仕事における嫉妬は、なぜここまで厄介なのか
仕事の現場で起きる感情の中で、
最も扱いづらく、しかも破壊力があるものの一つが「嫉妬」だと思っています。
憧れや目標は健全です。
「ああなりたい」「あの水準に近づきたい」という感情は、人を前に進めます。
一方で、嫉妬は何も生みません。
むしろ、確実に何かを壊します。
しかも仕事における嫉妬は、とにかく巧妙に隠される。
本人も周囲も「嫉妬だ」と認めたくないからです。
その結果、
・なぜか噛み合わない
・理由は説明できないが、違和感がある
・論点がズレた批判が出てくる
こうした現象だけが残り、
「何が問題なのか」が見えなくなります。
嫉妬は、論理を装って現れる
仕事の嫉妬が厄介なのは、
感情のまま出てこない点です。
「それはやり方が違う」
「本質的じゃない」
「組織としてどうなのか」
クライアント企業を見ていても、
このような発言やニュアンスはところどころに出てくることがあります。
一見すると、ロジカルに聞こえる言葉をまとって現れます。
しかし、その根っこにある動機が嫉妬であれば、
論理は必ずどこかで歪みます。
その歪みを、人は言語以前のレベルで感じ取ります。
人は理屈で動く前に、
まず「空気」「温度」「引っかかり」を感じる生き物です。
いい人かどうか、正しいかどうか以前に、
「なんか変だな」という違和感は、意外と正確です。
嫉妬は、自分の器を確実に小さくする
嫉妬に囚われた瞬間、
人の視野は一気に狭くなります。
・相手の成功が気になる
・評価の差が気になる
・自分がどう見られているかが気になる
結果、判断基準が「自分軸」から「他人軸」にずれます。
これは、仕事においては致命的です。
だから私は、
「嫉妬を感じたら、一歩引いて俯瞰する」
ことを強く意識しています。
ほとんどの人が嫉妬を感じている状況では、
認めたくないので顕在化できないのですが。
しかし、その感情からは、大至急で脱した方がいい。
放置しても、熟成しても、良い方向には進みません。
私にも、嫉妬はある
誤解のないように言えば、
私自身、嫉妬がゼロな人間ではありません。
ただ一つ、はっきりしている傾向があります。
それは、
「到底かなわない人」
「圧倒的な実績を出している人」
に対しては、嫉妬が生まれやすいということです。
一方で、
・少し上
・一歩先
・半歩先
このポジションにいる人には、
ほとんど嫉妬を感じません。
なぜなら、その人たちは
モデリングの対象になるからです。
「ああ、こうやればいいのか」
「この距離感なら再現できそうだ」
嫉妬ではなく、設計図として見られる。
ダメだと感じるところも反面教師にできる。
しかし、時には、ぞんざいな対応を受けることもある
現実には、
その一歩先にいる人から、
認められないこともあります。
場合によっては、
ぞんざいな扱いを受けることもある。
でも、だから何だ、と思っています。
そこで恨みや反発に変換した瞬間、
また自身の器は小さくなる。
むしろ、
その人ごと温かく包み込めるくらいで、
ちょうどいい。
器は、勝ち負けで広がるものではありません。
受け止め方で広がります。
指摘すべきことと、流すべきこと
もちろん、
重大な問題や明確なトラブルに
目をつむる必要はありません。
改善提言は、するべきです。
ただし、
それが嫉妬由来の苦言であれば、
周囲には必ず違和感として伝わります。
なぜなら、
嫉妬はロジカルではないからです。
正論に見えても、
動機が歪んでいれば、説得力は持ちません。
自分に問いを向ける
最後に、一つだけ。
今、自分が感じているその違和感は、
本当に「課題」なのか。
それとも「嫉妬」なのか。
一度、自分に問いただしてみてほしい。
人は、人間である前に動物です。
感情をゼロにはできません。
だからこそ、
感情に飲み込まれず、
俯瞰できるかどうか。
それが、仕事における
本当の成長ラインだと、私は思っています。
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