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Keychron Q3 Ultra 8K レビュー|1ヶ月半使って言うと、8Kポーリングは正直わからん


英語配列のキー配置
長いスペースとエンターキーが特徴

英語配列デビューしました。

きっかけは職場用にHHKB(30周年モデルの雪・US配列)を買ったこと。じゃあ自宅は何にしよう、いま使ってるQ3 Maxは気に入ってるから同じモデルのUSにするか…いやちょっと待てよ、新しいの出てるじゃん!試すか!

というわけで、Keychron Q3 Ultra 8Kです。6月頭に39,930円で購入して、約1ヶ月半、自宅の据え置きタイピング機として毎日使いました。スイッチは購入時に選べるラインナップからSilk POM(赤・リニア)を選択。

先に結論を言うと、打鍵感は最高。でも最大の売りの「8K」は正直わからんかった。順番に書きます。

Q3 Ultra 8Kとは

  • 80%(テンキーレス)レイアウト・フルアルミ筐体のQシリーズ

  • 無線(2.4GHz)で8,000Hzポーリングが最大の売り

  • 2.4GHz/Bluetooth/有線のトリプル接続

  • ホットスワップ対応、スイッチは購入時に選択可

  • 設定ソフトはKeychron Launcher(ブラウザで動く)

「無線でポーリングレート8K」はゲーミング用途を意識したスペックです。私はタイピングと作業にしか使っていないので、そこがどうだったかは後述します…。

良かったところ

打鍵感が最高

打鍵感がいいのよこれが

筐体がしっかり重くて、強めに打っても一切ビクともしない安定感。そこにSilk POM赤の、重すぎず軽すぎない打ち心地が乗ります。これがもう、気持ちいいんです。

もう少し細かく言うと、底打ちしても嫌な感触や音がまったくない。反発は指に吸い付いてくる感覚で、キー自体の揺らぎもゼロ。どんな打ち方をしても、すべてを受け止めてくれる感じなんです。この「何も気にせず打てる」安心感が、気持ちよさの正体だと思っています。

ふだんのメイン機はSeaSide39(自作の分割キーボード)なんですが、文字をガッと打つ日はついQ3 Ultraに手が伸びる。というか最近、打鍵感が良すぎてこっちを使う時間が相当伸びてる気がします。メイン機の座がちょっと揺らいでいる…。

バッテリーが減らない

毎日普通に使って1ヶ月半、まだ一回も充電していません。無線キーボードの「気づいたら電池切れ」ストレスとは今のところ無縁です。

遅延は一切気にならない

2.4GHzのレシーバーで使っていますが、タイピングで遅延を感じたことは一度もないです。まあこれは8Kのおかげというより、いまどきの2.4GHz接続なら当たり前の水準かもしれません。

ダメなところ・注意点

音がかなりする

打鍵音は「カチャコト系」。心地いい音ではあるんですが、静かな環境で使うのは無理なレベルで鳴ります。職場に持っていくのは論外、深夜に家族がいる部屋だとちょっと気まずい…くらいの音量感です。据え置き前提、環境を選ぶキーボードだと思ってください。

高い

4万円です。キーボードマニアの私でも高いと思います。一般人からしたら「キーボードに4万?」は意味不明でしょう。そして正直に言うと、1万円のキーボードの4倍性能がいいのかといったら、全くそんなことはないです。ここは期待値を間違えないでほしいところ。

キーが高い


パームレストがないとちょっと辛い高さ

筐体+キーキャップの高さがちょっとあって、慣れるまで時間がかかると思います。手首の位置が決まるまでは違和感があるかも。パームレスト使ってて心地いいですね、無いと手首がやられると思います。

で、8Kはどうなのか

正直、全くわからん。

タイピングと作業用途では、8,000Hzポーリングの恩恵を体感できる場面は1ヶ月半で一度もありませんでした。ゲームには全く使っていないので、FPSで振り回したら違うのかもしれませんが、少なくとも「文字を打つ道具」として選ぶなら8Kは判断材料にしなくていいです。

じゃあ無駄だったかというと、そうでもなくて。この一台の本質は8Kではなく「アルミ筐体の打鍵感を無線で使える」ことだと思っています。8Kはおまけ、打鍵感が本体。

HHKBと比べてどうなの?

職場ではHHKB(HYBRID Type-S・US配列)を使っているので、実は毎日この2台を打ち比べている状態です。

うまくまとまらないんですが、あえて言葉にすると——HHKBが「上質でコトコト」なら、Q3 Ultraは「やってやるぜ!」です。

HHKBは静電容量無接点+静音モデルで、上品にスッと沈んでコトコト鳴る。静かな場所で長時間淡々と打つならこっちです。対してQ3 Ultraは、アルミの塊がメカニカルの気持ちよさを全開で鳴らしてくる。打っていてテンションが上がるのは、正直こっちなんです。

どっちが上という話ではなくて、性格がまるで違う。結果として「職場は静かなHHKB、自宅はやってやるぜのQ3 Ultra」という、音量まで含めた綺麗な住み分けになりました。狙ってなかったのに。

