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第2話:一緒にいるのに、孤独を感じる私ーASDと愛着障害の二人

※この物語はフィクションです。ただし、実際の心の葛藤や体験をヒントに描いています。

第2話 「初めての『好き』と、近づけない距離」

彼との出会いは、大学の講義だった。

彼はいつも一番前の、窓際の席に座っていた。他の学生がざわつく中でも、彼の世界は静かで、ひたすらノートに文字を書き込んでいる。誰かに話しかけられることを拒むように、彼の視線はただ一点、教授にだけ向けられていた。

私は、そんな彼に惹かれていった。

私はいつも誰かに見捨てられる不安を抱えていた。だから、人の顔色をうかがい、自分の気持ちを隠して生きてきた。そんな私にとって、彼の揺るぎない態度は、まるで太陽のように眩しかった。彼は、私の「好き」を素直に受け止めてくれるだろうと信じていた。

初めて二人で話した日、私は少し緊張していた。彼に嫌われたくない。そう思うと、何を話せばいいのか分からなかった。

彼はいつも本を読んでいた。その日も、講義が終わるとすぐに分厚い専門書を開いていた。私は、勇気を振り絞って話しかけた。

「ねえ、ちょっといいかな?」

彼は視線を本に向けたまま、「うん」とだけ答えた。私は、彼に嫌われたくない一心で、一生懸命に話した。でも、彼の反応は薄く、私の話は空回りしているように感じられた。

「…大丈夫かな?」

震える声でそう聞くと、彼は私の顔をじっと見つめ、少し考えてからこう言った。

「大丈夫。」

その言葉は、とても簡潔で、感情がこもっていなかった。けれど、私にはそれが、彼の精一杯の言葉のように思えた。彼の言葉を信じたい、そう思った。

「ありがとう。よかった。」

そう言うと、彼は「うん。」とだけ答えて、また視線を本に戻した。

そのときから、私たちの関係が始まった。私は、彼の不器用な優しさを受け入れることにした。いや、本当は、彼に嫌われるのが怖くて、本当の気持ちを伝えられなかっただけなのかもしれない。

彼の不器用さと、私の自己否定。

二人は、出会ったときから、すでにすれ違っていたのかもしれない。

第3話はこちらから👇

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あいさん💗Iカウンセリングルーム セラピスト/ 臨床心理士×公認心理師|支援歴16年・2,000名超 もし、応援したいと感じていただけたら。 その気持ちを、そっと置いていただけたら嬉しいです🕊️ あたたかな応援を、ありがとうございます。