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450万完済の記録|第2話:150万円の枠が埋まった日。そして消えたご祝儀

※これは、すべて実話です。


「お金を借りてスロットを打ち、出玉があれば返済し、足りなくなればまた借りる」

魔のカードを手にしてからというもの、私の中でお金を借りることへの罪悪感は、音を立てることもなく消えていきました。 完全に、感覚が鈍りきっていたのだと思います。

そもそも、借りた金で勝ったとしても、その出玉はすべて返済へと消えていきます。 いくら当たっても、手元に残るお金はほぼゼロ。

それでも、当時の私はスロットを打つことをやめられませんでした。

勝つことはもちろん嬉しい。 でもそれ以上に、ただ「スロットを回している時間」が面白く、その場を楽しめればそれでいい。 そんな感覚になっていたのです。

今思えば、これこそが「ギャンブル依存症」という、出口のない迷路の入り口だったのかもしれません。

「優良顧客」という名の甘い罠

初めての消費者金融「アットローン」での借り入れ上限は、最初20万円ほどだったと記憶しています。

当時は「借りてはすぐ返す」を徹底していたため、私は業者にとって非の打ち所がない「優良顧客」だったのでしょう。

ある日の仕事中、アットローンの女性オペレーターから一本の電話が入りました。

「上限枠を50万円まで引き上げることが可能ですが、いかがなさいますか?」

「一応、念のため……」

そんな軽い気持ちで承諾してしまった私。当時の愚かな私は、自分が「信頼されている」のだと大きな勘違いをしていました。

実際には、地獄への滑り台をより長く、急にされただけだったのです。

上限が解放されると、金銭感覚の麻痺は加速しました。

以前は「給料の範囲内で返せる額」を意識していましたが、 気づけば20万円を超える借金を抱えることが、当たり前になっていました。

さらに追い打ちをかけたのが、「リボ払い」という魔の仕組みです。

毎月数千円という「最低返済額」さえ返せば、また枠が空いて借りることができる。

例えば、30万円ほど借りていた場合。 毎月1万5千円も返しているのに、元金は数千円しか減っていないという現実。

「返しているお金のほとんどが、利息に消えていく」

その事実に気づかないふりをして、私はまたATMにカードを差し込んでいました。

それでも、「返済期限を守っている自分はまだ大丈夫だ」という錯覚から抜け出せなくなっていました。

気づけばアットローン単体で、借入額は150万円まで膨れ上がっていました。

日常化した借金。そして襲いかかった「結婚式3連発」

借金の理由は、もはやスロットだけではありませんでした。 生活費、友人との交際費、趣味の車の維持費……。

足りなくなればATMへ行く。 それはまるで、自分の預金口座からお金を下ろすような感覚でした。

そんな折、20代後半の私を襲ったのが、**「1ヶ月に3回の結婚式」**です。

当時の手取り給料は20万円ちょっと。 そこから家賃や光熱費、借金の返済を引けば、手元に残るお金などありません。

しかし、お祝いの席を断るわけにもいかず、1回につき3万円のご祝儀、そして二次会費用……。 無条件で10万円近い大金が、一気に飛んでいく現実。

私の選択肢は、一つしかありませんでした。

「おめでとう」という言葉の裏で、私はまた無人契約機へと足を運んでいました。

友人の幸せを祝うためのご祝儀を、借金で用意する。 その惨めさと矛盾に、胸が締め付けられる思いでした。

訪れた限界。「貸せません」という宣告

スロット、生活費、そして重なる出費。 ついにアットローンの借入額がMAXの150万円に到達しました。

「また上限が上がらないかな……」

今思えば異常な考えですが、当時はそう願うしか道がありませんでした。 しかし、電話の向こうの担当者の声は冷ややかでした。

「これ以上、上限を上げることはできません」

絶望でした。 私の当時の年収や社会人としての信用が、ついに底を突いた瞬間でした。

「あぁ、もうどこからも借りられない。どうしよう、終わった……」

しかし、この時の私はまだ知らなかったのです。 これが「1社目の終わり」に過ぎず、ここからさらなる多重債務の迷宮へと迷い込んでいくことを。



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