【読書感想文】崩れる脳を抱きしめて
大好きな知念氏の作品ということで手にした本書。
絶対にハズレはない!
そう確信して読みだした。
だが、今回は合わなかったな~。😢カナシ
面白くないわけでは、ない、と思う。
しかしどこまで読んでも「これだ!」というシーンが来ない。
第二章になって、ようやっと「きた!」という感じだった。
では、どんな話なのか?
研修医の碓氷(ウスイ)青年が、患者の望みなら何でも聞くという富豪相手の病院にやってきた。
そこで超高級病室に入院している「ユカリ」さんに出会う。
心に傷を負っている碓氷医師が、外に出ることができないユカリに惹かれていく。
ユカリによって、心の傷を晴らすことができて、自分は恋をしていると認識する。
つまり、第一章って恋愛。
いつ死ぬかもわからない女性への心の変化を書いている。
きっと恋愛ものが好きな人には刺さるだろうな。
碓氷医師はお金に苦労してるし、目は死んだ魚のようで、感情が動かないタイプ。
見事に嫌な男を描き切っている。
私が書いたらどうだろう?
ここまでイヤな男を描くことができるのだろうか?
できないだろうなぁ。。。
しかし、このまま終わらないだろうなと思っていた。
いや、このままエンディングを迎えたのでは、読まなけりゃ良かったという思いに捕らわれてしまう。
何か大きな事件がなくちゃ面白くない。
ところが長きにわたる第一章は恋愛による心の変化で終わってしまった。
研修が終わり、古巣に帰るまでが一章なんだけどね。
なんか、もう読みたくないって気持ちがムクムク。
だが! 大好きな知念氏の作品だ!
きっと何かあるはず。
いや、例えば淡々と終わったとしても、そういう作品もあるんだということで、目線を変えて読めばいいんだよ。
と、自分に言い聞かせ第二章に突入。
するとやってきました!
ユカリの死!
超x5くらいの金持ちであるユカリが死んで、遺産が入ってくる。
その額、碓氷の背負っている借金の額と同じ。
愛しているユカリの死を知り、疑問が浮かんでくる。
外に出られなかった人が、どうして外で死んだ?
そこからユカリの死の真相へと動き出す碓氷医師は、大事なパーティ……だったかな?(忘れたw)をすっぽかしてしまう。
パーティに出れば、将来は確約されてたってのに、人生を棒に振る選択をするわけだ。
ユカリに会うまでの碓氷なら、きっと真相なんてものより、将来を選んでいただろうな。
人を愛することで、人間ってこんなに変わるんだよってことを言いたいのか?
結局、死んだと思わされたユカリは生きてたんだけど。
しかもそこには、絡まった糸があった。
ユカリは別の病院にいたんだけど、そこに賢い犬が出てくる。
そこで思った。
この病院って、「優しい死神の飼い方」の舞台じゃない?
知念氏の作品って、どこかで過去作が絡んでるような気がするw
そういうのを探すのも楽しい。
結構読んでると「同じ舞台だ!」という発見があって、それを見つけたときに嬉しくなる。
きっと知念氏は、この舞台が好きなんだろうな~w
まあ、勝手な思い込みってやつかもしれないけど。
ラストはハッピーエンド。
とはいっても、ユカリの時間が止まってるわけじゃないから、この先にあるものは今生の別れなんだけどね。
そこまでは書かれていない。
書いちゃったら、悲しい終わりになるからだろうな。
でも、ここまで性格が変わった碓氷は、ユカリの死を迎えた時どうなるんだろう?
この続きも読みたいなって思った。
壊れるのか?
一度形成された人間の性格は、壊れることがないのか?
もちろん、自分なりの答えはあるけど、知念実希人氏がどんな話を作るのか見てみたいなって思った。
タイトル:崩れる脳を抱きしめて
著者:知念実希人
出版:実業之日本社
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