子どもは大人より暑い。地面からの熱の話
KAORU|薬学博士・現役病院薬剤師・双子ママ
長女がまだ1歳くらいの頃の話です。
日中は暑いから、夕方なら。そう思って散歩に出ました。風も少し吹いていたし、これなら大丈夫やろう、と。
でも、私の手をつないで歩く長女の顔が、真っ赤なんです。
どうした?としゃがみ込んだ瞬間、私は驚きました。道が、熱い。 立っているときには感じなかった熱気が、地面のすぐ上には、もわっと居座っていたんです。
大人の私が「涼しくなってきたな」と感じていた同じ場所で、長女はまったく別の暑さの中にいました。
☀️ 気温は「地上150cm」で測っている
意外と知られていないのですが、天気予報の気温は、地上およそ150cmの高さで測ったものです。ちょうど大人の顔のあたりですね。
でも、歩き始めの子や、小さな子の顔は、地面のすぐ上。晴れた日は地面に近いほど暑くなるので、子どもの高さでは、大人が感じる気温より2〜3℃ほど高いこともあるとされています(環境省の資料より)。
しかも子どもは、大人より暑さに弱い理由をいくつも抱えています。
熱くなった地面からの照り返しを、まともに受ける
体温を調節する力が、まだ発達しきっていない
汗をかく力も未発達で、熱を逃がしにくい
体の大きさのわりに表面積が大きく、外の暑さの影響を受けやすい
つまり、同じ場所に立っていても、子どもは大人よりずっと暑い。「私が平気だから、この子も平気」は、残念ながら通じないんです。
🌱 「まだ大丈夫やろ」を、やめました
あの日から、私が変えたことがあります。
ひとつは、出かける前に必ず何か飲ませてから行くこと。のどが渇いてから、では少し遅いからです。
もうひとつは、子どもの顔をよく見るようになったこと。暑いと言えない子ほど、顔が教えてくれます。顔が赤いのは、体温がもう上がりはじめているサインです。
そしてもうひとつ。私は、ときどき自分もしゃがんでみるようになりました。子どもと同じ高さで暑さを感じてみると、「あ、ここは無理だ」が分かる。ついでに、子どもが見ている景色まで一緒に楽しめるようになりました。
知らなかったことは、恥ずかしいことじゃありません。私も、しゃがむまで知らなかった。むしろ、知ればここから変えられる。
この夏、「まだ大丈夫やろ」と思ったら、一度しゃがんでみてください。あなたの子が過ごしている暑さが、そこにあります。
(水分補給の話は、こちらにも書いています → 5/23 経口補水液はいつ飲ませる?)
※本記事の情報は執筆時点のものです。お子さんの様子がいつもと違う、ぐったりしているなど気になるときは、迷わず受診・相談してください。
KAORU|薬学博士・現役病院薬剤師。国立大学研究所研究員、私立大学薬学部助教、調剤薬局を経て現職。一卵性双生児を含む3児の母。
