音楽を「わからない」と思っていたのに、指笛を練習していたら沼に落ちた話|#指笛ドキュメント 前日譚とその後
音楽は、「わからない」と思って生きてきた。
子どもの頃、本を読むことはあっても、音楽を聴くことはあまりなかった。
習い事の定番として、ピアノ教室に通ったこともなかった。
「音楽を聴く」という習慣そのものが、生活の中になかったのかもれない。
だからだろうか、学校で友達が前日に観たテレビの歌番組の曲について盛り上がっていても、話に入れたことはほとんどなかった。
「あのバンドかっこいいよね!」と、どれだけ熱く語られても、うまく話にのることはできなかった。
その情熱が熱いということはわかっても、そのおもしろさはわからないままだった。
そして、結果として、音楽の楽しみ方はほとんど知らないまま育った。
当時の私は、それで別に困らなかったのだろう。
厳密には、友達と共通の話題がない、という困りごとはあったけれど、それ以上に、音楽はわからなかった。
わからないものをずっと聴いていることのほうが、苦痛だったのかもしれない。
***
そんな人間でも、転機はいくつかあって。
生活の中に少しずつ、音楽は出たり入ったりしていた。
そうして今年、また別の転機がやってきた。
なんの因果か、気がついたらいつの間にか、指笛を練習していた。
まさかこの歳になって、こんなにもせっせと、鳴るかもわからない指笛を練習する日が来るとは、思ってもみなかった。
何せ、音楽の素養はまるでない。
ただ。
案外、これがおもしろかった。
指笛は、自分の身体を楽器にしている。
ゆえに、練習中は、ただひたすらに自分の身体と向き合うことになる。
姿勢、手の向き、指の形、どこまで指を入れるのか、舌の使い方……etc.
語り始めたらキリがない。
求めることは、ただ一つ。
どうやったら、鳴るのか。
それだけを探して、ほぼエンドレスで試行錯誤している。
だからこそ。
鳴った瞬間が、めちゃくちゃおもしろかった。
高揚感、という言葉は、こういう時に使うのかもしれない。
(↑この記事を執筆している7/18の現時点で、一番綺麗に録音がとれた回。)
まず、自分で思っているより、だいぶ音量が大きい。
体感で、ものすごく響く。
まるで、耳元でホイッスルを思いっきり吹いたみたいな感じになる。
そして、明らかに口笛とは音の出方が違う。
なんというか、息の流れる箇所が、口笛とは異なるのだ。
まだうまく説明できないけど。
余談だが、指笛の音を試しに音程チェッカーというアプリで測定したら、hihihihiC(C8, 4,238Hz)くらいの音が出ていた。
それがどれくらい音が高いのかまったくピンとこなかったので、調べたら、フルートより1オクターブ高い音域を出すピッコロの最高音と同じくらいだった(ピッコロの最高音は約4,000Hzらしい)。
人体、すごい。

今はまだ、安定して鳴らせるわけではない。
日によってまるでコンディションが異なるので、鳴らない日は、それこそ全然鳴らない。
けれど、自分の身体に向き合って音を奏でるのが、こんなにもおもしろく、楽しいことだとは知らなかった。
音楽は、「わからない」と思って生きてきたのに。
指笛って、おもしろい。
人生、いつ何時、何が起こるか、本当にわからない。

本編はこちら↓
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