ネタバレあり映画感想(※うそです)|『バナ太郎の夏』|ましろさん原作
(1,894文字)
ましろさんの記事「バナ太郎の夏」が、映画化された。
蛇顔男、さっそく秘術で古い扇風機に変化して、観てきました。
古い扇風機向けの映画なのです。
(原作のストーリーを紹介)
次女が、まだ保育園に通っていた頃の話。
静かに遊んでいるようだったので、そっと部屋を覗いた。
次女は、扇風機の首振り機能をONにして
その扇風機の首を回らないように小さな手で押さえつけ、
「いい?バナ太郎、ねぇ、聞いて…
私のことは置いていって。いいの、大丈夫。
――あなたのことは、私が守るから…!」
と言っていた。
第1幕が終わったところで、次女に首振り機能をONにして押さえつけてはいけないと注意した。
バナ太郎は、結局、次女を置いて逃げることなく、その夏を終えた。
君の巻き起こす風は、ピュアなドラマを創り出す。

特に指示なし(ぐぽたんが勝手に)
監督・脚本・編集は、この映画デビュー作という加母素まし代さん。
原作を自由に、大胆に膨らませ、作品世界を創り上げた。
まず扇風機は、呪いで姿を変えられたバナ国の王子、馬奈バナ太郎。
ましろ一族の幼子にだけ、王子の姿が認識できる。
というか、そうした女児(次女)の目には、扇風機として映っていない。
ちょっと年上の、ふにゃっと頼りない、でも「もう、この人……わたしがいないと絶対ダメなんだから……!」と思わせる、男子の姿でいる。
呪いのことも本能的にわかっていて、なんとか解きはなってあげたくて、時間があるときはとにかくいろいろ試している次女。
でも、同時に、別のこともわかってしまっている。
一定期間何を試してもダメだったとき、それに悟って王子があきらめてしまたときには、(これもまた呪いの力で)王子は時空を超えて強制転移させられてしまう。
転移の時が、近づいている。
「ばかっ!あきらめないでよ……、
ダメダメダメ、それか、わたしもその”別の時”に行くもんっ!」
「ねえ、困らせないでおくれよ……」
気まぐれに、ときどきは、
「私のことは置いていって」「大丈夫」なんて言ったりするのに、
結構なムン力で、両側から顔をぐぎぎする、次女。
バナ太郎王子、そこで、この地球に伝わる永遠の格言を思い出す。
「男の子は、永遠のガキンチョ。女の子は、小さいだけで、立派に女」。
理解不能で厄介な生き物。
まだ小さいとか、いっさい関係なくだ。
バナ太郎の夏。
それは、そのやりとりが延々と続く夏。
だが原作でも映画版でも、この部分は大胆にカットだ(当然)。
そして、原作での冒頭にしてクライマックス、
「首振りぐぎぎぎ押さえシーン」
は、やはりこの映画でも1番の見せ場。
映画では、原作で描かれなかった、「それでも転移しないでとどまった」理由に踏み込む。
次女がめっちゃ首押さえ込むから、ムチ打ちっぽくなった。
ハードコア寝違えみたいな痛みと違和感で、うまく転移モードに入れなかった。
無理し続けると、発火しそうだった。
だから、ましろ家にとどまって、次女のイマジナリー妹たち(ペットボトル)とも遊んだり、ふわふわと過ごしていた。
全編1時間57分。
よく、これだけ長尺にできたもんだよなという感心が先に来る。
ぼくは五感体感型の映画館4DXで観たので、途中で「なまぬるい風」を感じたりもできた。
⸻以下、映画の確信や結末の描写(ネタバレ)があります⸻
そして夏が終わり、バナ太郎は転移してしまう。
レトロ扇風機だけが残り、魂は別の時空へ。
向かった先は、昭和感のある室内。
次女に少し面影の似た、女児。
少しだけ新しくなっている、それでも当時でもレトロ感漂う、扇風機に入り込む。
「ましろ」、
と母親から呼びかけられる女児もまた、扇風機に話しかけ、ハグし、キスまでしようとしていた。
呪いのことも、「それを解くのはわたしの役目」ということも、彼女にはもう、わかっていた。
(結論)
自信を持って鑑賞をおすすめできます。
「人には観られない」、という点はたしかに難点ですが、いっそ古い扇風機になりすましてみるとか。
あるいは友人に古い扇風機がいるよいう方は、もうぜひ薦めてあげてほしいです。
☀️発光さんの映画感想(観てません)
🍸ようさんの映画感想(観てません)
(2026.7.2 追記)
ポスター当初案も貼っておきます。
背景の絵柄はむしろこっちが個人的好み。
ちょっとそのままでは、なんというか懸念がありまして、挿げ替えたのでしたf^_^;)

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