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① 人とのかかわりに特徴が見られる場合― 保育園では問題があるのに、家庭では困らない理由 ―

前回、発達が気になる子どもたちを理解するための4つの視点をお伝えしました。

今回はその中の①、
**「人とのかかわりに特徴が見られる場合」**について見ていきます。

特に、保育園とのギャップが生まれやすいテーマです。


園では困っていると言われるのに、家では問題がない

保育園では、

「お友だちとのトラブルが多いです」
「特定の子に強く関わりすぎてしまいます」

といった話を聞くことがあります。

しかし、家庭ではそのような様子がほとんど見られないこともあります。

家では普通に会話ができる。
家族とは穏やかに過ごせている。

そのため、

「本当にそんなに問題があるのだろうか」
「園の環境が合っていないのではないか」

と感じる保護者の方も少なくありません。

これは、とても自然な感覚です。


なぜ園と家庭で様子が違うのか

家庭では、大人が中心の関係になります。

大人は子どもの様子を読み取り、自然に合わせています。
会話のペースも、距離感も、子どもに合わせて調整されています。

一方、園では同年齢の子ども同士の関係になります。

相手も自分の気持ちやタイミングを持っています。

そこでは、

・相手の様子に気づく
・距離を調整する
・関わり方を変える

といった力が求められます。

この「調整」の部分に難しさがあると、集団の中で困り感が表れやすくなります。


友だちとのトラブルが多い子どもの場合

家庭では落ち着いて過ごせているのに、園では衝突が多い。
この場合、園と家庭のギャップはさらに大きく感じられます。

園での行動が落ち着かない理由の一つが、「刺激の多さ」です。

保育園や幼稚園は、子どもたちの声や動きが絶えずある環境です。

誰かが走り、笑い、泣き、呼びかける。
常に周囲から多くの刺激を受けています。

友だちへの関心が強い子どもにとっては、これは非常に刺激の多い環境です。

刺激が多いと、子どもは家庭にいるときよりも興奮状態になりやすくなります。

興奮状態になると、

・普段は我慢できていることが難しくなる
・順番を待つことができなくなる
・言い方が強くなってしまう

といったことが起きやすくなります。

それがトラブルのきっかけになることもあります。

家庭で問題が目立たないのは、
園よりも刺激が少なく、落ち着いていられる環境だから、という可能性があります。

この場合、その子が抱えている問題の本質は、『友だちとのかかわり方が難しい』ではなく、『周囲の環境に影響されやすい』ということなのかもしれません。


園の対応を責めたくなったとき

園でトラブルが多いけれど、家では落ち着いている。

そのようなとき、園の対応を責めたくなる気持ちが生まれることもあります。

しかし、まずは環境の違いを踏まえて考えることが大切です。

家庭と園では、求められる力も、受けている刺激も大きく異なります。

子どもは、その環境の中で精一杯やりくりしようとしています。

園で見られる姿は、「できない」ということではなく、
「集団の中で調整することがまだ難しい」という状態なのかもしれません。


「関わりが少ない」子どもにも、背景はさまざま

一方で、友だちとの関わりが少ないことが心配になる子どももいます。
これには大きく二つの背景が考えられます。

一つは、人への関心が薄く(あるいは薄いように見え)、一人で遊ぶことを好む子どもです。
これはASD(自閉スペクトラム症)の傾向がある子どもによく見られる姿です。

もう一つは、本当は人と関わりたいけれど、不安が強く、受け身になって一歩引いてしまう子どもです。

状態像は似ていても、背景は異なります。

どちらの場合も、大人が仲立ちをして関わりのきっかけを作ってあげることが有効です。

ただし、不安が強いタイプの場合は、無理に関わらせるのではなく、本人の負担にならないように配慮することが大切です。

人への関心が薄いタイプの子どもは、関わり方が分かってくると、少しずつ交流が増えていくことがあります。

大人が、友だちとの関わり方のお手本を示してあげるイメージです。


次回は、
②「じっとしていることや、行動を調整することが難しい場合」
について見ていきたいと思います。

行動の調整の難しさもまた、園と家庭の差を生みやすい問題です。

続けて読んでいただければと思います。


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