遠い島からの手紙たち【ショートショート/連続執事事件】
「お嬢様へ。
わたしがこの監獄島から書く手紙は、数えで267通目、なので267週連続のーーあなたの言葉を借りればーー「事件」です。
お手紙、今回も嬉しく拝読しました。
クロックムッシュを美味しく作れるようになったこと。
使用人たちの勤めや暇乞いの管理もなさっていること。
庭や畑仕事にまで挑まれているとのこと。
率直に言って、信じられない思いです。
「あのおてんば姫が、よくまあ……。」なんて、目をぱちくりさせています。
あはは、ほんの冗談ですよ。
私の手紙が毎週末に必ず届くのを「事件」と呼んで、心待ちにしてくださっていたことも初めて知り、光栄でした。
いつかの手紙で、言ってくださいましたね。
「現実には、あなたはここにはいない。
けど、あなたが遠い島から必ず届けてくれる手紙から、私はあなたをそばに感じられている。
本当にこの館で、わたしの傍に寄り添ってくれるかのように。
ずっと途切れなく、あなたを感じています」
あの王が斃れ、停戦が合意され、5年の戦乱が終わり。
階級の区別なく、人々が思い思いに語れる空気、それが国中に広がっている。
そのように噂で聞いています。
その影響は、一層いきいきと踊るように書かれているお嬢様のお手紙からも、はっきりと感じられるのです。
入れ替わった家臣団には、私の無二の親友ロディ・アルジェンティオが含まれています。
彼から手紙をもらいました。
『クォリム、真っ先に恩赦が出るよう立ち回っている。先王の恨みを買って投獄されたこと、ずっと心を痛めていた。島から還った後だが、ブランストニア家の執事などに身をやつし、隠遁する必要はもうないのだぞ。
すぐに城へ来て、私を手伝え。ともに新しい世を築こう』
と。
私は短い返事を出しました、
「まずはあの愛する場所へ帰り、心ゆくまで過ごしたい。そのために今日まで生き延びてきたのだ。話はそれからだ」
と。
お嬢様。
もうすぐ、ついに、やっと。
あなたの元へ帰れそうです。
また罰せられ、この独房へ逆戻りでも、私はもう構わない。
言わせてください。
あなたを愛しています。
再び会える時には、あなたをこの手で抱きしめたい。
Sincerely yours,
C」
(903字)
なんとか410字に収めようとあれこれ削っていたのですが、これは無理だと諦めた側からやたら字数が膨らんでしまいました……f^_^;)
そして、アップ後、気づきました。
ワタクシ完全にヤラカシました韻踏んでる場合じゃない。
「#連続執事事件」
「#連続執事試験」
ですね。。。お題破りしちゃいました……orz
今朝、ふっと、ゾンビーズという60年代英国のバンドの「Care Of Cell 44」という曲が脳内で鳴り響き。
それでnote検索で辿り着いた、ごあさんの訳詞が素晴らしく、朝からうるると来てしまい……。
夜、書きたくなって短時間でトライしてみましたっ。
眠さMAXなので、もう股洗って寝ますぅZzzz
同じくこの歌の原詞と対訳を掲載されている、Shredanさんの記事もご紹介しますね。
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