気に入った?
保育園の帰り道、コンビニへ寄った。
「おかし三匹ほしい!」
息子は最近、なぜか何でも「匹」で数える。
「一個だけね。」
そう言うと、「やだ!」と即答。
じゃあ真ん中をとって二個。
「二匹!二匹!」
満面の笑みでアンパンマンのチョコとチュッパチャプスを抱えていた。
帰り道、
「ごはんのあとにおやつなのー?」
「ぼく、おやつからがよかったなあ。」
と少しだけ不満そうに歩く。
でもちゃんと約束は守って、ごはんを食べ終えてからチョコを開けた。
一粒食べると、すぐに私の方へ手を伸ばしてくる。
「おいしいよ。ママにもあげる。」
その一粒をもらって口に入れる。
ダイエット中だから、本当は甘いものは我慢したい。
でも、今日はその一粒だけは別だった。
「おいしいね。」
そう言うと、息子は少し得意そうな顔をして、
「気に入った?」
と聞いてきた。
その言葉がなんだか可笑しくて、笑ってしまった。
子どもは「おいしかった?」じゃなくて、「気に入った?」と聞くことがある。
自分が好きなものを、大好きな人にも好きになってほしい。
そんな気持ちが、その一言に詰まっているような気がした。
チョコそのものがおいしかったというより、「一緒に食べよう」と差し出してくれたことがおいしかった。
ほんの一粒なのに、お腹じゃなくて心が満たされる。
ダイエット中だから、普段なら「今日は我慢しよう」と断っていたかもしれない。
でも、子どもが勇気を出して差し出してくれた一粒には、カロリーなんて測れない価値がある。
今日もまた、息子に幸せをひとつもらった帰り道だった。
かに
