リスクの管理
を目的として設計された段階型プロセスである。
そのため、急速な環境変化に対する柔軟な適応能力を十分に持たない可能性があると論文は指摘している。
(3)不確実性への対応
Stage-Gateは基本的に直線的なプロセス構造を持つ。
しかしイノベーションの現場では、新しい情報が開発途中で得られることが多く、それに応じて方向修正が必要になる。
このような状況では、
途中で仮説を変更する
製品コンセプトを修正する
といった柔軟な対応が必要になるが、Stage-Gateのような直線的プロセスでは、新しい情報を取り込む能力が制限される可能性があると論じられている。
(4)複雑性の増大
現代の製品やサービスは、技術的にも市場的にも複雑になっている。
論文では例として、集積回路設計などの高度な技術領域が挙げられている。
こうしたプロジェクトでは、
人間中心設計
ユーザー体験
システム統合
など多くの要素が絡み合うため、単純な段階型プロセスでは十分に対応できない可能性があると指摘されている。
(5)曖昧性(Ambiguity)
特に新規事業やベンチャー創出の領域では、
製品
市場
の両方が開発と同時に定義されていく。
しかしStage-Gateでは、製品コンセプトや市場定義が比較的早い段階で固定される傾向がある。
そのため、実際の新規事業開発のように
仮説検証
市場探索
方向修正
を繰り返すプロセスとは相性が悪い可能性があると論文では指摘している。
つづきは、次回!
次回↓↓
