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「助産師さんによって言ってることがバラバラ」とママたちが言う本当の理由——本人の「意思決定」を支える関わり方とは

よく後輩や病院勤務の助産師さんから、こんな相談を受けます。

「退院当日、ママから強いクレームを受けてしまったんです。関わる助産師によって、たくさん吸わせろと言われたり、搾乳しろと言われたり、やり方がバラバラで。結局、家に帰ってからどうすればいいか分からない、と……」

大きな組織やスタッフが多い病院では「よくあること」「仕方のないこと」と片付けられがちかもしれません。「マニュアルを統一すべきだ」という意見も出るでしょう。

でも詳しく話を聞いてみると、関わっていたのは新人ばかりではなく、経験豊富なベテラン助産師も多かったりします。

なぜ、熟練したスキルを持つスタッフが関わっていながら、このようなことが起きてしまうのでしょうか 🤔

😔 「助産師さんによって言うことがバラバラ」の真相

その原因は、私たち助産師がママの「意思決定のプロセス」をサポートできていないことにあります。

不安を抱えるママは、一生懸命に今の状況を伝えてくれます。それに対し、私たちはついつい「解決策」や「方法(HowTo)」だけで答えてしまいがちです。

「おっぱいが張るなら、こうしてください」 「今はとにかく吸わせてください」

ママの気持ちを置き去りにしたまま、答えだけを提示してサポートした気になっていないでしょうか。

特にベテラン助産師は、豊富な経験から瞬時に「正解」を導き出せます。ママもその言葉を信頼し、藁をも掴む思いでその通りに行動します。

でも、そこには**「ママが自分で考える余地」がありません。**

自分で判断せず、言われるがままに行動しているとき、ママの理解は働いていません。すると、いざ退院という「自立」を迫られるタイミングになって、急に「なぜそうしたのか」が分からず、大きな不安に襲われてしまうのです。

💬 「方法」ではなく「その道のり」を提示する

私たち助産師がすべきなのは、やり方を教えることではなく、ママの意思決定をサポートすることです。

プロである助産師は、今の状況から少し先の未来を予測できます。その専門性を、ママが選ぶための材料として共有してほしいのです。

「今の状態なら、この選択肢をとるとこういうメリット・デメリットがあります」 「こちらの方法なら、赤ちゃんにはこう影響し、ママの生活や体はこうなる可能性があります」

こうした対話を通じて、「なぜ、今この方法を選ぶのか」をママ自身に考えてもらう関わりが必要です。

🌱 退院後の「自律」を支えるために

意思決定をサポートされながら過ごしたママは、自分の中に知識と経験を蓄積していくことができます。

たとえ日ごとにアドバイスが変わったとしても、それが「状況の変化に合わせた自分の選択」であれば、ママは混乱しません。

むしろ「あの時はこうだったから、今はこうしてみよう」と、退院後も自分の頭で考えて行動できるようになる。これこそが本当の意味での「自律」です 🌸

今日から、解決策を提示する前に一歩立ち止まってみませんか。

「ママはどうしたいですか?」 「一緒に考えてみましょう」

その関わりが、退院後のママを支える一番の力になるはずです。


【この記事書いた人】
なー助産師
大学病院での臨床を経て、早稲田大学大学院で健康心理学の修士号を取得。
行動変容理論を助産教育に実装したい想い。
現在は母子の健康支援サービスを手がける企業で事業開発を担当。


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