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宇宙☓お金のはなし #2 YouTube補足解説。 投資期間の長さとリスクを考える

今週のYouTubeでは、宇宙ビジネスへの投資において、投資期間が非常に長いこと自体が大きなリスクであるという話をしました。

宇宙ビジネスは、一般的なITスタートアップなどと比較して、開発期間が長く、多額の初期投資が必要になります。これは裏を返せば、その長い期間の間に発生する社会や経済の大きな変化に耐えなければならないということでもあります。このnoteの補足では具体的にイベントとその影響をみてみましょう。

2000年以降の振り返り

2000年代以降の日本経済を振り返るだけでも、それはよく分かります。日本経済はこの20年余りの間、国内外の急激な環境変化や突発的危機に何度も直面してきました。そのたびに、従来の政策枠組みを大きく超えるマクロ経済政策が実施されてきました。

日本銀行による非伝統的金融政策、大規模な財政出動、危機対応のための補正予算、税制改正や増税延期など、政治と経済の意思決定は大きく揺れ動いてきました。

そしてこういったイベントをきっかけとして日本経済も大きくかわり、ビジネスに直結する為替相場も変わります。

具体的出来事

実際、この期間だけでも以下のような巨大イベントが発生しています。

2001年 世界同時多発テロとそれに続くアフガニスタン戦争、イラク戦争:空の安全についての意識が変化し、空港のセキュリティが大幅に強化されました。街なかでもテロ対策でのセキュリティ強化されることになりました。

2008年 リーマン・ショック:世界的な金融危機によって金融システム不安が発生し、日本経済も急激な景気後退に直面しました。企業の資金繰り悪化、株価暴落、世界的な信用収縮が発生し、多くの企業が投資計画の見直しを迫られました。

2011年 東日本大震災:サプライチェーンが寸断され、日本社会全体が危機対応を迫られました。エネルギー政策も大きく転換し、社会インフラのあり方そのものが見直される契機となりました。

2020年 コロナウイルス:人の移動や経済活動が世界規模で停止するという、過去に例を見ない事態が発生しました。各国は巨額の財政出動と金融緩和を実施し、社会のデジタル化も急速に進みました。

2022年 ウクライナ戦争:エネルギー価格や食料価格が高騰し、世界的なインフレ圧力が強まりました。安全保障と経済が直結する時代に入り、宇宙や防衛の重要性も改めて認識されるようになりました。

2026年 イラン戦争:中東情勢の緊張はエネルギー市場や物流に大きな影響を与えています。地政学リスクは、長期投資において常に無視できない要素です。

イベントの効果

こうしたイベントのたびに、金融政策は変化し、金利は動き、インフレ率も変化します。増税議論が起こることもあります。社会の価値観や産業構造そのものが変わることすらあります。

つまり、投資期間が長いということは、こうした荒波の中を長期間航海し続けるということです。

これは宇宙投資に限らず、インフラ投資や大型技術開発にも共通する特徴です。短期投資であれば、数年で回収して市場から退出することも可能です。

しかし宇宙ビジネスは、事業が軌道に乗るまでに長い時間が必要です。その間に、金利環境、為替、国際情勢、政府方針、資本市場環境などが何度も変化します。そしてそれだけの期間となると社会構造、社会の価値観さえ昔とは全然異なるものになり得るということです。

その意味で、宇宙投資の最大のリスクは、単なる技術リスクだけではなく、時間そのものとも言えます。

宇宙ビジネスのイベント耐性

一方で、宇宙ビジネスにはポジティブな側面もあります。実は宇宙産業は、こうした大きな社会変化に対して、比較的耐性が強い傾向があります。

なぜなら、宇宙産業は単なる民間ビジネスではなく、国家戦略、安全保障、通信、測位、気象、防災など、社会インフラ的性格を強く持っているからです。

景気が悪化しても、衛星通信や安全保障需要がゼロになるわけではありません。むしろ、地政学リスクが高まるほど、宇宙インフラの重要性が増す場面すらあります。

また、近年は衛星データ活用が防災、農業、物流、金融など幅広い分野に浸透し始めています。

その結果、宇宙ビジネスは単なる夢の産業ではなく、社会基盤産業としての性格を強めています。

もちろん、だからといってリスクがなくなるわけではありません。しかし、長期的な社会変化に対して一定の耐性を持ちやすいという点は、宇宙産業の大きな特徴の一つだと思います。逆の見方をすれば、それゆえにこれほどの長期投資でも資金が集まるともいえます。

宇宙投資を考える際には、技術だけを見るのではなく、その企業が長い時間の荒波を乗り越えられる構造を持っているのか。

そこを見ることが、非常に重要なのだと思います。

記念すべき第1回目のYouTubeはこちら。

そしてその回の補足解説はこちら。


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