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聖書が予言するイスラエルと戦争の今後(アミール・ツァルファティと高原剛一郎による)

ウクライナ戦争は「終末」の始まり?


聖書は、たんに有難い説教集や寓話集ではなく、実際に起こったことを記した歴史書であり、現実世界の未来を予言した本である。

ーーという考えのキリスト教徒たちがいて、2022年のウクライナ戦争勃発以来、活気づいている。

なぜなら、あのロシアの侵略こそ、聖書の予言の実現(の始まり)だと思えるからだ。

ロシアはやがてイランらと手を結び、イスラエルに敵対する、と聖書に書いてあると彼らは主張し、終末が近いことを予言する。


聖書にもとづく「終末論」の盛り上がりは、この50年でも何度かあったが、現在もそうだ。

世の「終末」は、キリスト教徒には悪いことではない。それはイエスの再臨を意味する。

2010年時点の調査で、アメリカの白人福音派(聖書の言葉を字義どおり信じるクリスチャン)の58%が、2050年までにイエスが再臨すると信じていた。


その後のコロナの蔓延、ウクライナ戦争、ガザ戦争、そして暗殺の弾丸を間一髪でよけたトランプの大統領就任、という流れに、彼らは神の意志を読み取っている。

彼らの世界認識は、トランプ政権にも影響を与えていると言われる。

2人の人気伝道師


というわけで、「聖書予言」を信じるキリスト教徒が、現在の世界情勢をどう見ているのかを知りたくて、雨と雪に閉じ込められた昨日、YouTubeで2人の伝道師の動画を見ていました。

2人とは、イスラエル人のアミール・ツァルファティ氏と、高原剛一郎氏です。


イスラエルの預言的タイムラインby アミール・ツァルファティ(Behold Israel / 日本語: Japanese 2024/5/4)*実際には2022年収録と思われる

アミール・ツァルファティ(Amir Tsarfati)

1972年イスラエル生まれ。元イスラエル国防軍の士官で、現在はイスラエルのツアーガイド、NPO「ビホールド・イスラエル」代表、キリスト教の説教師。士官学校を出てすぐにヨルダン川西岸のエリコに赴任し、94年のガザ・エリコ合意で、エリコがイスラエルからパレスチナ自治政府に委譲された最初の都市になった時、現地の副総裁(deputy governer)だった。「Israel and the Church」(2021)、「Revealing Revelation」(2022)等、多数の英語のキリスト教書籍を出版し、2023年に来日し大阪で講演した。2025年4月にも来日予定。


天満橋バイブル倶楽部「アメリカ大統領選挙と世界の行方」~患難時代の前兆について~ 講師:高原剛一郎 2024年9月18日 主催:東住吉キリスト集会

高原 剛一郎(たかはら ごういちろう)

1960年名古屋生まれ。大阪教育大学教育学部卒業後、商社にて10年間営業マンとして勤務。キリスト伝道者、大阪ヘブル研究所主任研究員、東住吉キリスト集会責任者。長年の聖書研究、およびシャミル元首相をはじめとしたユダヤ人指導者との交友にもとづく聖書講演をおこなう。ラジオ関西「聖書と福音」およびインターネットラジオ局BBNで伝道メッセージを配信。人気YouTuber(「ごうちゃんねる」)としても活動中。著書に『生きる勇気と聖書の力』、近刊『世界は聖書でできている』(2025年5月刊予定、秀和システム)。


<追記3月21日>

あとで気づいたが、高原氏は3月10日のYouTube動画で、アミール・ツァルファティ氏の講演会を案内していました。両者は関係があるんですね。

「ごうちゃんねる」3月10日より


エゼキエル戦争


このツァルファティ氏と高原氏の話はよく似ていて、言い回しがほとんど同じ部分もあります。

両者とも、ロシアとイスラエルの関わりについて、エゼキエル書の38章冒頭を引用します。

「人の子よ、マゴグの地のゴグに顔を向け、彼に預言せよ」

そして、ここで出てくる「マゴグ」とはロシアのことだと言います。


ツァルファティ氏の動画1:03:20あたり


高原氏の動画1:07:10あたり


さらにその先の箇所(5節)で、「ペルシャ、クシュ、プトが彼らと共におり」とある。

マゴグ(ロシア)と「ペルシャ」等が手を結ぶ。高原氏は、ロシアとイラン(ペルシャ)が軍事同盟を結ぶことだと説明します。

ツァルファティ氏はさらに、ロシアを中心にイラン、スーダン、トルコ、リビアが同盟を結んで、イスラエルを攻めると言います。

1:04:00あたり


このイスラエルVSロシア(イラン、スーダン、トルコ、リビア)の戦いを「エゼキエル戦争」と呼びます。

現状は、まだエゼキエル戦争まで進んでいません。しかし、ウクライナ戦争やガザ戦争は、その前兆だという認識のようです。

そして、エゼキエル戦争が始まれば、それはいわゆる「大患難時代」の幕開けとなるようです。

「ダニエル書」や「ヨハネの黙示録」の世界です。

この患難時代は7年続き、「666」の反キリストが出現したりして、非キリスト教徒はひどい目に遭うのですが、その前に正しいキリスト教徒は「携挙」により、中空に引き揚げられ、イエスと共に雲の中で暮らします。

