他者の熱意が心に響くということは
「書かない」ことが、最大の応援になると思っていた。
こちらのエントリー作品を読んだ、今年の創作大賞においては。
少なくとも、私が「書く」ことは、応援にはならないだろうと。
理由は書かない。
書かないけれど、そう思っていたから、感想文も何もかも、書かないつもりでいた。6月の路地裏の回収期間が創作大賞の募集期間に重なっていることは知っていても、何かを書くことはやめることにしていた。
すでに多くの人が応援し、感想を書いている事実の中で、私が書くことは、求められているわけでも必要なことでもない。
書かなくても、この世に何も問題はない。
私は私に嘘がつけなかったし、ついたとしても、読んでいる人には、その嘘はバレるだろうと思っているから。
感覚的な話だけれど、嘘はバレるし、書けば文章にはそれが滲む。
滲ませずに書くことができる人もいるかもしれないけれど、あいにく私にそんな器用さはない。
自分でも嘘と気がついていない場合は別かもしれないけれど、どれだけ綺麗に書いたとしても、文章に紛れた嘘は見抜かれる。
読み手に誤魔化しは効かないと思う。
飾って隠してしまうことはできるのかもしれないし、そのほうが多くの人に読んでもらえるのかもしれない。わからない。
わからないけれど、それは少なくとも、私が書きたい文章ではないし、読んでほしいことでもないし、私にとっての「ほんとう」のことからも外れてしまう。
それは、私の望むところではない。
届けるならば、伝えるならば、拙くとも、「ほんとう」のことを。
「嘘」は、残らないと思っているから。
***
ここで一旦、全く別の話を挟むことを許してほしい。
創作大賞期間の裏(?)にあった66週ライラン企画だ。
この企画があったからこそ、私は今年の創作大賞を心穏やかに過ごせたと言ってもいい。
この企画、裏メニューとしてお題が用意されている。毎週ひとつのお題があり、今のところお題に沿って、私は週に1本記事を書いている。
このお題たちは、いい意味でちょっと怖い。考えていると、等身大の自分、みたいなものが引きずり出されるのだ。
結果、毎週毎週、思ってもみない自分が出てくる、のだが。
このところ、少しだけ気がついたことがあって。
大変残念なことに、私は私が思っていたよりマイペースで、我が強い、ということである。あと頑固。
「三つ子の魂百まで」とはよく言ったもので、子供の頃からそういえばそうだったね、と思うことがゴロゴロ出てくる。
……正直、あまりにも変わってなくて、ちょっと怖い。
閑話休題。
で、若干ドン引きしつつも自分と向き合い続けて、ふと、思い出したことがあった。
やさしく、冷静に見えて、そのくせ情熱のかたまりのようだった人のことを。
表に出ることを望んではいないのに、「仕方がない」と諦めながら、それでも厭わずにやり続けていた。
そうして同じくらい、地味なことにも手を動かしていた。
人の熱意が、人の心の琴線にふれるということが、どういうことか。
その人に教わったことを。
今はもう、会うこともない。会えることもない。
ないけれど、あの時過ごした時間は、交わした言葉は、「嘘」ではなかった。
あれはたしかに、少なくとも私にとって、「ほんとう」のことだった。
人生のうちで、もう二度会うことはできない人とというのは、確かに存在する。
ただ、会うことはなくなったからといって、交わした言葉が、もらった熱意が、なかったことにはならないのだと。
人の心の、琴線にふれるということ。
響くということ。
何かを、震わすということ。
それは、とても繊細で、慎重に、けれど確かにある音を届けるようなこと。
その熱意が、想いが、消えるかどうかは、わからない。
残るかどうか、私にはわからない。
それでも。
人の想いは、続いていくものだと思う。
目の前の人の心に響かせることができずに、何が書き手か。
私にはそれだけの技量も、能力もあるわけではない。
言えたことじゃない。
けれど、「できないかもしれない」とわかっていても、届けたいと思い、届けと願う心が、人の想いを飛ばし、響かせ、遠くまで流れていく。
きっと、願われるような文章ではないことは、知っている。
これは求められていることでも、必要な文章なわけでもない。
それでもなお、いつか誰かに、届くといい、とも思う。
書くことも書かないことも、どちらを選んでも自由の中で。
書こうとする人が、書きたい人が、筆を折らずにすむように。
願う人が、必要としている人がいる限り。
どうか、多様なままで在れますように、と。
すべては、フィクションだから。
(了)
▼夏といえば思い出す1本。冷やし中華が食べたい気温。
ちなみに、春はサクラ、冬はおでんです。秋は、なんでしょう?たこ焼きになるんだろうか。
なお、サクラとおでんが気になる方はこちらをどうぞ↓
まだ在庫あるのかな。
▼そういえば、なぜか読まれている話。不思議。ありがとうございます。
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