【みんなのことば帳】誰かの秘密ー卵焼きー
本のページから、知らない誰かの秘密が落ちてきた。
返却された本を棚に戻そうとしたとき、
ページのあいだから一枚の紙が落ちた。
そこには、短いひとことが書かれている。
それを読んだ数秒を、あなたのことばで書いてみてください。
『実は、甘い卵焼きは苦手なんだ』
細い筆跡が青い便箋に踊っていた。
この一言の為にどれだけ躊躇し、どれだけ勇気を込めたのか。力尽きたように、たった一言。
思わず笑ってしまってから、誰に弁解するでもなく、分かるよ、と青年司書は呟いた。
毎日作ってもらう側だと強くは言い辛いが、何度言っても苦手なおかずを覚えてくれないお母さんは多い。苦手だって言ったじゃん、とかつての不満も蘇る。
「食べたいなぁ、母さんの卵焼き」
以上、200字。こちらのご企画に参加させて頂きました。よろしくお願いします!
「あら〜、そうだっけ?」まで返されるのが1セット。
