クランプで挟むだけ。着脱式ピエゾピックアップを作った
はじめに
「エレキギターやエレキベースを、もっとアコースティックっぽく鳴らせないか?」
そんな発想から、クランプで挟むだけで使える“着脱式ピエゾピックアップ”を作ってみました。
通常のピエゾPUは、楽器に埋め込んだり、シールで貼り付けたりして使うことが多いですが、今回はクランプ構造を利用することで、
楽器を加工せず使える
着脱が簡単
クランプ圧で音色調整できる
という、かなり面白いものになりました。
特に試作中に発見した「締め込み具合で音が変わる」という特性が予想以上に面白く、最終的には2種類のピエゾをブレンドできる改良版まで制作しました。


ピエゾピックアップとは?
ピエゾピックアップは、「物体の振動」を電気信号へ変換するタイプのピックアップです。
一般的なマグネティックPUは、弦など磁性体の振動を中心に拾いますが、ピエゾPUはボディや木部の振動まで収音できます。
そのため、
胴鳴り
木の響き
空気感
生っぽさ
といった、マグネティックPUとは違う質感を加えられるのが魅力です。
なぜ作ろうと思ったのか
以前の記事でもピエゾピックアップを試したのですが、改めて感じたのは、
「楽器そのものの鳴り」が録れる面白さでした。
最近ではAmazonなどで非常に安価な貼り付け式ピエゾも手軽に購入でき、シールで貼るだけですぐ試せます。
ただ実際に使っていると、
「もっと簡単に着脱できたら面白いのでは?」
と思うようになりました。
そこで、
「クランプで固定すれば、着脱式ピエゾが作れるのでは?」
という発想から今回の制作を始めました。
1号機 ― とにかく“はさんで使える”ものを作る
まずは実験として、シンプルに「クランプで固定できるピエゾ」を作ることにしました。
小型クランプの先端へピエゾ素子を取り付け、ボディへ直接クランプする構造です。
すると予想以上にしっかり収音でき、
「これはかなり面白いかもしれない」
と感じました。
さらに試していく中で、クランプの締め込み具合によって音色が大きく変わることにも気づきました。
締め込み具合による音の変化
緩め
表面付近の振動を拾いやすい
高域寄り
軽やかで繊細な音
強め
深部の振動を拾いやすい
低域が増える
太く胴鳴り感のある音
まるでEQを変えているようにキャラクターが変化し、この発見が改良版制作の大きなきっかけになりました。
改良版 ― “ブレンドできる”クランプ式ピエゾへ
改良版では、
表面振動を拾う貼り付け式ピエゾ
深部振動を拾うクランプ側ピエゾ
の2系統を搭載し、それぞれ独立して音量調整できるようにしました。
コントロールには2軸2連ポットを使用し、2種類の振動成分をブレンドできる仕様にしています。
例えば、
表面側を強調
→ アタック感・空気感が増す深部側を強調
→ 低域・胴鳴り感が増す
といった具合で、かなり幅広い音作りが可能になりました。


なお、2軸2連ポットの配線は今回もいつものリペアマンさんに助けていただきました……!
比較音源
Squier XII と Tascam Model 12 を使用し、各PUの比較音源を録ってみました。
指弾きで演奏しています。
特に、
高域の出方
胴鳴り感
空気感
アタック感
あたりを聴き比べると違いがわかりやすいと思います。
まとめ
今回作ったクランプ式ピエゾピックアップは、
着脱が簡単
楽器加工が不要
クランプ圧で音色変化を作れる
マグネティックPUとは違う質感を得られる
という、かなり面白いものになりました。
特に、通常のマグネティックPUだけでは出しづらい、
生っぽさ
空気感
胴鳴り感
を加えられるため、音作りの幅がかなり広がると感じています。
また、「はさめるものなら何でもピックアップ化できる」という自由さも、この方式の魅力かもしれません。
使用上の注意
【過度な締め付けに注意】
特にアコースティックギターやホロウボディ楽器では、クランプ圧による破損の可能性があります。
【塗装への影響】
長時間装着すると塗装を傷める可能性があります。
【免責事項】
本記事を参考にした製作・使用による破損や事故等については責任を負いかねます。自己責任でお願いします。
