見出し画像

コンサル業界で増える「高級文房具」、きれいなパワポのお値段は?

この記事は、2025年6月11日初出のテキストの転載です。

需要が増える一方、昔からコンサルへの不満はよく耳にします。最近ではコンサルの「大衆化」や「俗化」といった言葉も出てきています。

理由の一つとして、コンサルの人数が増える中、「高級文房具」も増えていることがあげられそうです。

別にブランドものでなくても、文字を書くだけならノベルティのボールペンで十分ですよね。主にきれいな資料づくりしかできないようなコンサルを揶揄して言うそうです。

なぜ高級文房具が生まれてしまうのか。株式会社K.I.D.S.の吉江彰洋に聞きました。

●「きれいなパワポ」は企業の利益になるか?

——なんで「高級文房具」が増えているんですか?

コンサル増加の背景には、「働き方改革」や「コンプラ重視によるリスク回避傾向」などがあります。

つまり、社員を働かせられないので、リスク回避のための情報整理がコンサルに回ってきているということです。

結果として見栄えする資料(パワポ)をつくるだけの、「高級文房具」や「高級筆記用具」と揶揄されるような人材が増えています。

直接的には依頼者の利益を増やすことにつながっていないので、批判も多いということではないかと思います。

●「少ないデータで利益を出す」が本来の仕事

——それでもコンサルに頼んじゃうんですか?

  
これまでも「整理するだけ」のコンサルは批判の対象でした。

ただし今は、企業側としても、内部の労働力を代替する目的が強いので、求める要求があまり高くない。

結果として、「文房具」でも延命できてしまっているのだと思います。

実際、データ集めってやり始めたらキリがないですからね。リスクを極限まで減らそうとしたら、無限に時間がかかります。

ですが、ビジネスにおいて、必要なデータが初期からすべて揃うことはまずありません。揃うのを待っていたら、特にスタートアップなどでは機会損失になります。
  
データが限られている中で、どれだけ依頼者の利益を実現できるか。

自分はこれが我々コンサルの腕の見せどころだと考えています。

●「文房具」にはリスクがとれない

——リスクをとったら、うまくいかないこともあるのでは?

だからこそ、その芽を早く摘まないといけないんですね。ビジネスに100%確実な成功はありませんから。

そのためには依頼者とのコミュニケーションを密にすることが大切です。依頼者側が自走できるよう経営層をトレーニング(≠コーチ)する必要もあるでしょう。

もし実際にインシデントが起きてしまっても、被害をできるだけ小さくして、リカバリーできるよう一緒になって考え、実践します。

そうしたリスクテイクの判断やトラブル対策、信頼関係の構築には、何よりも経験が物を言います。

本を読んだり、きれいなパワポをつくったりするだけでは身につきません。能動的な行動量が重要です。

——「労働力の代替」だと、能動的な行動にはなりづらいかもしれませんね

昨今はAIが凄まじいスピードで進化しています。

ネットや本で手に入るような情報はすぐに整理してもらえますし、なんなら美しいスライドにまでしてくれるようになりつつあります。

その意味では、生成AIは新しい「文房具」、しかも金額的には「そこまで高級ではない文房」ということになるでしょう。

コンサルになったものの、「文房具」状態に嫌気が差して辞める若手も多いと聞きます。危機感の表れと言えるかもしれませんね。

>> K.I.D.S.の詳細・お問い合わせはこちらから

いいなと思ったら応援しよう!