US配列移行のリアル

JISからの移行で詰まったのは記号まわり・Enter・スペース付近をたまに押し間違えるくらいで、概ねすぐ慣れると思います。思ったより壁は低かった。

一番の問題はIMEのオン/オフです。JISの「半角/全角」キーがないので、ここをどうするか。私はAutoHotkeyで「左Alt空打ち=英数、右Alt空打ち=かな」にしました。

#Requires AutoHotkey v2.0

; Altキーダウン時にダミーキー送出 → ChromeのAlt単体認識を無効化
~*LAlt::Send("{Blind}{vk07}")
~*RAlt::Send("{Blind}{vk07}")

; AltキーUp時にIME切り替え
LAlt Up::IME_SET(0)   ; 英数
RAlt Up::IME_SET(1)   ; かな

IME_SET(SetSts, WinTitle := "A") {
    hwnd := WinExist(WinTitle)
    if (WinActive(WinTitle)) {
        ptrSize := !A_PtrSize ? 4 : A_PtrSize
        stGTI_cbSize := 4 + 4 + (ptrSize * 6) + 16
        stGTIBuffer := DllCall("GlobalAlloc", "UInt", 0x40, "UInt", stGTI_cbSize, "Ptr")
        NumPut "UInt", stGTI_cbSize, stGTIBuffer, 0
        hwnd := DllCall("GetGUIThreadInfo", "UInt", 0, "UInt", stGTIBuffer)
            ? NumGet(stGTIBuffer, 8 + ptrSize, "UInt")
            : hwnd
    }
    DllCall("SendMessage"
          , "UInt", DllCall("imm32\ImmGetDefaultIMEWnd", "UInt", hwnd)
          , "UInt", 0x0283
          , "Int", 0x006
          , "Int", SetSts)
}

ポイントは3つ。

  • トグルではなく押し分け。「今どっちだっけ?」と考えなくていい。左を叩けば必ず英数、右を叩けば必ずかな

  • Altダウン時にダミーキーを送って、ChromeがAlt単体でメニューにフォーカスする挙動を潰している

  • Winキーには触っていないので、Win+Dなどのショートカットは全部無傷

ふだんZMK(自作キーボードのファームウェア)でタップ/ホールドの設定を組んでいる人間からすると、既製品でも同じ操作感をOS側で作れるのは嬉しい発見でした。ちなみにQ3 UltraはQMK/VIA対応なので、キーボード側でMod-Tap(タップとホールドで別のキー)を仕込む手もあります。ZMKの`&mt`と概念は全く同じで、VIAの「Any」キーに`MT()`を書くだけ。自作勢なら5分で移行できます。

ZMKのタップホールドに私がどれだけ時間を溶かしたかは、こちらの記事でどうぞ…。

https://note.com/karakuriya_0204/n/nb166e8180f1c

キーマップ変更は純正のKeychron Launcher(ブラウザで動く設定ツール)でもできます。触った感想としては、手軽。普通のキーマップをちょっといじるくらいなら、これで必要十分です。ZMKみたいに「設定を変えるたびにビルドして書き込んで…」がないのは、正直うらやましい体験でした。

SeaSide39との使い分け

  • 文字を打つことが多い日 → Q3 Ultra。打鍵感の気持ちよさで選ぶ

  • ポインティングデバイスを併用する作業 → SeaSide39。トラックボール一体型の強さは揺るがない

という住み分けに落ち着きました。用途で自然に手が分かれる、いい二台体制だと思っています。

ちなみに今まで使っていたQ3 Maxは手放す予定です。不満があったわけでは全くなくて、純粋に英語配列へ切り替えるため。JIS配列のまま使い続けるなら、今でも文句なしの一台です。

…と、綺麗に二台体制がまとまったところで思い出したんですが、11月には予約中のOrca Echoも届くんですよね。この住み分け、早くも崩壊の予感がしています…。

https://note.com/karakuriya_0204/n/n3cc5092219bc

誰におすすめか

1ヶ月半使ってきた実感で言うと、この一台が刺さるのはこんな人です。

  • キーボードにはこだわりたい人。打鍵感という一点においては、4万円分きっちり応えてくれます

  • 「あ、いま自分のタイピング世界一かも」という感覚になりたい人。大げさじゃなくて、打っていると本当にこの謎の全能感が来るんです

  • 細かいことはさておき、とりあえずいいキーボードが欲しい人。「これ買っときゃ間違いない」枠として堂々とおすすめできます

  • 仕事に楽しみをプラスしたい人。ただ文字を打つだけの時間が、ちょっとしたご褒美になります

要するに、スペックで買う道具じゃなくて、「触って気持ちいい」に課金する道具。そこに4万円出せるなら、後悔はさせないと思います。

まとめ:8Kはわからん。でも毎日触ってしまう

スペック表の目玉は体感できず、値段は自分でも高いと思っていて、音は家族に気を使うレベル。文字にすると散々なのに、気づけば毎日これで打っていて、メイン機の使用時間を食い始めている。

結局、私にとってキーボードで重要なのは打鍵感なのかもしれない。8Kポーリングよりも、指が「もう一回打ちたい」と言ってくるかどうか。Q3 Ultraは、そこだけは間違いなく4万円の仕事をしています。

JIS(日本語配列)はこちら

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