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【すこし・ふしぎ・ばなし①】ママ友は月世界の女王。彼女の娘の「天空の花婿」候補を、no+e内で俺は探してんだわ。【あさって、天空城へ】


《今日から3日連続で、現実とクロスオーヴァーするような創作を書いてみます。
全3回、3日後に完結する、すこし・ふしぎ・ばなしをお届けします。
「タイトルで概要言っちゃってない?」うん、いい指摘。》

(2025.4.7追記)

YES!うれしいです


以前、能蔦のづたという土地に長く住んでいた。
能蔦は東京の西側、町田市にある。


俺は大学を出てすぐ結婚した。22歳の時だ。
彼女、つまり今の妻が妊娠し、責任を取る形だ。

妻もフルタイムで仕事を持っており、なので息子が(、と娘もだが)小学校に上がるまで、保育園に入れていた。


都心で働く妻が毎朝通勤で早く出るため、いきおい、息子の保育園への朝の送りと夕方の迎えは、当時無職同然だった私のタスクだった。
25年以上も前の話。

月江つきえさんと知り合ったのは、その頃だ。

……など俺が書くと、

「えっまたR子さん的な、結婚制度を度外視したアンチモラル恋愛譚?」
「っていうか『R子さん』の最終話はいつドロップすんだよ」

と一部から声が上がりそうだが、今回そういう感じではない。


月江さんは、知り合った当初はママ友。
ある時期から俺の上司になった。


通常「ママ友」と言うと、「ママ同士の交流・友情」を指すはず。
男の俺が言うと語弊があるのかもだが、当時の俺の自営業はヒマヒマ状態で、ゆえにほぼ育児専念状態だった。
(昼間に自宅から出て、歩いて近所をウロウロとコンビニへ行く時など、保育園の各年クラスのお散歩コースを毎年念入りにリサーチし、慎重に避けて行動したものだった。)
実質俺が「ママ業」だった。


月江さんとは、保育園の登園時間が重なることが多かった。


「ああ◯◯(息子の名前)くんパパ、おはようございます」
「どうもーおはようです、月美ちゃんママ」


朝のお支度(物品のセットなど)をそれぞれやりながら、なんとなくお互いの生活を伝え合ったりする数分のひととき、というのが数年間続いた。

うちの息子と月美ちゃんは、相性が悪いのか、ケンカしたりいきなりどちらかが泣き出したりして、親たちはーー少なくとも俺は、バツが悪い思いをしていた。


俺は当時、

「創作経験は一切ない、だからこそ確実に未来でバズるアーティスト」

を僭称し、主にインターネット上で活動していた。
(保育園の入園希望書類を出した後、市役所から何度も「どんな仕事なんですか?」と確認の電話が入り、その度に言い抜けて、切り抜けていた。)

「脳内で響き渡っている一大組曲」
「脳内では描き上げている大聖堂壁画」
「脳内では完成している彫刻」
「脳内では深い余韻を与えている俳句」

について2ちゃんねる(5ch)やTwitterなんかで熱語りし、投資を募る。
投資した人たちから
「で、いつ、完成して、その売上収益をリターンさせてくれるんだ?」
と問合せがくれば、熱弁ふるってケムに巻く。
……「和牛詐欺」に近い。

だがさすがにいろいろな意味でヤバくなってきた時期がきていた。


ある時、月江さんが朝の支度の合間に、言うのだった。


「蛇内さん。ク○みたいなビジネスからは足を洗って、ウチで働いてみません?」


(えっ?
俺が◯ソいことやってんの、バレてる……。)


訝ったが、俺はク◯を◯ソと言う人がめっぽう好きだ。
まずは話を聞くべく、その朝そのまま、出勤する月江さんに同行した。

……「同行した」と言っても、彼女は車(クリーム色のトラバントトラビ、運転手付きで後部座席)、俺は電動式でもなんでもないスポーツサイクル立ち漕ぎでだったわけだが。
起伏多めな町内でありなかなかハードコアだったが、どうにかついていった。

