漢字の意味と発音の構成要素
漢字の六書
六書(りくしょ)とは、漢代の学者による漢字の構造原理を、以下の6種類に整理した理論です。それに、日本で作られた漢字の国字が加わり、以下の7種類に分類できます。
象形( pictographs): 日、月、木、山、川
指示( indicatives): 一、二、三、上、下、本、末
形声( phono-semantic compounds): 江(こう)、河(が)、波(は)
会意( compound ideographs): 武、信
転注( derivative characters): 考、老
仮借( phonetic loan characters): 令、長
国字( Japanese made characters): 峠、働、畑、辻
漢字の造字と形声漢字
以下のリンクで、字素(Graphemes)を組み合わせて並べれば、漢字を造字できることを述べました。このとき、「麦+分 +灬」にピザという意味と、pizzaという発音を割り当てることを考えました。
しかし、漢字は、文字の通信符号の一つですから、「麦+分 +灬」を個人が造字しても、他の人が、将来も、ピザの意味として、使われるか不明です。また、その造字を、将来も、音声で[pizza]と発音されるかも不明です。
このため、漢字の造字の意味が正しく伝達され、さらに、正しく音声で発音される必要があります。この意味と発音の2つの問題点を解決したのが、「形声漢字」なのです。
形声漢字の声符と義符(部首)の構成要素
松や鬆の音読みを「ショウ」と読むことを、以下のリンクの付録で述べました。すなわち、「公」が「ショウ」の音読みで、漢字の声符(せいふ, homophones, phonetic components)と呼び、発音を表す統一した構成要素(kanji components)だったのです。
この様な声符を持つ漢字は、上記の形声漢字と呼び、我々の調査で、どのような日本語の教科書でも、約半数は、形声漢字であることが分かっています。
また、「松」の「木(きへん)」や「鬆」の「髟(かみがしら、かみかんむり)」が、義符(ぎふ, semantic components)や部首(ぶしゅ, radicals)で、意味を表す統一した構成要素だったのです。
すなわち、文明が発達すると、従来の漢字だけでは、新い概念を表すことが困難になり、新しい漢字の造字が必要になります。この時、発音と意味を表す統一した構成要素に従って漢字を造字すれば、新造字漢字でも、発音や意味を、当てることができる訳です。
筑波大学名誉教授のスティファン・カイザー先生は、このような、発音と意味の構成要素は、「漢字の増幅」により、漢字の理解を助けることができ、漢字学習に重要と言われています。我々は、先生と直接お話ししたことはありませんが、我々も「漢字の増幅」という考え方は、非常に重要と考えています。

声符の漢字検索GUI画面
図2の「波」の漢字辞書と声符リンクの例において、「声符」のリンクをクリックすると、声符の漢字検索をすることができます。漢字辞書のURLは、 https://www.icampusj.net/u/akanji.jsp です。

また、多式漢字検索において、「声符」検索モードで、「声符」の漢字を検索することができる。多式漢字検索のURLは、 https://www.icampusj.net/u/k.jsp です。この多式漢字検索の説明は、以下のリンクをご参照ください。
図3と図4は、声符の多式検索のGUIで、画面上の声符をクリックすると、声符の漢字を検索することができる。
このGUI画面は、画数とアイウエオ順に並んでおり、また、色は、ピンク、黄緑、水色、黄色、白の順に、声符の漢字数が多いものである。さらに、JIS 第一水準と第二水準で、8個以上の漢字が含まれるものだけをこの表示掲載しています。


声符の検索実施例
図5、図6、図7に、それぞれ、皮、昔、戠の声符検索例を示す。「皮
」では「ハとヒ」、「昔」では「セキとシャク」、「戠」では「ショクとシキ」の声符の読みが、検索表示されていることが分かります。



まとめ
漢字の意味と発音の構成要素である「義符」と「声符」を用いることにより、漢字の意味と発音を推測でき、また、「漢字の増幅」により、漢字の学習が効率化されることを述べた。
我々の多式漢字検索を用いると、「声符」や「字素」の検索が簡単にできるので、漢字の学習を高めていただければ幸いです。
ご意見やご感想は、コメント欄に書いていただければ幸いです。
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