LIS やわらかな夜の街を走る路面電車。息子に主導権が移った時【スタアラ世界一周旅行㉘】
息子がサクサク調べ、私はついていく
クリスト・レイへ行き、すっかりリスボン観光モードに火がついた私たち。 時刻は17時を回っていました。
地下鉄、フェリーと乗り継いできたからには、やはり「これ」に乗らなければ旅は終わりません。
ついに、路面電車にチャレンジすることにしました。

そして、改札で悪戦苦闘しながら「1日券」を購入したあたりから、息子が旅の行動をリードするようになっていました。
路面電車の乗り方や複雑な路線図も、息子がスマホで調べてくれて、私は「はいはい」と彼の後ろをついていくだけ。いきなり楽になりました、笑。
「15」や「28」といった、お目当ての路線番号が表示された車両が来たら、前方から乗り込みます。
料金はすでに1日券を持っているので、機械にピッとタッチするだけ。

降りたいときは車内にある赤いボタンを押せば、次の停留所で停まってくれるので、後ろのドアから下車します。
ホテルがあるアルファマ地区は、細く急な坂道の両脇に古い建物がぎっしりと並ぶ、ノスタルジックなエリア。
ガタゴト、ガタゴト。
道を歩く観光客に手が届きそうなほどの至近距離を、壊れそうな音を立てて進む路面電車は、迫力満点で最高のアトラクション!
少し前まで私たちがそうしていたように、路面電車が通り過ぎるたび、観光客の皆さんが一斉にカメラを向けてきます。
今までは外から「見る立場」だったのが、今度は車内から「見られる立場」へ。ちょっと手を振ってみたりするのも、たまらなく楽しい〜。
ノスタルジックなアルファマ地区をガタゴト
あっという間に目的の停留所に到着。
物足りなさを感じつつも、日が落ち始めていたので「そろそろホテルに戻ろうか」と言いかけたら、息子がもっと乗りたいと。
もちろん、断る理由なんてありません。
あてもなく、好きなだけ路面電車に揺られてやろう!
再び乗り込んだ路面電車がアルファマ地区の坂をぐんぐんと登っていくと、眼下にテージョ川を一望できる高台のエリアへと出ました。
私たちが歩き回っていた川べりとは打って変わり、とても落ち着いた住宅街の雰囲気が漂っています。
そこから電車がゆっくりと坂を下りはじめると、今度はお洒落なレストランや、夜の街を散歩する人々で賑わうエリアへと入っていきました。

柔らかい明かりに包まれた、リスボンの夜
普段の旅先では、夜遅くに出歩くことはほとんどない私たちなのに、夜の路面電車がとにかく楽しくて、降りるタイミングを完全に失ってしまっていました。
しかし、さすがに賑やかな中心エリアを抜けると、窓の外は人っ子ひとりいない静まり返った景色へと変わっていきます。

気づけば車内からも乗客がいなくなり、不安が押し寄せてきました。息子に頼り切っていましたが、14歳の子どもを守るのは母親の役目。
リスボンの街明かりにうっとりしている場合ではありません。
ハッと我に返り、足早にホテルへと帰ることに。

路面電車の車内は安心感がありましたが、停留所からホテルへと向かう道中、車も通れないような暗い脇道を通らなければならず、ちょっとハラハラしました。
ニューヨークやチューリッヒでは全くといっていいほど観光をしませんでしたが、今日は午後からフェリーに乗ったり、夜遅くまで路面電車に揺られたりとアクティブに行動。
明日の朝、もう一度あの美しい朝日を拝みたいところですが、朝早くに次の目的地へと向かわなければなりません。
「もうちょっとだけ、この街に滞在したかったな……」
そんな風に少し後ろ髪を引かれるくらいが、旅の思い出としてはちょうどいいのかもしれませんね。