そして、患難時代の終わりに、キリスト教徒とイエスは地上に降り立ち(地上再臨)、「千年王国」が始まる。

人が人を支配する時代が終わり、神が人を支配する時代が始まる・・


まあ、私はキリスト教にも聖書にも詳しくないから、自信がないのですが、どうもそんなシナリオのようであります。


イスラエル中心史観


2人とも強調するのは、「聖書はイスラエルとユダヤ人に関することしか予言していない」ということですね。

だから2人とも、「ウクライナ戦争のことは聖書に書かれていない」と言います。

聖書にとって、世界史とは、イスラエルをめぐる歴史です。聖書の神は、ユダヤ人とイスラエル以外に興味がない。

だから、イエスが地上からいなくなって、イスラエルが存在しなかった2000年間ほどは、聖書的には、時間が止まっていたようなものでした。

1948年にイスラエルが再建されて、また聖書的な歴史が動き始めた。

そして、「神の再生プランはイスラエルをとおしておこなわれる」(高原)というわけです。

徹底的なイスラエル中心史観なわけですね。


こういうイスラエル中心的なキリスト教が、最近、力を得ていて、日本でも影響力を広げていると思います。

こうした親イスラエルのキリスト教徒を、クリスチャン・シオニスト、と言います。

関西学院大学の柳澤田実准教授が、以下のように解説しています。


今日、“親イスラエルのキリスト教徒”(=クリスチャン・シオニスト)の数は少なくとも数千万人と推定されており、世界のユダヤ人人口をはるかに上回るほどの規模を持つ。最大のキリスト教シオニスト組織であるCUFIは、1000万人の会員を誇っており、イスラエル支持のロビー活動でより有名なAIPAC(米国イスラエル公共問題委員会)の10万人の会員数をはるかに上回っている。

要するにトランプ政権に親イスラエルの政策を採らせているのは、ユダヤ系アメリカ人でもイスラエル人でもなく、アメリカ人のクリスチャン・シオニストなのだ。

“2050年までにキリスト再臨”を信じる人々がイスラエルを支持する理由とは? アメリカとクリスチャン・シオニズムの深い関係
柳澤田実(関西学院大学神学部准教授)(現代ビジネス 2024/12/31)


非キリスト教徒の普通の日本人にとって、ユダヤ人もイスラエルも、遠い存在だろうと思います。私にとってもそうです。

だから、あまり関心が湧きにくいですが、そもそもキリスト教徒の多数派は、それほど親イスラエルではありません。イスラエル人はユダヤ人で、ユダヤ教であり、新約聖書のイエスを認めず、むしろイエスを殺した側ですからね。

でも、ユダヤ人のホロコーストへの同情や、ユダヤ人自体の政治力で、イスラエルはアメリカにも大きな政治力を発揮してきた。でも、アメリカのユダヤ人は、基本的には民主党支持でした。

ところが最近は、アメリカのキリスト教徒がイスラエルを支持するようになり、それが共和党のトランプを支える政治勢力になっている、というのが上の記事です。


日本でも広がるか


日本でも、中東問題に関して、多数派は親パレスチナ、反イスラエルではないでしょうか。

少なくとも、左派が強いマスコミやアカデミズムではそうだと思います。左翼過激派は、もちろんパレスチナと連帯していました。

これはキリスト教界でも同じようで、とくにリベラル化が言われるプロテスタント多数派の日本基督教団は、今回のガザ戦争に関しても、反イスラエルの立場のようです。


しかし、それに対して、上の高原剛一郎氏や、クラウドチャーチの小林拓馬氏などは、明確に親イスラエルです。

イスラエル国旗を背景に配信する小林拓馬氏

小林拓馬

クラウドチャーチ牧仕 元TBSテレビ政治部記者/「news23」ディレクター1992年長野県生まれ。山奥の田舎、小谷村で幼少期を過ごした後、父親の転勤でアメリカへ。その際、家族がプロテスタントの教会につながり、聖書を知る。帰国後、日本の学校に馴染めず中卒のままカナダ・アメリカを放浪。16歳の時に、日本で聖書の言葉から個人的にイエスを信じるようになる。高校卒業程度認定試験を経て、早稲田大学国際教養学部に入学。大学在学時にイスラエル・ハイファ大学に1年留学。ヘブライ語やユダヤ教を学ぶ。卒業後、TBSテレビ政治部記者として安倍首相、自民党・谷垣幹事長や二階幹事長、立憲民主党・枝野代表らを担当し取材。2021年3月に退職後、同4月にクラウドチャーチ設立。


こうした人々も「クリスチャン・シオニスト」と言っていいだろうと思います。小林氏はイスラエルで教育を受けています。

このようなキリスト教徒のイスラエル支持者が、世界的に増えているとするならば、それは実際の政治情勢にも影響していくだろうと思います。

日本人にとっても、ユダヤ人のユダヤ教はとっつきにくいですが、キリスト教はまだ親しみがありますから、彼らクリスチャン・シオニストのイスラエル観が浸透していく可能性はあります。


ただ、それにしても、現実のイスラエル国民は、ユダヤ教徒であり、公式にキリスト教を否定している、という問題は残るわけです。

それに関しては、小林拓馬氏も、アミール・ツァルファティ氏も、患難時代の前に、イスラエル国民がユダヤ教を捨てて、キリスト教に改宗しなければならない、と考えているようです。


(イスラエルの)彼らが救われるためには、彼らは自らの限界を認め、伝統を捨て、宗教を捨て、ラビやラビの教えへの依存を捨て、彼らをつまずかせて、イエスを見えなくさせるものを全て、捨てなければなりません。
(ツァルファティ氏の上掲動画 1:06:50あたり)


そういうことが本当に起こり得るのか、ちょっと想像しにくいですが。

でも、「携挙」とか「イエスの再臨」とか「千年王国」とかが起こるという世界観での話ですから、私の想像を超えていても当然です。


<参考>


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