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【名古屋市千種区】覚王山アパート営業終了から1年「アムリタ」と「豆*豆」が人気洋食店跡地で再スタート

Yahoo!ニュース投稿記事の保存版

本記事は、2026年2月27日にYahoo!ニュースに掲載された取材記事を再掲したアーカイブです。
当時の現場の様子や関係性を記録したものとして公開しています。
なお、現在の営業状況などは変更されている可能性がありますので、最新情報は各公式情報をご確認ください。

覚王山で20年以上もの間、表現者や高感度な人々を惹きつけてきた「覚王山アパート」
2025年3月、建物の老朽化により惜しまれつつその幕を閉じました。
あれからおよそ1年。
あの場所で時間を重ねてきた2つのお店「古本カフェ アムリタ」さんと、唯一無二のキャラクターで愛される「いつまでも手芸部 豆*豆」さんの2店舗が、同じ建物の1階と2階という偶然とは思えないコンビネーションで再スタートを切りました。

旅する店主が淹れる至福のチャイを味わえる「アムリタ」

かつて人気を博した洋食店の面影を残す1階のこぢんまりとした空間が、店主が新たに構えたお店「アムリタ」です。

店内はカウンター3席にテーブル席が2卓。アパート時代に壁一面を埋め尽くしていた古本は、今のコンパクトな空間には置ききれず姿を消しましたが、店内には、旅を重ねてきた店主の穏やかな気配が漂います。

右下に書かれた「酒もあり」がいいね。昼飲みもOKだそう

「お店を始めちゃったから、もう旅には行けませんね」と水を向けると、「いやいや、そのうちパッと行っちゃうかもよ」と、いたずらっぽく笑う店主。その執着のない軽やかさが、この店の居心地の良さの正体かもしれません。

この日いただいたのは、やはり名物の「チャイ」です。独自配合のスパイスを丁寧に煮出した一杯は、ガラスのコップで提供されます。

このセットに懐かしさを感じる方も多いはず

一口含むと、まず感じるのはスパイスの刺激ではなく、包み込むような「優しい甘さ」。
「ガラス越しに熱さを感じて、手で持てるようになった時が一番の飲み頃かな」
アパート時代から語り継がれるその言葉通り、少しずつ冷めていく過程で、ミルクのコクとスパイスの香りが体温に溶け合うように馴染んでいきます。
添えられた落花生の殻を割り、ポリポリかじりながら、チャイをいただく時間。テイクアウトを希望する声も多いそうですが、今はあえてイートインのみ。この空間で、ゆっくりと移ろう温度を楽しむことこそが、「アムリタ」という場所の醍醐味なのだと感じました。

階段を上がれば、そこは表現が生まれる場所「いつまでも手芸部 豆*豆」

この看板が出ていたら営業中

建物の北側にある外階段から2階へ上がると、パッと目に飛び込んでくる鮮やかな「赤いドア」。そこが、店主ようこさんが営む「いつまでも手芸部 豆*豆(まめまめ)」さんです。

お店の入り口のドアは、覚王山アパート時代、アムリタの勝手口ドアに使われていたものを加工したもの

実はこの上下階での再共演は、思いがけない偶然の産物ともいえるものでした。昨年の秋、アムリタの後藤さんから「1階が空くから見に行かない?」と誘われ、「断る理由がなかった」からと乗っかることにしたそうです。

いろんな人に手伝ってもらって仕上げた内装

以前の4倍もの広さになった店内には、光がたっぷりと差し込み、アパート時代からお馴染みの「ガチャガチャ」も「豆*豆」さん専用機として鎮座しています。

覚王山アパートの2階に置かれていたガチャガチャは「豆*豆ガチャ」として復活
Bリーグのバスケの試合を見に行ったらとても楽しかったのだとか。背番号2番がすごく印象に残っていたから、ガチャガチャにしちゃったのだそう

「ゆくゆくは、作品を置くだけではなくて、作っている姿を見せる場にしたいんです」と店主ようこさん。

三角形の顔は、机の角だった木片。ドアが開かないから切り落とされたもの。「その場にペンキがあったから。なんかいとおしくなる。なんでもかわいく見えちゃう」と店主ようこさん

「物を置くだけだと、売らなきゃっていう気持ちが空回りしちゃう。作っている姿を見て『あ、この人がこうやって作ってるんだ』って感じて買ってもらいたい。作ることっていうのを、見たり体験できるあの『アパート』のような場になればいいかな」

その言葉通り、店内には「へめへめちゃん」をはじめとする愛らしいキャラクターたちが並びますが、そこには常に「人の手」の気配が漂っています。

覚王山育ちの「へめへめちゃん」店主ようこさん曰く「まだこれからも育っていくと思う(笑)」
パン教室のロゴを描いたことが縁で、焼き菓子を置くようになったのだとか

今、静かに進んでいるのは「ヨーヨーキルト」のプロジェクト。直径7cmの丸い布を絞って作るパッチワークの技法ですが、「これで棚の前面を覆いたいんです。目標は4,800個」とSNSで発信したところ、商店街の仲間やファンから次々と手作りのキルトが届いているそうです。

台湾でのイベントを通じて交流する現地の作家さんや、Bリーグ観戦の興奮をそのまま作品にしてしまう瞬発力。店主ようこさんの周りでは、常に新しい「繋がり」と「表現」が生まれ続けているようです。

「余白」があるからこそ、また街は動き出す

「まだまだ余白がいっぱいある。今は本当に楽しい」そう語る店主ようこさんの表情は、期待に満ち溢れていました。
1階でチャイの湯気が立ち、2階ではミシンの音が響く。そんな時間が、あの頃のように、今日も同じ建物の中で流れています。


店舗情報

店名:アムリタ
住所:名古屋市千種区菊坂町2-1 1階
営業時間:11:00~20:00(木曜日は15:00から営業)
定休日:火水
公式Instagram

店名:いつまでも手芸部 豆*豆
住所:名古屋市千種区菊坂町2-1 2階
営業時間:11:00~16:00
定休日:月火水
公式Instagram


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