これって倦怠期?それとも価値観のズレ?|10分で見分ける3つの質問
「きっと倦怠期。マンネリなだけ。時間が経てばまた戻るはず」。
そう自分に言い聞かせた夜を、何回くり返したでしょうか。
彼は、変わらず優しい。
でも、前ほど気を遣われていない気がする。
「了解」「今日は遅くなる」。
LINEが、だんだん業務連絡みたいになっていく。
良く言えば、気を許してくれている。悪く言えば、雑になった。
なんか私たち、老夫婦みたい。結婚もしてないのに。
デートのお店をいつもと違うところに変えてみた。
思い切って髪を切ってみた。彼は、気づかなかった。
今まであまり着てこなかった服のテイストに挑戦してみた。
彼の好みかもしれない、と思って。
……「最近どうしたの」と聞きかけて、やめた。
それでも、あの頃の感じは戻ってこない。
会う前の日、胃のあたりが少し重い。
会えばそれなりに楽しくて、「やっぱり、関係が落ち着くとこんな感じかな?」と思う。
帰り道、ふぅ、と短く息をついて、そのまま真顔に戻る。
これは倦怠期なのか。それとも、価値観のズレなのか。
見分けがつかないまま「待つ」を続ける時間が、いちばんしんどい。
しかも、その「待つ」には、たぶん期限がありません。
今日は、この見分けを10分でつける、3つの質問の話をします。
倦怠期と価値観のズレは、待っても見分けがつかない
「倦怠期なら、待てば戻る」。これは半分だけ本当です。
倦怠期は、ふたりの間の刺激が減って、いわゆるマンネリになった状態です。
だから、時間や環境が変わると戻ることがあります。
一方で、価値観のズレは時間では消えません。
将来の話が増えるほど、むしろはっきりしてくるものです。
厄介なのは、この2つが渦中ではほとんど同じに見えることです。
前ほど楽しくない。会話が減った。なんとなくしんどい。
表に出てくるものが同じだから、外側をいくら眺めてもどちらなのかが分かりません。
もうひとつ、「待てば戻る」を後押ししているものがあります。
あの頃の記憶です。
人の記憶は、出来事をぜんぶ平らには覚えていません。
いちばん感情が動いた瞬間と、いちばん最後の場面を、強く残します。
心理学でピーク・エンドの法則と呼ばれる仕組みです。
だから、付き合いはじめの「いちばん幸せだった瞬間」は、色鮮やかに残っています。
「戻りたい」「戻れるはず」と信じている戻り先が、その少し明るく保存された「あの頃」だとしたら……
あのときの感じは、彼ではなく「付き合いはじめ」という特別な時期のものです。
あの頃に戻ることは、ありません。
あなたが頑張って取り戻せるものではありません。
もう過ぎた、別の季節なんです。
少し残酷かもしれませんね。
ただ、戻り先がないことと、この関係に先がないことは、別の話です。
これから見分けます。
私の話を少しだけ。
27歳で婚約を破棄したとき、私の違和感は、待っている間には形になりませんでした。
形になったのは、結婚の話を具体的に詰め始めてからです。
住む場所のこと、仕事を続けるかどうか。
話を具体的に進めるたびに、「合っていない」のほうがどんどんはっきりしていきました。
相槌を打ちながら、自分の顔から笑顔が消えていく感覚。
私は「彼が悪いわけじゃない。私が合わせられないだけ」と、毎晩自分に言い聞かせていました。
いま思えば、確かめ方を知らなかったんです。
「待つ」に、終わりはありません。
でも、確かめるのは10分で終わります。
紙かスマホのメモを出してください。
3つの質問で見分ける(10分)
質問1|グラフにすると、どんな形?(5分)
この質問だけ、少し手を動かします。
付き合いはじめから今までの気持ちの動きを、1本の折れ線グラフにして、その形を見ます。
横の線を「時間」にします。左が付き合いはじめ、右が今。
縦の線を「幸福度」にします。下が0点、上が10点。
月ごとに、ざっくりで大丈夫。
「この月は7点くらい」「ここでガクッと下がった」。
思い出すまま点を打って、線でつないでください。
見るのは点の高さより、線の形です。
形は、だいたい2つに分かれます。
A:下がる月はあるけれど、また戻ってくる月もある
B:ある時期から下がったきりで、上向く気配がない
Aなら、倦怠期寄りです。下がっても持ち直す力が、まだこの関係の中にあるということだからです。
Bなら、価値観のズレ寄りです。
どちらも、まだ「寄り」です。残りの2つで確かめます。
質問2|話して、戻った経験はある?(2分)
これまでに一度でも、気持ちを伝えて、関係が持ち直した経験はありますか。
「最近ちょっと寂しい」でも「もう少しふたりの時間がほしい」でも、小さなことで十分です。
戻った経験があるなら、倦怠期寄りです。話せば動く余地が、ふたりの間にまだあります。
話しても数日で元どおりなら、価値観のズレ寄りです。
その話題をそもそも出せない人は、出せない理由も見てみましょう。
「言っても変わらない気がする」なら、それも立派な答えです。
その予感は、あなたがこれまで小さく試しては戻されてきた、積み重ねの記録だからです。
価値観のズレ寄りに数えてください。
「切り出すのが、ただ怖い」なら、まだどちらとも言えません。
質問3を重く見てください。
質問3|その譲れないもの、この先も大事にできる?(3分)
あなたが人生で譲れないものを、ひとつだけ挙げてください。
結婚の時期でも、お金の使い方でも、休日の過ごし方でも、働き方でも。
