雨の日はプロコフィエフ(新百合ヶ丘・昭和音楽大学演奏会)
昨日は、朝から冷たい雨の土曜日で、気分が沈んだ。
こういう日は、
「プロコフィエフのピアノ協奏曲3番を聴いて、スカッとしたい!」
と、みんな思うものではないですか。
偶然にも、昨日は近所の新百合ヶ丘(川崎市麻生区)で、プロコの3番の実演をやっていたので、聴きに行きました。

新百合ヶ丘にある昭和音楽大学の4年生たちによるコンサート。
当日券、A席1800円を買い求めーー。
昭和音楽大学のホール。キャパ800人くらいか。チケットは完売に近かったはずですが、客入りは6割ほど。事情は詮索せず。


最初は、山崎奏羽(かなう)さんによるウェーバー「ファゴット協奏曲」。
銀のドレスに真っ赤なファゴットを抱えた姿が鮮やかです。
祝祭的な明るい曲で、始まるとすぐ気分はパッと明るくなりました。
緩徐楽章で、ホルンの和音の上にファゴットのひなびた旋律が重なるあたりが初めて耳にする心地よい響き。今回のハイライトの一つになりました。
終楽章の跳ねるような舞曲のリズムも楽しく、大変ようございました。
次は、石井里歩さんによるサン・サーンスの「ピアノ協奏曲2番」。
ピアノ独奏から始まる曲は、一転して悲愴な楽想。
白いドレスに身を包んだ石井さんの演奏はとてもパワフルで、第一楽章後半のオクターブ連続の聞かせどころを見事に決めました。
軽妙なスケルツォを挟み、終楽章も技巧的なパッセージが続きますが、石井さんはスタミナ十分で最後まで力強い響きで楽しませてくれました。
ここで20分の休憩ーー。

3人目は市川真帆さんのR・シュトラウス「ホルン協奏曲2番」。
R・シュトラウスといえば、「ドン・ファン」とか「ティル」とか、初期からホルン奏者をいじめる曲ばかり書いた人ですが、その彼がホルンいじめの集大成として78歳になって書いたのがこのホルン協奏曲。
冒頭から、いかにも難しそーで苦しそーなフレーズが続出します。でも、金のキラキラを散りばめた白いドレスの市川さんは、それを軽々と吹奏して、度肝を抜かれました。
そもそもこの曲、コンチェルトというより、オーケストラ曲として深遠かつ精妙で、オーケストラも大変だと思います。この日の伴奏は、阿部未来指揮の昭和音楽大オケでしたが、とても優秀で、音楽としてこの日いちばんの聴き物になりました。
終わった時は、この日いちばんのブラボーが飛んでいました。
トリはいよいよ河合竜謙さんのプロコフィエフ「ピアノ協奏曲3番」。
河合さんの装いは、なんというか宇宙人の服みたい。それも爬虫類系の宇宙人の。
冒頭からスピード感は十分ですが、やや線の細いピアノで、主張が前に出てこないもどかしさを感じます。
もちろん、この曲を弾くほどですから、巧いですが。
まあプロコの3番となれば、名ピアニストの名演をたくさん録音で聴いています。耳でそれらとくらべて多少物足りなさを感じるのは仕方ない。
でも河合さんの演奏は次第に熱を帯びてきて、終楽章では見事にクライマックスを築き、最終的にスッキリさせてくれました。
皆さん、ほんとにお上手ですね。ありがとうございました。
気が向いたらこういうコンサートにふらっと行けるのが、新百合ヶ丘の良さですね。

<参考>
