発達が気になる子どもたちを理解するための視点
ここまで、発達が気になると言われたときのこと、相談機関とのつながり、そして療育という選択肢についてお話ししてきました。
ただ「発達が気になる」とは言っても、その姿は、一人ひとり大きく異なります。
困り感やその背景も様々です。
そこで、代表的な困り感ごとに分けて考えていきたいと思います。
ただし、ここでお伝えする内容は、子どもたちを明確に分類するためのものではありません。
実際の子どもたちは、いずれか一つの特徴だけを持っているわけではなく、いくつかの特徴が重なり合っていることも多くあります。
また、その表れ方も一人ひとり異なり、はっきりと分けられるものではありません。
それでも、子どもたちの困り感をいくつかの視点から整理してみることで、その子どもがどのような場面で困りやすいのか、どのような支援が必要なのかが見えてきます。
ここでは、理解のための手がかりとして、子どもたちの姿をいくつかの視点から見ていきたいと思います。
① 人との関わり方に特徴が見られる
・一人でいることを好むことが多い
・他の子どもへの関心が薄いように見える
一方で、
・特定の子どもに強く関わろうとする
・相手の様子に関係なく関わり続ける
といった様子が見られることもあります。
これは一見逆のように見えますが、
どちらも人との関わり方を調整することの難しさとして理解することができます。
特にこの特徴は、保育園などの集団の中で目立ちやすい傾向があります。
家庭では大人と過ごすことが中心のため、
こうした様子があまり気にならないことも少なくありません。
そのため、
「保育園では困り感があると言われるが、家庭では特に問題を感じない」
という状況になることがあります。
これは家庭と保育園のどちらが正しいということではなく、
子どもが置かれている環境の違いによるものです。
同年齢の子ども同士の集団の中では、
人との関わり方の調整がより求められるため、
その特徴が表れやすくなるのです。
② じっとしていることや、行動を調整することが難しい
・座っていることが難しい
・待つことが苦手
・思いついたらすぐに動いてしまう
これは、「わざと」ではなく、行動をコントロールすることの難しさとして表れていることがあります。
③ 環境の変化や初めてのことが苦手
・初めての場所でかたまって動けなくなる
・予定の変更で混乱する
・強く拒否する様子が見られることもある
子どもによっては、不安から動けなくなることもあれば、
泣いたり、強く拒否したりする行動として表れることもあります。
これは表れ方の違いであり、その背景には環境への適応の難しさがあります。
④ 指示の理解や言葉の発達がゆっくりとしている
・呼びかけても反応が遅れることがある
・指示が伝わりにくく、繰り返し説明が必要になる
・集団の動きに乗り遅れることがある
これは、理解や認知力の発達がゆっくりであるために起きている様子と考えられます。
ここでお伝えした内容は、あくまで理解のための一つの視点です。
実際の子どもたちは、これらの特徴がはっきりと分かれているわけではなく、いくつかが重なり合っていることも多くあります。
大切なのは、「どの分類に当てはまるか」を考えることではなく、
その子どもがどのように世界を理解し、どのような場面で困りやすいのかを理解することです。
その理解が、適切な支援につながっていきます。
この後の記事では、それぞれの困り感について、もう少し具体的に、
・なぜそのような様子が見られるのか
・どのような関わりが支援につながるのか
を、現場での視点からお伝えしていきたいと思います。
まずは、
① 人との関わり方に特徴が見られる
場合について、こちらの記事にまとめています。
ぜひ、お読みください。