ひとつに絞れなければ、最初に浮かんだものでかまいません。
そのひとつを、この関係を続けたまま、大事にしていけそうですか。
大事にしていけそうなら、倦怠期寄りです。譲れないものの土台は、共有できています。
どうしても無理がありそうなら、価値観のズレ寄りです。
いま感じているしんどさは、退屈というより、その無理かもしれません。
答えは、2択じゃありませんでした
3つの答えを、並べてみてください。
倦怠期寄りが多かった人へ。
戻る余地があります。
刺激が減っただけで、土台は合っている。
ふたりの時間の作り方を変える、話す機会を意識して作る。
そこから持ち直していく関係はあります。
ただ、「戻れるはず」は、まだ予想。
試してみるまでは分かりません。
それでも今夜からは、待つかわりにさっきの2つを試せます。
ただ待っていた昨日までとは違います。
価値観のズレ寄りが多かった人へ。
「私のわがままかも」と、何ヶ月も思ってきたかもしれません。
でも、譲れないものが違うのは、我慢で解決できる問題ではありません。
ふたりとも真摯に付き合っていて、それでも方向が合わない。
そういうことは実際起きます。
そして、ズレが見えても、それだけで別れが決まるわけではありません。
見えた上で、譲れないものを並べ直して、続けることを選ぶ人もいます。
どちらに進むにしても、見えていることが出発点になります。
そして、質問3だけ「できそう」と答えた人へ。
譲れないものは、この先も大事にできそう。
彼も、変わっていない。
それなのに、話しても戻らないし、グラフは下がったきり。
大事にできるはずなのに、気持ちだけがじわじわ下がっていく。
それには、倦怠期とも価値観のズレとも違う、3つめの名前があります。
愛し方の不一致です。
彼は彼なりに、たくさん与えてくれているんだと思います。
でも、その愛し方をうまく受け取れない。
「彼が悪い」でも「私が贅沢」でもなく、ただ、合わない。
そういうことがあるんです。
「与えられた量」と「私が受け取れた量」は、別のものです。
受け取れない自分を責める夜が長かった人ほど、この名前を覚えて帰ってください。
答えが割れた人へ
3つの答えが、きれいに揃わなかった人も多いと思います。
「グラフはAなのに、質問3は難しそう」など。
割れたときは、質問3を重く見てください。
会話やテンションは、月ごとに変わります。
でも、譲れないものは、関係の土台です。
土台がグラグラしていたら、上に何を乗せても揺れてしまいます。
質問3で「難しそう」と答えたなら、それは倦怠期の顔をした価値観のズレかもしれません。
グラフに波があると倦怠期に見えます。
でも揺れているのは、実は土台です。
この組み合わせが、いちばん見分けにくくて、いちばん長引きます。
質問3で「できそう」と答えたなら、見るところがふたつあります。
話す機会そのものが減っているだけなら、直せる場所ははっきりしています。
減っているのは気持ちより、機会です。
話す機会はあるのに戻らないなら、さっきの3つめ、愛し方の不一致のほうをもう一度読んでみてください。
10分の質問で、何もかもが決まるとは言いません。
それでも「これはどっちなんだろう」は、「たぶん、こっち」に変わりました。
質問1|グラフにすると、どんな形?(波あり/下がったきり)
質問2|話して、戻った経験はある?
質問3|その譲れないもの、この先も大事にできる?
この3つは、また揺れた夜に、何度でもやり直せます。
保存しておいて、迷ったらまた戻ってきてくださいね。
見分けは、決断じゃない
今夜、どちらかに決める必要はありません。
見分けることと、決めることは、別の段階です。
ただ、見分けがつくと、次の問いが順番にやってきます。
倦怠期寄りだった人は、何を試して、いつまでに、どこで判断するか。
価値観のズレ寄りだった人は、その譲れないものは本当に譲れないのか、決め手をどう言葉にするか。
愛し方の不一致だった人は、受け取れない自分を責めるのをやめて、そのうえでどう答えを出すか。
この「次の問い」の進み方を、30日の手順にまとめています。
あなたの迷い方のタイプに深く効く回も、最初の自己診断で分かるようになっています。
今日の3つの質問は、その5日目にやることの縮小版です。
本編では、グラフの読み方から「決め手を自分の言葉にする」ところまで、順番に進みます。
急がなくて大丈夫。
今夜はまず、自分のしんどさに名前がついたところまでで、十分です。
そもそも「決められない」自体が長引いている気がする人へ。
迷い方そのものに名前をつける、8タイプ診断も書きました。3分でできます。
続けるか、卒業するか。この恋の答えは、自分で出す。
――『別れる勇気の教科書』
決められないまま続いた恋に、自分の答えを出す30日。
8/21(金)に公開します。
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(『別れる勇気の教科書』は、公認心理師が内容を確認しています)
夜中2時に、ふと思い出してくれたらうれしいです。
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ここに書いているのは、私が20代で何度も間違えたことと、そのあとで学んだことです。もし、少しでもあなたの助けになれたなら、応援いただけるとうれしいです。