笑えないのに、ちょっと笑える初めての出産|夫がポンコツすぎた話
はじめての出産は、23時間。
もっと長い人がいるのは知っているけれど、
私にとっては長すぎる戦いだった。
しかもその間、
陣痛だけじゃない。
吐く。
ひたすら、吐く。
「陣痛=痛み」だと思ってた私、
完全に認識が甘かった。
痛みのたびに吐いて、
気づけば
5〜10分おき × 23時間。
後半はもう、
耐える
→ 気絶みたいに寝る
→ 叩き起こされる
の無限ループ。
正直、
人間の限界を見た。
そして、やっと出産。
……なんだけど。
感動?達成感?
そんなの、1ミリもない。
ただひとつ、引っかかったこと。
「あれ、あまり泣かないな」
この違和感が、あとで
NICUにつながる。
そして、夫が、ポンコツすぎた。
車の運転ができなくて、
義父に送ってもらうことになっていた夫は、
夜が老け込む前、早めに病室に来て、
ベッドで寝ていた。
私はソファーでもがき苦しんでいた。
そして、深夜2時。
私の子宮口が
一気に8cmまで開いたその瞬間。
……いない。
コンビニで夜食を購入していた。
いや今???
さらに戻ってくるも、
病院の入口が夜間ロック。
インターホンで名乗る夫。
なぜか
私の旧姓を名乗る。
「本当にご家族ですか?」
そりゃ止められる。
やっと入れたと思ったら、
私のいない病室で——
おにぎり3個、完食。
いや食べるな。
分娩室でも、
彼はただの
置物。
助産師さん
「パパ、お水取ってあげて!」
……動かない。
ついに怒声。
「あなたがパパでしょ!?
他に誰がいるの!!」
極限状態の私に、
何度もかけてくれる言葉。
「大丈夫?大丈夫?」
痛すぎて返事ができないし、
吐いてるし、大丈夫じゃないし、
そんなに何回も聞くな。
そして極めつけ。
子どもがNICUへ搬送される、
という説明のあと。
夫の一言。
「で、なんだって?」
……全部聞いてたよね?
今思い返しても、
カオスすぎる出産だった。
でも。
確かにこの日、
私は母になった。
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