「大丈夫」って言わせてない?熱中症対策“義務化”の裏で現場が抱えるリアル
どうやら来週から梅雨入りをするみたいですね。
「今日もあっついなぁ……」が、もはや挨拶代わりになってきた2025年6月。
そんな中で飛び込んできたこのニュース。厚生労働省がついに動きました。
https://www.mhlw.go.jp/content/001476821.pdf
「企業は熱中症対策を“法律で”講じなければならない」
「暑すぎて笑けてくるわ……」そんな言葉が飛び交う現場で、毎年恒例となった灼熱の夏が今年もやってきます。
でも正直、現場ではまだ法改正と現場の“温度差”があります。ぼくも、登録支援機関として企業様と現場のギャップに何度も直面してきました。
この記事は誰に読んでほしいか?
外で働く作業スタッフを預かる経営者・現場責任者
外国人材を雇用している企業さん
命を守るために、「制度と現場のギャップ」を一緒に考えていきたいです。
ついに義務化された「熱中症対策」現場は追いついてる?
2025年6月、労働安全衛生規則の改正により、企業が講じるべき熱中症対策が具体的に“義務化”されました。
でもね、「義務化されました!」って言われても、「具体的に何を?どうやってやるのん?」ってのが現場の正直な声やと思うんです。
実際、工場や建設、清掃現場にいるスタッフの中には、
「暑さ?まあ我慢したらええんちゃう。みんな我慢してるし。」っていう空気が、まだまだあるんですよ。
実際、屋外作業や空調のない現場では、「水分が自由に飲めない」「日陰がない」そんな状態で、誰かが倒れてからでは遅いんです。
命の重さは、大手も中小も関係ない。 規模にかかわらず、できることから始めなければ。
実際にあったのは、「水分補給は各自で用意してください」の会社。
これ、熱中症が出たら本当にリスク高いです。
義務化の内容、ざっくり言うと?
法改正で企業に求められることは以下のとおり:
WBGT(暑さ指数)の計測
休憩スペースの確保(冷房・日陰)
水分・塩分補給の指導・提供
健康状態チェック
熱中症時の報告体制と対応手順
外国人材への配慮(言語対応、文化理解)
これ、言うのは簡単。でも現場でやるには、段取りも予算も必要。
最近では、空調服の支給を行っている企業も増えています。
やけど、それだけでは万全とは言えません。
「着ていれば安心」ではなく周囲の環境整備と声かけの仕組みが整ってこそ、本当の対策になります。
外国人材に潜む“見えないリスク”
特定技能などで働く外国人スタッフには、以下のような背景が重なります:
日本の湿度に身体が慣れていない
ラマダン中は日中の水分補給が制限される人─真夏のラマダンって考えるだけで過酷……。
「しんどい」が言えない文化的背景
「できます・大丈夫」の裏にある“遠慮”
実際に支援をしている建設業のインドネシア人スタッフがこう言いました。
「断食中なので水が飲めません……」
──実は理解のある会社だった。
この話しを聞いて─会社には理解してもらってるの?と確認すると、
会社の人は最初から理解しようとしてくれていました。
「何かあったら言ってくれれば」と気を遣ってくれたり。でも本人は、周りに配慮は求めない。 自分の方が配慮してしまう傾向があります。
そのインドネシア人スタッフは、
「迷惑をかけたくない」
と考え、自分から無理をしてしまう考えを持っていました。
ラマダンに限らず、普段から「自分が頑張ればいい」と思っているのです。
その“見えない我慢”こそが、熱中症リスクを高めてしまうのです。
「できます・大丈夫です」の裏にあるもの
外国人スタッフの「できます」「わかりました」は、
信頼されたい気持ち
前向きに応えたい文化
恥をかきたくないという心理
などから出た言葉であって、そこに“悪意”はありません。
私たち日本人が、「日本の常識」で相手を判断しないこと。
そして、「伝えた」ではなく「伝わったかどうか」を確認する姿勢こそが、トラブルを未然に防ぐ鍵になります。現場でよくあるのが上司や先輩の「できるよね?」という確認の仕方。
これは確認ではなく“圧力”になってしまい、
「NOと言いにくい空気」
「自信がなくてもやるしかない状況」
を生みます。
その結果、ミスが起きても誰も責任を取れず、本人も落ち込み、周囲との関係が悪化することにつながることもあります。
こうした事態を防ぐには、空気感の変化を“対話”によって生まれます。
「今日の現場で不安なことは何かある?」
「ほんまに大丈夫なん?しんどくなる前に教えて!」
など、“対話”を重視した声かけが重要です。

ぼくも「ほんまのほんまに大丈夫?」と2回目に聞いたときにやっと本音が出てきた…という経験を何度もしています。
登録支援機関の立ち位置として
私たち登録支援機関は“第三者の視点”で、企業と外国人材の間に立ちます。
外国人材が「ちょっとしんどいです」と言える空気をつくる
企業に「こういう支援が必要です」と具体的に伝える
制度の意図を現場に届く言葉に翻訳し、実効性ある支援を提案する
この3つを、熱中症対策でも意識していく必要があると思います。
とくに、外国人スタッフの“言えない文化”や“遠慮”の傾向を踏まえると、
企業側へのコーチング的な関わりがとても大切です。
私たちが支援する現場では「ムスリムだから配慮しないといけない」ではなく「まずは当事者に聞いて、すり合わせていくこと」が共生の第一歩だと感じます。
当事者の声をもとに、どうやって互いに譲歩し合えるのか。
それを対話によって導くのが、登録支援機関の役割だと考えています。
「小さい会社だから」は理由にならない
「うちは小さい会社やから、そこまでできへん」
「熱中症対策?それは大手企業がやることでしょ」
そんな声が現場ではまだまだ聞こえてきます。
でも、実際に熱中症で人が倒れたら、 規模なんて関係ないんですよ。
命の重さは、どこも一緒。
そして、外国人材を雇う現場ほど、
「コミュニケーションが取りづらい」 「体調不良を伝えられない」
そんな“見えにくいリスク”が潜んでいる。
だからこそ、
「ちょっと水分補給してきますね」
「少しだけ日陰で休ませてもらっていいですか?」
そんな一言が、ためらいなく言える空気が、
いま、すべての現場に求められているのだと思います。
企業にとってのデメリットも正直に
違反すれば最大50万円の罰金。 でもそれだけちゃう。
労災認定
報道
社会的信用の失墜
大企業だけの話ちゃいます。
中小企業でも、1人でも倒れたら、影響は大きい。
現場で実行してこそ“本当の対策”
熱中症対策の義務化。 素晴らしい第一歩やと思います。
でもそれを「現場でやってこそ」意味がある。
だからこそ外国人材支援に関わる人にこそ知ってほしい。
「もうちょっと我慢すれば終わるし」 「怒られるくらいなら黙って働こう」そういう“美徳”が、 いつのまにか命を削ってしまう現場になってないか。それを防ぐのが、今回の法改正の本質やと思います。
「自己責任」で済まされてきた現場の常識を、 「制度」と「仕組み」で変えていく。これは外国人材のためだけやないです。 すべての労働者が、安心して働ける職場のために。
そのために登録支援機関も“現場目線”を忘れたらあかん。
そんな想いで、現場に向き合い続けていきたいと思います。
それでは、現場最前線で頑張る皆さん、本日もご安全に!
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外国人材の支援、制度のモヤモヤ、現場のリアル── これからも現場目線で、熱量込めて発信していきます。
── 外国人材、現場からは以上です。
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