ちなみに能蔦の町だが、交通の便が

少しばかり、


よろしくはない。
このため、平素の日々は「ザ・車社会」なエリアとなる。


竹林の小道を慣れた様子ですいすい進むトラバントを追い、ひたすら漕ぎに漕いだ。

視界がひらけた。
美しい城が現れた。
日本の城とも西欧世界の城とも違う、かつて見たことのないビジュアルの、だがそれは間違いなく、城。
西新宿の高層ビル群の一つのような、威容が森に。
(どうして町のどこからもこの城が見えないのか、今も俺にはわからないけど。)


車の停車に合わせて自転車を停め、肩を上下させヒーヒー息をしていた俺は、運転手が開けたドアの奥から降りてきた月子さんにこう聞いた、
「ここが、職場ですか?」、まぬけな俺の質問に月江さんは、
「ええ。ここが私の職場です」。
いつの間にか、見慣れない服装の男女が周囲にいた。かれらは月江さんの出迎えで出てきたようだった。すぐ後で知ったのだが、それは秘書課の職員たちだった。

この城で「王」の仕事をしている、月江さんの。


ハイということで、ようやくタイトルのネタバレ部分まで来た。

ママ友の月江さんは、実は地球世界を見守る月世界、その王(女王)だった。


あの日から、彼女に支えていろいろな仕事をしてきた。

(10年ほど前に転居をして能蔦を離れ某県在住となったが、実はコロナ以前から職場としてはリモート勤務体制が超絶進んでいたためーーそもそもが、月世界の「本社城」は、月にあって王家一族も地球と月を行ったり来たりしているほどーー、物理的に能蔦の城の付近在住か否かは、ほぼ問題にはならなかった。
なお、能蔦の城は通常、職場内では

天空城

と呼ばれる。)



今現在の俺は、月江さんの娘ーー僕と息子と同い年で28歳になった月美ちゃん、その「花婿候補を探す」という仕事に従事している。
息子の幼なじみの月美ちゃんは。
月世界の筆頭王位継承者、天空城主の月美姫であらせられる。
職場ではちゃんとわきまえて、彼女をそう呼ぶ。
その月美姫の配偶者にふさわしい男で、同時に「地球を救う勇者」を探す任務だ。

……うちの息子?
残念だけど、求められる資質とだいぶ違うので、不合格。


俺の業務上の肩書は
「地球守護局 伝説ノ勇者探索課 探索第五班」
の班長で(職場スタッフからは「五長」と呼ばれている)、国内外スタッフ数十人体制で、班が担う業務は
「インターネット空間での、姫の花婿探し」。
俺は係内統括や対外調整、あとno+e内探索活動の副担当サブ担をやっている。



そんな俺は最近、
「おお、これは……!」
と心から思える男性no+erをひとり、見つけていた。

まずは彼の書いた過去記事を読み込むだとか、入念かつ慎重にリサーチを進めた。


係内会議、課内会議……という業務上の段取りも、当然踏む。
加えて女王陛下、つまりママ友月江さんには、LINEでやりとりし合う関係を保育園時代から維持している仲なため、

「どうも、蛇内です」
「良さげな男性、見つけました。これからコンタクトを取ってみますね!」

と報告もしておいた。



ある夜。

俺は彼、つまり「とある男性no+er」に、コンタクトをとることにした……。

(つづく)



《あとがき》

さて、「とある男性no+er」様のアンサー記事、くるかなどうかな……?
|ૂ•ᴗ•⸝⸝)”チラッ

あー、でもおまかせしますよン♪

(2025.4.5  7:00追記)
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この物語に登場する地名はフィクションです。
たとえ現実世界の野津田のづた(東京都町田市内の地名)と読みが一緒であっても、その土地のことを指すわけではありません。たぶんですが。


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山本蛇内 yamamotojanai スキとフォローくだされば(気に入ってくださるなら、でね)十分なのであります! いつか有料記事に挑戦しますので、その時までチップ取っといてください笑